連載
ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第32回「Bethesda Softworksは『Fallout 3』だけじゃない!(5)」
Bethesda Softworksにスポットを当ててお送りしてきたこのシリーズも,今回がラスト。寄り道しながらもようやく,筆者が一番語りたかったテーマにたどり着いた。それは「Star Trek」のゲームである。
Star Trekのゲームは,PC向けのノンライセンスな同人モノから,正規ライセンスもの,そしてコンシューマ用などを合わせると,軽く100タイトルを超えてしまうだろう。これらをすべて紹介しようとしたら,研究本1冊が作れるぐらいのボリュームになるはず。
この連載ではさすがにそこまでできないので,筆者が個人的に思い入れを持っている,日本には入ってこなかったようなアーケード版やピンボールマシンなどを紹介しつつ,Bethesdaの話につなげさせていただきたい。
日本国内へは輸入されなかったようだし,そもそも当時の筆者はまだ2歳だったということもあり,遊んだことはおろか,見たことさえない。でも,トレッキーの筆者としては,死ぬまでに一度は触れてみたいと思っている。
実はアップライト筐体以外に,コックピットタイプのものも存在していたのだが,それを知ったのは筆者が19歳で初めて渡米した1989年。UCLA校内のアミューズメントスポットで,その現物を見たときのことである。実際にプレイしたところ,アップライト筐体で遊んだときとは別物の感覚を味わえたことを記憶している。
ゲーム自体はフライトシミュレータ的な要素も強く,コックピットタイプでは左と右にコントロールパネルが配置されているなど,トレッキーにとっては夢のような作品だ。個人的には,すべてのStar Trekゲームの中で,最も遊び込んだのがこれである。
一つは,不気味なボーグを配したアップライト筐体の「Star Trek: Borg Contact」。そしてもう一つが,コックピットタイプの「Star Trek: Voyager」だ。
さすが映画監督の手がかかったアミューズメントスポットだと喜び勇んでプレイ! ……しようとしたのだが,二つともメンテナンス中。残念ながら,今に至るまでプレイする機会には恵まれていない。
なお,海外のゲーム系ジャーナリストの友人から送ってもらった,上記二つのカタログによると,リリースは2000〜2001年だった模様。
ちなみに筆者は,ピンボールも大好きなのだが,小学生時代に生まれて初めて遊んだピンボールは,偶然にもStar Trekのものだった。
Bally Manufacturing製で,Star Trekのイラストが描かれていたのだが,映画やテレビシリーズと異なり実写ではなかったため,てっきりニセモノだと思いこんでしまっていた(オフィシャルライセンス品だったことを,大人になってから知った)。
ではなぜ,この二つは日の目を見ることができなかったのか。その経緯を知るべく,ベセスダ・ソフトワークスの親会社である,ゼニマックス・アジアの高橋 徹ゼネラルマネージャーを取材してきた。
その前に,高橋氏についても一応触れておこう。
高橋氏は,スノースクーターを海外から日本へ輸入する会社を,弱冠23歳で立ち上げた人物。20代後半になると,軌道に乗っていたその事業を売却し,「サラリーマン経験がなかったので,試しにやってみよう」と思って就職活動をしたところ,英語が堪能な人材を募集していたカプコンに採用された(高橋氏は10歳から高校卒業までをアメリカで過ごしたため,英語が堪能なのだ)。
それまで,ゲームではさほど遊んでいなかったらしいが,いずれにせよ高橋氏とゲーム業界とのつながりは,このときに生まれたのである。
当時の高橋氏は,ゲーム業界で使われる用語などを学んでいる段階だったにも関わらず,直属の上司である中里氏から,海外タイトルをコンシューマゲーム機で展開する事業を任されていたのである。そして最初に手がけたのが,突撃!アーミーマン 史上最小の作戦だったというわけだ。その頃の日本のコンシューマゲーム市場には,RTSが発売されていなかったのだが,中里氏はあえてそこにチャレンジしたかったらしい。
そして,まだゲーム業界に入って半年しか経っていない高橋氏は,ゲームの台本を含め,日本語ローカライズを一人で担当しながら,海外タイトルのローカライズに関するイロハを学んでいった。
カプコンで数多くの海外タイトルをローカライズした高橋氏は,その後スパイクへ移籍。プロデューサーとして数々の仕事をこなした末に退職し,ゼニマックス・アジアが日本法人を立ち上げるにあたって,トップの座に着いた。
これはなんでも,「ゼニマックスの社長と意気投合して,飲み屋で5分ぐらい話して決まった」らしい。とにかく,社長と馬が合うと直感したのが,最大のポイントだったそうだ。
そしてゼニマックス・アジアが最初に行った発表会で,BULLYと並んでお披露目されたタイトルが,「Fallout 3」であり,「The Elder Scrolls IV: オブリビオン」(Xbox 360 プラチナコレクション)そして前述のスター・トレック レガシーとスター・トレック コンクエストだったのである。
ちなみに米Bethesda Softworksは,2006年に「Star Trek: Encounters」(PlayStation 2),「Star Trek: Tactical Assault」(ニンテンドーDS),「Star Trek: Tactical Assault」(PSP),「Star Trek: Legacy」(PC),Star Trek: Legacy(Xbox 360)を,2007年にはStar Trek: Conquest(PlayStation 2),「Star Trek: Conquest」(Wii)と,合計七つのStar Trekゲームをリリースしている。どれも完成度は高く,トレッキーにとっては嬉しく楽しい作品だ。
それだけに,2タイトルのみとはいえ日本語にローカライズされたStar Trekゲームがリリースされることを聞いたときには,心底喜んだものである。が,結果は発売中止。リリースではその理由が,「諸般の事情」とされていたのだが,実際のところ何が起きていたのだろうか。
以下に高橋氏の言葉を,なるべくそのままの形で再現しておこう。
Activisionの「レゴ インディ・ジョーンズ」が発売中止(関連記事)となったときよりも,トレッキーである分だけ,本当に残念な話だ。しかしまあ,こういった経営判断が下ってしまったのであれば,仕方のないところだろう。シネゲーファンとしては,次にゼニマックス・アジアがリリースする作品を楽しみにすることしかできない。
なんせ本国の役員には,アメリカの大手テレビ局CBSのお偉いさんや,ハリウッドの超大物プロデューサーであるジェリー・ブラッカイマー氏らが名を連ねているのだ。きっとまた,シネゲーを自社開発してくれるはず! そして日本でもリリースしてくれると祈りたい!
また個人的には,Bethesdaが2006年にPlayStation 2とPCで発売した,「Pirates of the Caribbean: The Legend of Jack Sparrow」なんて,けっこういいんじゃないかと思っている。なんせ,Disney Interactive版とは異なり,本作のみジョニー・デップがボイスアクターとして本人役で参加しているのだ。少々旬は過ぎてしまっているけど……。
■ドブ漬けゲームスープレックス(32)
Xbox 360 / PLAYSTATION 3
「ストリートファイターIV」(カプコン)
「ストリートファイターIV」は楽しみにしてた作品なので,発売日当日に都内量販店で購入した。店に着いたのは昼前のこと。
ソフトは無事購入。しかし,同時に買おうと思っていたホリのリアルアーケードPro.EX SEは売り切れ……。なんでもストIVと同時に購入するお客さんが多かったらしく,開店直後に売り切れてしまったそう。
本当は8ボタンのジョイスティックが欲しかったのだが,仕方ないので6ボタンのものを購入し,家に戻って早速プレイを開始。
アーケードではほとんど遊んだことがなかったので,まずは昔の勘を取り戻そうと,アーケードモードを選択してシングルプレイに勤しんでいたら,ステージを三つほどクリアした段階でチャレンジャーが乱入。え? え? え? 何かの間違い? と戸惑っているうちに,敗北。
ストIVには「アーケード待ち受け」という機能があって,これがオンになっているとシングルプレイ中でもネットワークを通じて対戦相手を探してくれるのね……。知らなかったわ。
続いて真のマイキャラなザンギエフでプレイ。昔ながらのスタイルでいてくれたザンギエフのおかげで,かつての勘を取り戻すことに成功。乱入者も撃退できるようになってきた。
が……,結局エンディングまではたどり着けず。深夜までジョイスティックのガチャガチャ音が自宅内に響き渡り,ファイナルアトミックバスターを決めるたびに机が揺れ,モノが落ち,ペットのチワワは吠えまくる。そんな始末でしたとさ。
今度はPLAYSTATION 3版も購入するつもり。あっちにはどんな戦い方をするヤツがいるんだろうか?
「ストリートファイターIV」公式サイト
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