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[TGS 2008#045]「ロックマン9」のコンテンツが著作権フリーに? 稲船エグゼクティブプロデューサーの爆弾発言も飛び出した「ロックマン スペシャルステージ」
稲船氏は,次世代機と呼ばれるハードでグラフィックス能力が進化している中,あえて「ファミコン」として復活した「ロックマン9 野望の復活!!」(以下,ロックマン9)についての話をするために登壇したと説明。ロックマンが生誕して20年が経過し,シリーズを愛してくれたファン達へのお礼の意味を込めて制作されたという本作は,Wiiウェアとして9月24日にダウンロード販売が開始された。
開発にあたっては,「ファミコン」というコンセプトゆえに,あえて色数制限やキャラ数制限などの制約をつけたという。しかしながら,そのとおりに作ったら,今度は稲船氏に「もっと色増やしたら?」といわれたりするなど,スタッフ達にもいろいろと苦労があったようだ。
インターネットでの配信という形で販売が開始されたロックマン9だが,稲船氏はインターネットの特性をもっと生かした,ロックマン9ならではの企画をここで発表したいと述べた。
稲船氏は,ロックマン9が皆に注目された要因として,20周年というのはもちろん,インターネットによる影響が大きいと述べた。とくに「ニコニコ動画などの動画配信サイトにロックマン9の楽曲を使用した動画が投稿され,それがヒットする」など,ユーザーが発信するコンテンツを例に挙げた。
本来であれば,カプコンに許諾を取らずにやっている行為であるため,動画配信サイトに対して削除要請を出すといったところが妥当な対応だが,稲船氏は,勝手にやっていることに対してどう対応するか迷いながらも,ユーザーの気持ちを大切にするのが一番だろうという結論に達したとのこと。
稲船氏は,ニコニコ動画に動画を投稿する人はより面白いものを作れる,カプコンはその動画でロックマン9およびロックマン全体というものが面白いものだとアピールしてもらえるということで,お互いにメリットがあるだろうと語っていた。詳細は,ロックマン9の公式サイトで確認してほしい。
いやはや,筆者はこの発言には本当に驚いた。稲船氏は今回の発表を,あっさりと軽快な口調で語っていたが,制作したコンテンツで利益を得ている企業が,その一部を無償で提供することを公式に発表するというのは,ただならぬことだ。その裏には尋常ではない苦労があったことは間違いないだろう。それを「ユーザーが楽しむ」という一言に集約してそれを実行するというのは,そうそうできることではない。稲船氏は,「カプコンは広い心を持った会社であることを皆に示したい」と語っていたが,そう言われると,ただただ納得するしかない気がする。
ともあれ,カプコンの今回の発表が,今後どういった展開を見せるのか注目したいと思う。
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ロックマン9 野望の復活!!
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