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日本におけるe-Sportsの実情も語られた「AfreecaTV」のメディア向けカンファレンスをレポート
カンファレンスでは,韓国におけるAfreecaTVの活用事例の紹介に加えて,「League of Legends」のプロリーグを日本で展開するSANKOの代表取締役 鈴木文雄氏から,e-Sportsに関する日本の実情が語られたので,その内容をお伝えしよう。
「AfreecaTV」公式サイト
AfreecaTVは,2006年に韓国でサービスインし,現在では韓国で300万人のユニークユーザーを抱える動画配信サービスだ。韓国におけるスマートフォン利用者の約70%が,AfreecaTVのアプリをインストールしているとのことで,韓国では代表的なスマホアプリの1つとなっている。
AfreecaTVの大きな特徴は,星風船と呼ばれるシステムだ。これは視聴者が放送主――AfreecaTVでは,BJ(Broadcasting Jockey)と呼ぶ――にプレゼントできる有料アイテムとなっており,受け取った側は換金できるとのこと。TOP100に入るような人気のある放送主は,星風船による収入だけで生活しているようで,その月収は日本円にして約150万円というから驚きだ。
ちなみに,日本のAfreecaTVにも同様のシステムが存在するが,日本では現金に換えるという仕組みにすることが難しいようで,星風船はAmazonのギフト券やiTunesカードに交換という形になっている。
韓国におけるAfreecaTVの人気コンテンツはゲーム放送となっており,その放送数は全体の50%以上を占めているとのこと。とくに,プロゲーマーによる放送が人気を集めており,彼らが主催する賞金付きのリーグまで存在するほど,大きなコミュニティが形成されているようだ。
植田氏は,こういった放送主と視聴者が形成するコミュニティの盛り上がりを,日本のAfreecaTVにも取り入れたいと話しており,今後はゲームコンテンツを中心にサービスを強化していくようだ。
これは,AfreecaTVのWebサイトにログインしてから約10秒で生放送を始められるというもの。特別なソフトウェアを一切使わないため,生放送を始めるためのハードルが下がり,知識のない人でも簡単に生放送できるというわけだ。
キム・ボキョン氏によると,WEB簡単スタジオのオープンによって最高同時放送数が1.36倍になったとのことで,一定の成果を出すことに成功しているようだ。
続いて,e-Sports文化を日本に定着させることに力を入れているSANKOの代表取締役 鈴木文雄氏から,日本におけるe-Sportsの実情が語られた。
SANKOは,e-Sports専用施設「e-sports SQUARE AKIHABARA」を運営しており,2014年1月25日のオープンから現在に至るまで,100回を超えるイベントを行ってきている。
日本でe-Sportsが定着しない理由としては,ゲーマーがプロとして生活していける環境が整っていないからと話しており,まずはプロゲーマーの社会的地位を上げることが第一目標だと語っていた。
そのためにも,e-Sportsを多くの人に体験してもらい,プロゲーマーが憧れの的になるような環境ができれば,e-Sportsはもっと盛り上がると氏は考えているようだ。
また来年には,6チームが参加する「League of Legends」の国内プロリーグ「League of Legends Japan League 2015」が開催予定となっている。
最後に鈴木氏は,「ONE」という言葉を掲げ,e-Sportsの文化を日本に根付かせるには,ゲーム業界が一体となって盛り上げていく必要があると話し,カンファレンスを締めくくった。
「e-sports SQUARE」公式サイト
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