ニュース
AMD,Fusionを推進する「VISION」ブランドを立ち上げ。PhenomもTurionもRadeonも,VISIONの中に溶けていく
VISIONとは何なのか。8月下旬に来日し,VISIONについて説明したAMDのDirk Meyer(ダーク・マイヤー)社長兼CEOは,VISIONブランドとそれに関連したロゴプログラム立ち上げについて,次のように述べている。
そこで発表するのが,新しいGo-to-market(※市場開拓,市場参入の意)の戦略である。販売の場で,コンポーネントブランドの名前を言うのではなく,『何ができるのか』『そのプラットフォームにどんな機能が用意されているのか』を,一つのメッセージで伝えていきたい。それが『VISION』だ。
従来よりも,お客様が理解しやすい,もっとシンプルなストーリーを,打ち出していきたいと考えている」
Windows 7と同時に立ち上がる予定のVISIONは,ひとまずノートPC用に展開され,2010年には,デスクトップPCにも広がる予定。最低要件としては,「ATI Avivo HD」「ATI PowerPlay」「ATI Stream」各テクノロジーのサポートと,HDMI出力,DirectX 10.1のサポート,マルチコアCPU,UVDの搭載が挙げられており,これを満たすノートPCについて,搭載するCPUとGPU別に,それぞれ「できること」が,以下のとおり訴求されていく。
1.VISION
- Casual Gaming:カジュアルゲームのプレイ(※4Gamer的には,Flashゲームやブラウザゲームとほぼ同義)
- Listen to Music:音楽再生
- Photo viewing:写真再生
- Watch DVD movies:DVD-Video再生(※Youtube再生も含む)
- Rich Internet Browsing:インタラクティブなWebサイトのブラウジング
2.VISION PREMIUM
- Multitasking:マルチタスク処理
- Live TV on the PC:テレビ鑑賞
- Mainstream Gaming:一般的なゲームのプレイ(※4Gamer的にはカジュアルゲームとほぼ同義)
- Convert CDs to MP3s:CD-DAのリッピングとMP3形式へのトランスコード
- Basic Photo editing:基礎的な写真編集
- Watch Blu-ray/HD movies:高解像度ビデオ再生
- iPod video conversion:iPodで再生できるビデオフォーマットへのトランスコード
- Webcam:Webカメラ(を利用したビデオチャット)
3.VISION ULTIMATE
- Multitasking:マルチタスク処理
- Record TV shows:テレビ録画
- Online gaming(MMO):オンラインゲームのプレイ
- Edit/mix music:音楽編集
- Advanced Photo editing:高度な写真編集
- Create/edit movies:ムービーの作成・編集
AMDでは,搭載するCPUとGPUの組み合わせの最小構成を,液晶ディスプレイサイズが15インチ前後の「メインストリームノートPC」と,AMDが「Ultrathin」と呼ぶ薄型ノートPCごとに設定しているが,その条件を満たすノートPCでも,TurionやAthlon,あるいはATI Mobility Radeonのロゴシールは貼られず,3ランクのVISIONロゴだけが貼られるという。スペック表を見れば,従来どおり,CPUやGPUのモデルナンバーをチェックできるが,もはやCPUやGPU単位での訴求は,行われなくなるというわけである。先ほど,Meyer氏の示したスライドにあるとおり,CPUやGPUは,VISIONというブランドの中に溶けていくイメージなのだ。
なお,デスクトップPCでは,現在のところ,「Dragon」「Spider」といった,プラットフォームの開発コードネームがブランド的にアピールされているが,「開発コードネームが存在する以上,呼び名自体は残るが,2010年以降は,VISIONブランドで訴求されることになる」(日本AMD 土居憲太郎氏)とのことだった。
適切な運用さえなされれば,量販店の店頭において,非常に分かりやすい指標となるはずなので,AMD,そして日本AMDの取り組みに注目していきたい。
- 関連タイトル:
ATI Mobility Radeon HD 4000
- 関連タイトル:
Turion X2 Ultra
- 関連タイトル:
Phenom II
- この記事のURL: