プレイレポート
“ゴンゾロッソ+ヘッドロック”が手がける新作MMORPG「アルカディアサーガ」のCBTプレイレポートを4Gamerに掲載
先日お伝えしたように,本作のクローズドβテストが9月3〜5日の3日間実施された。期間が短かったうえ,現時点では未実装のコンテンツも多いものの,いくつかのゲームシステムを体験できたので紹介しよう。
「アルカディアサーガ」公式サイト
キャラクター作成時に選べるクラスは4種類
まずはキャラクター作成から。新規作成時には,“ウォーリア”“ウィザード”“テイマー”“バード”の4種類のクラスが選択できた。
ウォーリアは近接戦闘,ウィザードは魔法全般を得意とするクラス。そしてテイマーは動物を調教し,共に戦っていくクラスであり,バードは,楽器を演奏することで味方を支援したり,敵を弱体化させたりできる。
用意されていた種族は人間のみ。性別ごとに,フェイス5種類,髪型5種類,髪の色15種類が選択できた。イマドキのMMORPGとしてはバリエーションはさほど多くないが,今回筆者が試した限り,カメラを引いた状態でプレイするシチュエーションが多く,その点はあまり気にならなかった。
ちなみに,キャラ作成画面をはじめ,ゲーム中には崎元 仁氏によるオーケストラ調のBGMが鳴り響く。MMORPGで,BGMがここまで“前に出てきている”印象を受けることはあまりなく,なかなか新鮮に感じられた。
オーソドックスな中世ファンタジーもののMMORPG
“TRPGっぽさ”を感じさせる演出が印象的
物語は,主人公(=プレイヤー)が見知らぬ島に漂着するところからスタート。気を失っているところをオークに見つけられ,殺されそうになるのだが,偶然通りがかったNPCに助けられ,九死に一生を得る。
その後,「ベナフィール」という村で目を覚ましたのだが,どうやら過去の記憶を失っているようだ。何はともあれ,これから生き抜いていくために,冒険者にとって必要不可欠な知識を習得することになる。
この部分がチュートリアルとして機能しており,訓練をひととおりこなしたあと,ゲーム本編が展開するエリアへと移動するのだ。
アルカディアサーガは,オーソドックスな中世ファンタジーもののMMORPGだ。今回プレイした限り,魔王を倒すとか,世界を救うといった派手なストーリー展開は見られなかったが,全体に落ち着いた雰囲気が漂っている印象だ。
カットシーンでのNPCとのやりとりなどを見ていると,なんとなくTRPG(テーブルトークRPG)を彷彿させるものがある。本作のスーパーバイザーを務める水野 良氏は,古くからのRPGファンにとっては「ロードス島戦記」などでおなじみの人物だが,もしかすると,こういったところに氏のテイストが反映されているのかもしれない。
コンシューマ用RPGライクな操作方法
アルカディアサーガには,やや個性的な操作方法が採用されているので,詳しく紹介しよう。
キャラの移動は,W/A/S/Dまたはマウスクリックで行うのだが,独特なのは,W/A/S/Dの各キーが,画面の上下左右方向に一致している点だ。例えばWキーを押した場合,キャラが向いている方向へ前進するのではなく,キャラの向きに関わらず,常に画面の上方向に進むのである。
また本作には,カメラを自由に動かして視点を変える機能は用意されておらず(つまりマップの向きが固定されている),マウスホイールを回すことで画面の拡大/縮小のみが行える。
個人的には正直なところ,この操作方法や,マップの向きが固定されていることには戸惑いを覚えたし,テスト参加者にも同じように感じた人が多かったようだ。
とはいえ,ここまで読んで気づいた人もいると思うが,これはコンシューマ用RPGなどで古くから採用されてきた方式でもある。おそらく,今回初めてPCでゲームを遊ぶという人が,スムースに操作を習得できるようにすることを狙ったものだろう。
プレイヤースキルが重要となる戦闘システムを採用
アルカディアサーガでの戦闘は自動的には進行せず,通常攻撃やスキル発動といったアクションを行うたびに,自分で操作する必要がある。どちらかといえば,プレイヤースキルを重視したシステムといっていい。
例えば,武器やスキルを用いて攻撃する場合,攻撃対象となる範囲が視覚的に表示される。攻撃を的中させるには,その範囲内に敵を入れてから攻撃する必要があるのだ。
戦闘中,敵は細かく動き続けるため,位置関係が常に変化していく。アクションゲームとまではいかないが,一度ターゲットしたあとはスキルボタンを押していれば勝てるMMORPGとは,一線を画している。
攻撃範囲の形状は,自分が手にしている武器や,使おうとしているスキルの種類によって変化する仕組みだ。例えば,近接武器の場合,扇状の攻撃範囲がキャラの前方に広めに表示される。ここで遠距離攻撃を行う武器に持ち替えると,より遠くまで狙えるようになる代わりに,角度がだいぶ狭まってしまう。離れた場所から攻撃できる半面,狙うのが難しくなるわけだ。
上で述べたように,攻撃用のスキルに関しても,種類に応じて攻撃範囲の形状が変化するので,戦況に応じて使い分けることが重要だろう。
本作ではクラスごとに,アクティブスキルが数十種類ずつ,ツリー形式で用意されており,各スキルには熟練度のパラメータがある。
ちなみにクローズドβテストでは,戦闘中は自動的に相手のほうを向いてくれる仕様になっていた。その結果どのプレイヤーも,通常攻撃や,スキルによる攻撃をひたすら繰り返す戦い方に終始していたのは残念なところ。攻撃範囲などのコンセプトが,今後どのように生かされていくか注目したい。
今後の開発作業を経て,どのように仕上がるか要注目
今回プレイした限り,多数のフィールドエリアが実装されており,それぞれにかなり広い空き地が用意されていた。アルカディアサーガはハウジングを一つのウリにしているので,おそらく,これらの土地に家を建てられるのだろうが,残念ながら今回のテストでは,ハウジングシステムは実装されていなかった。
ちなみに,以前掲載したインタビューでは,「モンスターが家を破壊しに来る」要素を盛り込んだり,家に,RTSにおける生産拠点のような意味合いを持たせたりする構想について語られている。
一般的なMMORPGにおけるハウジングシステムでは,家は,インテリアを楽しんだり,アイテムを保管したりする場として用意されている場合が大半だ。インタビューで語られていることが実現すれば,これらとは一線を画したシステムとなりそうなので,その仕上がりに期待したいところである。
最初に述べたように,コンテンツも限られていたため,MMORPGとしての全貌はうかがい知れなかったが,テクニックが求められる戦闘システムなど,意欲的な試みは確認できた。
それに加え,ごっこ遊びでは終わらないハウジングシステムや,PK(=Player Killing)の採用といった構想が一つのゲームとしてまとめ上げられたとき,どのような作品に仕上がるか。純国産ゲームということもあり,今後の進展を楽しみにしたい。
街中では時折,対人戦が行われていた。本作には,Player Killerとして生きるという選択肢も用意されている |
街を歩いていたところ,Player Killerとおぼしき赤ネームのキャラクターに襲われてしまった |
テスト最終日には,GM主催による座談会が開催された。今後の開発に期待したいところ |
- 関連タイトル:
ロストアルカディア
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