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ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
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印刷2008/12/08 18:15

インタビュー

ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと

 世界最大のプロレス団体であるWWEからミスター・ケネディが来日し,ファンイベント「WWE スペシャルリングサイド2008 with MR.KENNEDY」などに参加した。イベントの模様は,先ほどの記事を参照していただくとして,本記事では,ミスター・ケネディへのインタビューをお届けする。

日本のビデオゲーム文化に感謝!


画像集#001のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
4Gamer:
 初めまして!
 ミスター・ケネディは,2月の「RAW ROYAL RUMBLE TOUR」以来,二度目の来日とのことですが,日本の印象を教えていただけますか?

ミスター・ケネディ:
 大好きですよ!
 WWEのツアーであちこちに行っていますが,一番好きなのは……まあ,本国のアメリカなんですけど,その次に日本が好きです。食べ物も文化も,すべて大好きです。

4Gamer:
 では日本の文化で,とくにお気に入りのものがあったら教えてください。

ミスター・ケネディ:
 日本のビデオゲームに感謝しているんです。日本のビデオゲームが世界中のビデオゲームに与えた影響は計り知れないですからね。おかげで今,凄いビデオゲームを楽しめるわけですから。

4Gamer:
 お,ではこれまで,どんなゲームで遊んできましたか?

ミスター・ケネディ:
 そうですね。「スーパーマリオブラザーズ」や「メトロイド」,もちろんプロレスゲームなんかもけっこう遊んでます。それから,「METAL GEAR SOLID」や「Fable」「Gears of War」なんかもお気に入りですね。

4Gamer:
 けっこう日本で作られたゲームもお好きなんですね。では,日本のゲームで一番お好きなのは?

ミスター・ケネディ:
 うーん,コジマ監督の「METAL GEAR SOLID」ですかねぇ。

4Gamer:
 あのシリーズがアメリカで大人気というのは,本当なんですね!
 いま,ちょうどミスター・ケネディの背後に,日本では2009年1月22日に発売される「WWE2009 SmackDown vs Raw」のポスターが貼ってありますね。アメリカでは発売済みですが,これは遊びましたか?

ミスター・ケネディ:
 ええ,Xbox 360で。自分のキャラクターを使っています。

4Gamer:
 日本ではPLAYSTATION 3版だけですが,アメリカでは各プラットフォームでリリースされているんですよね。


日米プロレスファン気質の違いとは?


画像集#002のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
4Gamer:
 前回の来日時には日本で試合もされましたよね。日本の観客の反応は,ミスター・ケネディから見ていかがでしたか?

ミスター・ケネディ:
 素晴らしかったです。
 2007年にデトロイトで開催された「WrestleMania 23」が,自分にとってのベストパフォーマンスだと思っていたんですが,今年2月の日本での試合は,それに次ぐ……あるいはそれ以上の素晴らしい体験でした。

4Gamer:
 というと?

ミスター・ケネディ:
 初めての国での試合ということで,どういうリアクションが返ってくるのか予想もできず,実は緊張していたんです。でも,実際に対戦相手のクリス・ジェリコと,基本に準じた試合をしたところ,もの凄く素晴らしい反応があったんですよ。

4Gamer:
 アメリカではプロレスをエンターテイメントとして楽しむファンが多いと思うんですが,日本ではプロレスをスポーツとして手に汗を握りながら見るようなファンが多いような気がします。そういう反応の違いでしょうか?

ミスター・ケネディ:
 そうですね。日本のファンの皆さんは,プロレスに対する敬意,忠誠心が非常に強いと感じました。リング上での一つ一つの動きを本当に真面目に見てくれて,その一つ一つにリアクションしたり,声援を送ってくれます。アメリカだと,プロレスを見て騒ぎながら場の雰囲気を楽しむような感じなんですよ。そういう意味では,日本のファンは,プロレスそのものをエンターテイメントとしてとらえているのかなという印象を受けました。

4Gamer:
 なるほど。
 これは日本での試合ではありませんが,ミスター・ケネディは2月のPPV「NO WAY OUT」で,リック・フレアーとのシングルマッチを行いましたよね。ああいう一つ一つの動きにさまざまな意味を見いだせる試合というのは,けっこう日本人好みかもしれません。

ミスター・ケネディ:
 あの試合は,リック・フレアーとやったからこそ,ああいうレベルになったのだと思っています。彼はもう引退してしまいましたが……。ただ,我々は常により良い試合内容を皆さんにお届けするように心がけていますので,また日本のファンの期待に応えられるような試合をお見せできる日が来るといいですね。

4Gamer:
 その日が来ることを楽しみにしています!
 ところでミスター・ケネディは,普通のルールの試合だけでなく,ギミックマッチでも個性を発揮してきましたが,ご自身はどちらがお好きなんですか?

ミスター・ケネディ:
 う〜ん,両方とも好きですね。
 どちらも異なるものだと思うんですが,だからこそどちらが好きだっていう風には選べません。ストーリーラインにのっとって,ノーマルな試合やハードコアな試合,これからもいろいろやっていきたいです。


ポール・ヘイマンにはWWEへ戻ってきてほしい


画像集#003のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
4Gamer:
 少し昔話を聞かせてください。
 ミスター・ケネディはかつて,“カミカゼ・ケン”というリングネームを名乗っていたと聞いたのですが,なぜ“カミカゼ”という言葉を選んだんですか?

ミスター・ケネディ:
 日本語ですよね(笑)。
 私がレスリング業界に最初に携わるときに魅了されたものが二つあります。それはストーリーラインと,リスクを伴うアクションです。リスキーなアクションにはとくに憧れていた時期があって,実際にトップロープからのムーンサルトなんかもやっていました。それで,たくさん怪我もしましたが(笑)。そんな時期の気分が,“カミカゼ”という感じだったんですよ。

4Gamer:
 リングネームだけでなく,ファイトスタイルも現在とはだいぶ違うものだったんですね。

ミスター・ケネディ:
 ええ。WWEに入団する頃の担当者に,「そういうアクションばかりだと体がもたないぞ。お前はスターになりたいんだろう?」と言われて考え方を変え,そういったスタイルをやめたんです。

4Gamer:
 そういった経緯があったんですね……。
 WWEのリングでは,試合前にリングアナウンサーのお株を奪うように,自分で自分をコールするパフォーマンスが定着していますが,なぜああいうことを始めたんですか?

ミスター・ケネディ:
 ハイスクール時代にバスケットボールをやっていたんですが,プレイヤーとしてだけでなく,アナウンスをすることもあったんですね。それが親や先生達から評判が良かったんです。名前を二回言うパフォーマンスも,当時生み出したものです。

4Gamer:
 歴史の長いパフォーマンスなんですね。でもどうしてそれを,WWEのリングでやるようになったんですか?

ミスター・ケネディ:
 OVW(WWEのファーム的な団体)でトレーニングを積んでいるときに,ポール・ヘイマンから「今度の試合でリングアナウンサーからマイクを奪って,自分でアナウンスしてみたらどうだ?」というアドバイスを受けたんです。実際にやってみたら凄く受けが良かったんですよ。

4Gamer:
 それが今につながっているんですね。

ミスター・ケネディ:
 ええ。本当に小さなこと,小さなきっかけから,夢を掴むことができるんだっていうことを,実感しました。


テレビ中継がHD画質になってプロレスは変わるか


画像集#004のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
4Gamer:
 今のWWEにポール・ヘイマンはいませんが,彼がいたからこそ,今のミスター・ケネディがあるんですね。

ミスター・ケネディ:
 彼の存在がなければ,今の自分はいませんね。彼は凄くクリエイティブな考え方を持っているし,彼の話は人の心を掴みます。だから今でも,WWEに戻ってきてほしいと思っているんですよ。

4Gamer:
 ポール・ヘイマンがいなくなったことだけでなく,WWEを取り巻く環境は常に変化し続けています。
 例えば,アメリカではテレビ中継が16:9のHD放送になったそうですね。ゲームはHD画質になって,さまざまな表現が変わりつつありますが,プロレスの見せ方も変わったりするんでしょうか?

ミスター・ケネディ:
 撮影方法は変わってないんですが,「気を引き締めること!」というのは言われました。ビンス(WWE会長)からは,「高画質になるから見た目に気を遣ってメイクアップをしろ!」なんて言ってましたね(笑)。

4Gamer:
 高画質だとアップになったとき,そのあたりも顕著に見えちゃいますもんね。

ミスター・ケネディ:
 ええ。あとは……そうですね,一つ一つのアクションをつなげていくことにもっと気を遣うようにも言われました。自分はずっとストーンコールド(スティーブ・オースティン)に憧れていて,彼の動きを勉強してきたんですが,HDになるということであらためてそれを意識するようになりましたよ。

4Gamer:
 なるほど,大きく美しい画面の中で,淀みなく動きをつなげていくということですね。
 そろそろ時間ということで,最後の質問をさせてください。WWEは,非常にタイトなスケジュールで移動距離も長いツアーが多いそうですが,そうした中でミスター・ケネディはどうやってモチベーションを維持しているんですか?

ミスター・ケネディ:
 確かにいつも体調が万全というわけではありません。試合前,入場ゲートのカーテンの前にいるときには,スタミナがもつかな? なんて不安になることもあります。でもカーテンをくぐってファンからの声援やブーイング,さまざまな声を聞くと,一気にアドレナリンが出てきて,それまでの不安なんかは吹っ飛んでしまうんです。それほどファンからもらえるエネルギーはすさまじいんですよ。それがやみつきになるというのが,一番大きな原動力ですね。

4Gamer:
 ミスター・ケネディを見てファンもエネルギーをもらうことがありますから,どちらが欠けても成り立たないのがプロレスということかもしれませんね。
 今日はありがとうございました!



画像集#015のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
 なお,ミスター・ケネディも含めWWEのスーパースター(レスラー)達が実名で登場するPLAYSTATION 3用プロレスゲーム「WWE2009 SmackDown vs Raw」は,2009年1月22日にTHQジャパンより発売される予定だ。
 本作は以前,「エキサイティングプロレス」のタイトルでユークスより発売されていた人気シリーズの最新作。開発をユークスが担当しているのは変わりないが,発売元は前々作の「WWE2007 SmackDown vs Raw」からTHQジャパンに変更されている。

 今回はオンラインでのマルチプレイにも(最大4人まで参加可能)対応しているほか,ストーリーモード「Road to WrestleMania」や,オリジナルのフィニッシャー(必殺技)を作る機能などが目玉となっている。また,プレイシーンを録画/編集し,オンラインで公開する「ハイライトリール」機能も用意されているとのこと。
 さらに特典映像として,2008年3月30日にフロリダ州オーランドで行われた「WrestleMania 24」のメインイベント,エッジ vs ジ・アンダーテイカーの映像も収録されている。こちらは,日本で見られる映像としては,唯一のフルHD画質のものになるとのことだ。
 本作の購入者には抽選で30名に「WWE2009 オリジナルフィギュア」が,抽選で50名に「WWE2009 オリジナルクーラーバッグ」がプレゼントされる。どちらもファン垂涎のアイテムと言えるだろう。

画像集#005のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと 画像集#006のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと

画像集#007のサムネイル/ミスター・ケネディが語る,日本のビデオゲームへの感謝と本業(プロレス)のこと
 なお,12月5日にイベントに先駆けて行われた記者発表会では,THQジャパンの塩谷クリストファ真人代表取締役が,「新旧スーパースターが登場する新作も開発中」であると語っていた。おそらくこれは,ユークスが開発中で,北米で2009年春に発売される予定の「LEGENDS OF WRESTLEMANIA」のことだと思われるが,こうした場でTHQジャパンの代表がコメントしたということは,日本での発売にも期待が持てそうだ。
 ユークスの公式サイトでは,LEGENDS OF WRESTLEMANIAのトレイラームービーが公開されている。1987年の「WrestleMania III」のメインイベントと同じく,ハルク・ホーガンとアンドレ・ザ・ジャイアントの一戦を見ることができるので,オールドファンはぜひチェックしつつ,THQジャパンが日本発売してくれることを願おう。


記者発表会でいつもどおりにマイクを握ろうとするもマイクが降りてこない……。するとミスター・ケネディはライセンスビジネスを行っているイングラムのスポーツマネージメント担当のKENGO氏(元パンクラシスト。ドス・カラス・ジュニアとの死闘が記憶に残る)になにやら耳打ち。その結果,こういうことに
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