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主要キャラクターを演じた声優陣が「FF VII」をアツく語った。「FINAL FANTASY VII 15周年記念ステージ」
ステージの冒頭では,FF VIIとそこから派生したコンピレーション4作品のダイジェスト映像をスクリーンで上映。数々の名シーンを堪能したのち,出演者の3人がステージに登場した。櫻井さんは「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」(以下,FF XII AC)をはじめとするシリーズでクラウド役を,石川さんはケット・シー役を,そして鈴村さんはザックス役を演じ,2011年に発売された「FINAL FANTASY 零式」でも競演している。
左から櫻井さん,石川さん,鈴村さん。3人のうち櫻井さんと鈴村さんはファミコン時代からFFシリーズをプレイしていたという |
FF VIIシリーズをスクリーンで紹介しつつ,それぞれの作品についてのトークが繰り広げられた |
声優陣がFFに出演するようになったのは「ファイナルファンタジーX」からであり,そこで石川さんはアーロンを演じていた。また鈴村さんは「ファイナルファンタジーX-2」のギップル役で出演したが,ファイナルファンタジーに関係するオーディションを受けるときは,役名はもちろん,作品名さえ知らされずに案内され,顔写真を3方向から撮られて,いくつもの部屋を通されたあとに,やっと声の演技ができるという徹底した“秘密オーディション”なのだったいう。実際にファイナルファンタジーシリーズに出演した櫻井さん,石川さんも同様の体験をしていて,鈴村さんの話に大きくうなずいていた。
トークはここより,本題のFF VIIシリーズの話へと突入する。FF VIIは1997年1月3日にオリジナル版が発売され,全世界で1000万本以上が出荷され,現在も根強いファンがいる。2004年には,「BEFORE CRISIS FINAL FANTASY VII」が携帯電話アプリとして配信開始,現在もサービスが継続している。そして,3人が出演したFF VII ACは,シリーズ初の映像作品として2005年9月14日に発売。CG映像作品として,ヴェネチア国際映画祭に出展され,櫻井さんは声優としてベネチアまで足を運んている。
ベネチアに行った櫻井さんは,席を立って“ヴェネチア声優”をアピール。会場では多くの来場者からサインを求められたという |
さらに2007年9月13日には,「CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-」(以下,CC FF VII)がPSPで発売となった。鈴村さん演じるザックスが主役で,FF VIIに至る過去の物語が描かれている。本作の展開がどうなるのかは,FF VIIをプレイしていればわかることではあるが,3人もその切ない結末に泣いたということだ。
今回のステージにあたり,ファンからアンケートをとり,その結果をここで発表することとなった。まずは,「FF VIIをいつ頃プレイしましたか?」という質問。半分以上の65%は15年前の発売当初に遊んだということだが,今から約10年前,つまり発売から5年後にプレイしたという人が23%という結果も出ている。
次の質問は,「FF VIIで印象に残ったシーンは?」というもの。ここでは結果の3位から順に,それに当てはまるシーンがスクリーンに映し出されるという形で発表が行われた。3位はニブルヘイムで炎の中に消えていくセフィロスのシーン。セフィロスを描くうえでは外すことのできない象徴的なシーンで,TVCMなどでも流れていたので,ファンでなくても目にしたことがあるだろう。
2位は,FF VIIのオープニングのシーン。振り返るエアリスからミッドガル上空まで一気にカメラが引いてタイトル画面となるオープニングで,3DCGとなったFFシリーズ最新作に衝撃を受けた人は少なくなかったはずだ。
そして1位は,圧倒的な票を集めたという,エアリスの悲劇のシーンである。鈴村氏もプレイしていた当時,夜中の2時すぎにこのシーンを見てひっくり返ったという,誰もが衝撃を受けたシーンだ。
最初のアンケートの結果はご覧の通り。年齢的にはやはり学生時代にプレイした人が多かった |
セフィロスの一閃により絶命し,クラウドの目の前で水中へ消えていくエアリスのシーンが1位に。当時は彼女を助けられるルートが存在するという噂が出回った |
同じシーンでのセリフが,ファンの印象には強く残ったようだ。このクラウドのセリフも,プレイした人なら覚えているのではないだろうか |
2位は,エアリスの悲劇のシーンで,セフィロスがクラウドに向けて言い放つ「なぜなら,おまえは……人形だ」のセリフ。クラウドは劇中にセフィロスから多くのつらい言葉を浴びせられ,その中でも最も辛辣で衝撃的なセリフといえる。櫻井さんは,FF VII ACのときに「セフィロスは森川(智之)さんの声で演じられると,気持ちが読みとれなくて怖い」と思ったという。
そして1位は,同じシーンでのクラウドの「エアリスは,もうしゃべらない もう……笑わない 泣かない……怒らない……」のセリフ。こちらもやはりと思える結果を出した名セリフで,会場では櫻井さんがそれを読みあげたことで雰囲気もバッチリだった。
そんなセリフの流れで,ステージ上の3人がその場でゲーム中のセリフを読むという企画が行われた。鈴村さんはもちろんCC FF VIIのザックス,そして石川さんと櫻井さんは,FF VIIのケット・シーとクラウドのセリフを,それぞれ担当することになった。中でも櫻井さんが読んだのは,ある意味で非常に印象深かった「ここに女装に必要ななにかがある。俺には分かるんだ」のあのシーンのセリフで,客席は爆笑に包まれた。
本気で緊張したというステージ上での鈴村さんのセリフ読みには,会場から「ブラボー!」という声があがった |
セリフ内容はともかく,FF VIIの画面に合わせてセリフが聞けたのは貴重な体験だった |
次のコーナーでは,開発陣から声優陣に質問が寄せられ,3人がそれに回答した。石川さんへの質問は,これまで多くのFFキャラクターを演じているが,ほかにどんなキャラクターを演じてみたいかという質問。それに対し,「これオファーですか? 女キャラクターでもなんでもやりますよ!」と石川さんは返答。個人的には若いスコールから,中年のアーロンまで演じたので,もっと老けたキャラを演じたいとのことだが,上限は50歳ぐらいまでとのことだ。
鈴村さんへの質問は,明るく軽い調子の役を演じてもらう中で,ザックスというキャラクターはどういう意識で演じたのかという内容だ。CC FF VIIではザックスが成長する姿が描かれていたので,前半はより軽い調子で演じつつも,その中にぶれない芯が多少なり見えるよう演じるのが難しかったという。またこの主人公は最後にどうなるのかが分かっているので,それがより悲しくなるように,明るく演じる必要があったという。鈴村さんはザックスの行く末を知っているので,最初に台本を読んだときに,涙してしまったそうである。
そして櫻井さんへの質問は,FF VII AC以降のクラウドを演じて,とくに難しくて印象に残っている場面はどこかというもの。それに対し櫻井さんは,すべてが難しかったと返答した。FF VII ACのトレイラー4本のアフレコに約1時間半をかけたそうで,さらに本編のアフレコには2年近くかかったという。とくにクラウドはあまり抑揚のないキャラクターで,その中で変化をつける,微妙なさじ加減に非常に苦労したそうだ。セリフとしてはやはり「興味ないね」が印象深いそうだが,FF VII ACのラストで,セフィロスとの激しいバトルシーンの演技にもかなり神経を使ったそうだ。
ステージもラストに近づき,ここでFF VIIには欠かせない声優さんからのビデオメッセージが届いた。FF VII ACでエアリスを演じ,鈴村さんの奥様でもある坂本真綾さんである。エアリスは,自分が演じる前から存在したキャラクターであり,演じるにあたって大きなプレッシャーを感じたが,彼女を演じてからは,国内外でファンに喜ばれることを光栄に思っていたという。坂本さんのお兄さんがファイナルファンタジーシリーズの中でも,とくにFF VIIの大ファンで,その後坂本さんがエアリスを演じることを人づてに聞いて,それを誇らしく思うのと同時に自分の妹が演じることに対して複雑な表情をしていたという,エピソードを語ってくれた。
2011年に鈴村さんとご結婚されたばかりの坂本さん。鈴村さんいわく,映像に映っているのは自宅ではないそうだ |
抽選会では,声優陣や開発陣のサイン色紙,そして「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN アドベント ピーシーズ:リミテッド」のシリアルナンバー8が入ったソフトもプレゼントされた |
このあと,会場に来ている一般来場者への抽選会が行われ,ステージは終了となった。トークは思い出話が中心だったが,思わぬ裏話なども飛び出し,ファンにとっては楽しいひとときとなっただろう。また今後この3人が登場するかもしれない,FF VIIに関係するシリーズの新作にも期待したいところだ。
- 関連タイトル:
クライシス コア -ファイナルファンタジー VII-
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーVII インターナショナル for PC
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