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「龍が如く3」発売記念イベントレポート:名越稔洋総合監督&黒田崇矢さんのミニインタビューをお届け
なお,本作の概要については,「こちら」の記事で紹介しているので,併せてチェックしてほしい。
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名越氏は,ざっと数えて60〜70人はいたであろうファン一人一人に対し,丁寧にサインと握手をしていた。イベントの参加者は,実施されたのが平日の昼間ということもあり,やはり気合の入った男性ファンが多かったのだが,中には女性の姿も。
パッケージのジャケット紙や抽選会で手に入れたノベルティグッズなどにサインを入れてもらっていた人が多かったが,中には,同日発売のPLAYSTATION 3本体と「龍が如く3」のセット“「龍が如く3」昇り龍パック”にサインをしてもらう強者の姿もちらほら。ちなみに,ビックカメラのスタッフに聞いたところ,同店の昇り龍パック当日販売分は,午前中には売り切れてしまったそうだ。
こちらでも名越氏は写真撮影などのリクエストに気軽に応え,ファンの一人一人と硬い握手を交わしていた。ちなみに,名越氏が毎回ティッシュで水滴をふき取るなど,サインがにじまないように細やかな心配りをしていた点が,個人的には印象に残った。
なお,この回には主人公・桐生一馬役の黒田崇矢さんが飛び入りで参加,サイン&握手会の前にミニトークショウが行われるといううれしいハプニングも。
イベントの最後に,名越氏と黒田さんに話を聞く機会を得たので,以下に掲載する。本作に興味を持った人は,ぜひ目を通してほしい。
――今回のイベントの感想を教えてください。
回数も場所も「龍が如く」シリーズで一番多かったんですけど,いつも10分間で何本くらい売れるか,数えてたんです。だいたい売り上げに比例しているんですけど,「龍が如く見参!」のときの2倍以上のペースで売れているんで,しばらくあとで,恐ろしい数字が報告できるんじゃないかなという予感がしています。やっぱり,数字はすごい気になりますんで(笑)。熱さが十分伝わってくる,いい発売日です。
黒田さん:
いまの名越さんの言葉を聞いて,とてもうれしいですね。やっぱり,ずっと関わらせていただいている作品なんで,ただ自分が演じてやりがいがあったとかだけではなく,いいものは,多くの人達に知っていただきたいというのがあるんで。
――イベントでは,女性の参加者が目立っていたように思ったのですが。
名越氏:
ユーザープロフィールでは2割くらいが女性なので,確かに五人に一人くらいは女性だったように思います。男性に向けているものについてきてくれているので,しおらしいユーザーの方なのかと(笑)。気のせいかもしれないですけど,そんな気がするので。
今のまま突き通していけば,またついてきていただけるユーザーさんなんじゃないのかなと,自分なりには考えています。
黒田さん:
「龍が如く」シリーズというのは,そこそこ年齢のいった男性達に向けて名越さん達が始めた作品だと聞いています。女性に関しては,彼なり旦那さんなりがやっているのを横で見ていてファンになった,という声をよく聞きますね。とても嬉しいです。
――「龍が如く3」では,名越さん自身がプロモーションの先陣を切っていて,ついにはテレビCMにも出演しましたが,その感想を聞かせてください。
名越氏:
PLAYSTATION 3で「目覚める」というキーワードのCMの次に、「目覚めさせているのは誰なの?」というのをやりたいねという話が雑談レベルで出たんです。そのときに僕が早々に手を上げて「やるんであれば出たい」と。それが真っ先に実現した理由なんですけど。
いろんなクリエイターの方が,ゲームを含めた,そして自分という人間を含めたものを出せていくと,ゲーム業界を含めて理解が一つ先に進んでいくんじゃないのかなと思うんで。CMに限らず積極的に,いろんな形で訴えられるんであれば,僕は出ていきたいという風に,あらためて感じましたね。
私は声だけの出演でしたけど,CMで名越さんと桐生が共演することによって,桐生一馬が二次元の世界じゃなく,よりリアルな姿で皆さんに届いてくれればいいかなと。
名越氏:
コンテを書いていたときに,僕が作ったものなんだけど僕の憧れでもあるんだよというキーワードは出したんですよ。それが生かされたものにはなっていると思いますね。
――「信念」というキャッチフレーズは?
名越氏:
すごくシンプルでひねりのない言葉なんですけど,今回は「信じる気持ち」っていうのがテーマになっています。信じるでも信頼でも信用でもいいんですけど,「信念」というものが一番通じるものがあるでしょうということでキャッチフレーズにしました。
――シリーズの舞台で,新宿/大阪/祇園,そして今回は沖縄と来ましたが,次の作品で舞台にしてみたい場所とかはありますか?
名越氏:
あっても言えるわけないですよ(笑)。まあ,旅めぐり番組みたいになってきていますけど,それはそれで楽しみの一つかなと。次がもし本当にあるのであれば,多分キャスティングや楽曲タイアップ,企業タイアップよりも,一番悩むことになるのが舞台だと思います。そのプレッシャーだけは感じています。
――まだ「龍が如く3」を買っていない人に向けて,アピールをお願いします。
名越氏:
営業的な意味合いで言うと,これはきっと一つのブームになっていると思います。今,日本のゲームに新しいムーブメントが起きているんだということを知ってほしいので,次世代機という新しい価値観を含めて,このゲームを通じてそれを感じてほしいです。
あと個人的に言うと,クリエイターですから,自分の作ったものが面白いと信じるのは当たり前なんですけど,なかなかそう言い切れないような時代の中で,自分が最高に面白いだろうと信じきれるものを毎回ちゃんと出しています。
気持ち的に何か残るような面白いものに触れたいなと,映画でもなんでもいいんですけど,たまにはゲームでそういう思いをしてみたいなという人がいたら,迷いなく選んでもらえれば裏切ることはないと思うので,ぜひ触れてみていただきたいです。
黒田さん:
私達の子供時代にあった,本当に損得とかじゃなくて自分の正義のためにとか,利益がなくても体を張って誰かのために生きるみたいな,そういうのが今はまったくなくなってしまっています。政治にしてもなんにしても,自分さえよければいいみたいな世の中じゃないですか。一人一人が自分の足で歩けるようになっていかないと,これからの時代を生きていけなくなるんじゃないかなと。
本当に人として一番大事な部分,みんなが今豊かになって忘れていた部分を,このゲームでもう一度感じることによって,一人一人が強くなっていただければ,と思っています。そういう何かのパワーになる作品だと思っています。ぜひともやっていただければと。
名越氏:
どこに行っても言っていることですが,現時点でできる最高の作品を完成させたつもりです。技術的な面でもそうですし,みんなで知恵を絞って考えたゲームイベントであったり,シナリオであったりと,すべてにおいて自信があります。「龍が如く3」では一番いいハードで一番濃い内容のものが遊べると思っていただいていいと思います。
もちろん,一番聞きたい感想は「面白かった!」という意見なんですけど,「この部分はこうならないの?」といったユーザーさんからのご要望も同じくらい聞きたいです。そのうえで,次につながっていく話として考えたいなと思っています。そこは自信を持ちつつも謙虚にやっていきたいと思っていますので(笑)。
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