ニュース
競合に対する優位性をこれでもかとアピール。AMDの秋葉原イベント
ローエンドへの展開速度をアピール
AMD 790GXのOC耐性もデモ
氏は,ローエンドまで製品が出揃ったHD 4000シリーズの紹介から話をスタートさせる。
その内容を一言でまとめるなら,「シリーズの好調ぶりを背景とした,強気のセッション」といったところ。例えばATI Radeon HD 4600シリーズについてだと,「ATI Radeon HD 4800シリーズの投入から,わずか3か月で発表できた。下のクラスに技術が“落ちてくる”タイミングが短くなってきているが,これは,我々のアーキテクチャが成功した証ではないかと考えている」といった具合。
また,ローエンド市場向けの「ATI Radeon HD 4550」を「GeForce 9400 GT」と比較したグラフを示し,「競合製品に比べて1.3倍のパフォーマンスが得られている。もはやどちらを買うべきか明らかでしょう」と,力強く訴える一幕も。最新世代のGPUアーキテクチャを,ローエンドはおろか,ミドルクラスにも展開できずにいるNVIDIAとの差を強くアピールしていた。
さらに森本氏は,AMD 790GXに話を移し,「AMD OverDriveを用いたときの耐性が上がっている。SidePortのオーバークロックも可能」と,秋葉原の自作PCユーザーにその魅力をアピール。「昨晩やってみた」(森本氏)という,「AMD 780G」との違いを紹介する。
CEATECで紹介したGPGPU関連製品のデモを再度実施
9600 GT対抗と「Kuma」は2008年内に投入
同ブースの模様については4Gamerに掲載したレポート記事でもお伝えしているが,土居氏は「今後二度と,これほど多くのAMD搭載製品を集めることはないんじゃないかと思う」くらい大きなブースを構えていたことや,展示の様子などを紹介。
さらに,CEATEC JAPAN 2008で招いていたパートナー各社を再び招き,ATI RadeonのGPGPU機能を有効活用した,あるいは活用する予定のソフトウェアを,秋葉原のユーザーにアピールしていた。
最も重要なアップデートは,18日の記事でお伝えした「Deneb」のスケジュールだが,このほかにも,
- 「Athlon X2 4850e/2.5GHz」の上位に位置づけられる,TDP 45WのデュアルコアCPU
- 「GeForce 9600 GT」対抗となるGPU
- 「Kuma」(クマ,開発コードネーム)こと,「Agena」(=現行のPhenom X4)ベースのデュアルコアCPU
AMD Fusion for Gamingは,Windowsのバックグラウンドで動作しているプロセスを一時的に停止させ,ゲームプレイ中のシステムパフォーマンスを引き上げようという,自己責任での利用が前提のユーティリティ。土居氏は,
- 「インタフェースが特徴的すぎるのと,英語版のみで,日本語化の予定がないため取っつきにくいが,メニューを表示できれば簡単に操作できるはず」
- 「デフォルトだと,なぜかネットワークコネクションが切られたり,USBデバイスのPlug and playがオフになったりするので(笑),ぜひ自分でカスタム設定をしてほしい」
- 「機能を有効化して,不要なプロセスを止めると,浮動小数点演算性能が10%以上も上がる。(Phenomは)浮動小数点演算性能が弱点と言われているが,遅いのはうちのせいじゃなかった(笑)」
「Smarter Choice」に代わる新しいブランドコピー,「Future is Fusion」は,今後のイベントなどで,繰り返しアピールされることになりそうだ。
なお,会場ではAMDのパートナー各社による製品紹介が行われたが,とくにインパクトがあったのがASUSTeK Computer(以下,ASUS)と,MSIの日本法人であるエムエスアイコンピュータージャパンのセッション。ASUSの岩崎晋也氏は“ぶっちゃけトーク”で,またエムエスアイコンピュータージャパンの石岡宣慶氏はその話術と新情報で,会場を大いに盛り上げていた。
以下,各社のセッションの模様を,ピックアップしてお届けしよう。
●ASUSTeK Computer
発売日を無視してでも,販売代理店が徹底したテストを行っており,海外では問題になっていないようなものも“潰して”から出荷されるため,国内流通するASUS製品の品質は間違いなくナンバーワンだと岩崎氏。その一例として,「なんちゃら45のグラフィックス付きのものは,厳密な検証を行った結果,問題があって出荷できていない」という話を切り出したが,「3DMarkで……」と言いかけた後,我に返ったのか(?),別の話に切り替えたりしていた。
ASUS独自のビデオ再生高画質化技術「Splendid」が,ニコニコ動画にも効果アリという情報も。
●MSI
MSI日本法人の“偉い人”,石岡氏は身体を張ったプレゼンテーションで,AMD HD! エクスペリエンスとMSI製AMD 790GXマザーボードの親和性を強調。
オーバークロックを容易にするジャンパピンを搭載していた前世代のマザーボードが,昔を知る自作PCファンに人気だったとし,「今回はPC-98世代の人に向けてディップスイッチにしてみた」と述べ,オールドPCユーザーの笑いを誘いつつ,今後,メインストリームのマザーボードは茶色で展開していくという予告も行っていた。
●Gainward
Gainwardの代理店であるマイルストーンは,オリジナルデザインのカードを中心に新製品を紹介。
オリジナルのカードデザインと出力インタフェースの豊富さ,オーバークロック機能を武器に,日本市場に打って出る構えだ。下に示した写真は,DisplayPort&HDMI出力標準装備のATI Radeon HD 4670カード「GW-R4670-512D3」のもの。
●Hightech Information System(HIS)
Arctic CoolingのGPUクーラーを用いた“外排気グラフィックスカード”,「IceQ」シリーズでおなじみのHightech Information System(HIS)だが,販売代理店である恵安は,会場にZalman Tech製のファンレスクーラーを採用したATI Radeon HD 4650カード「HD4650 iSilence4」を展示していた。
デュアルDVI仕様なのもトピックといえるだろう。
●Sapphire Technology&BIOSTAR MICROTECH
Sapphire Technology製のATI Radeon HD 4870カードは,最近の出荷分から,オリジナルクーラー搭載モデルに切り替わっているとのこと。ヒートパイプを採用した大型クーラーには,「Silent Efficiency」という名称も与えられている。
一方,ゲーマー&オーバークロッカー向けブランド「TPower」が世界規模で好評を得ているBIOSTAR MICROTECHは,AMD 790GX搭載microATXマザーボード「TA790GX XE」などを展示。ASUSの岩崎氏いわく「直近のマザーボード国内シェアは3位(※1位はASUS,2位はGIGABYTE TECHNOLOGY)」だそうで,台湾本社からイベントのために製品担当者が来日するほど,気合が入っていた。
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 4600
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 4500/4300
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 4800
- この記事のURL:
キーワード
(C)2008 Advanced Micro Devices, Inc.
(C)2008 Advanced Micro Devices, Inc.
(C)2008 Advanced Micro Devices, Inc.