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インテル,第1四半期プレスミーティングを開催〜WestmereベースのCalpellaプラットフォームの一部情報を明らかに
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印刷2009/03/03 19:43

イベント

インテル,第1四半期プレスミーティングを開催〜WestmereベースのCalpellaプラットフォームの一部情報を明らかに

画像集#002のサムネイル/インテル,第1四半期プレスミーティングを開催〜WestmereベースのCalpellaプラットフォームの一部情報を明らかに
 Intelの日本法人であるインテルは,本日(3月3日)「2009年第1四半期プレスミーティング」と題する記者向けの事業説明会を開催した。インテルのWiMAXへの取り組みや,今年後半にも投入される新プラットフォームの話題などいくつか注目すべきニュースも含まれていた説明会の概要を紹介しよう。

先端プロセスへの積極的な投資をアピール


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インテル代表取締役社長 吉田和正氏
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2010年にかけて32nmプロセスを立ち上げるインテルの四つのファブ。2009年中はオレゴンのD1D,D1Cの2工場で32nmプロセスの製造を行うようだ
 冒頭,壇上に立ったのは,この種のイベントではお馴染みのインテル代表取締役社長,吉田和正氏だ。吉田氏は,イノベーションにこそ不況を脱却する兆しがあると述べたうえで,そのイノベーションを起こす「重要なニュースからスタートしたい」と話を切り出した。
 氏が取り上げた最初のニュースは32nmプロセスだ。「Tick-Tockモデルを力強く進めていく。ムーアの法則はまだまだ健在だ」と述べ「次世代プロセスに積極的に投資して付加価値の高い製品を投入していく。32nmプロセスの製造は現在オレゴンのD1Dで稼働させているが,今年は量産体制を整える」とし,スライドに示されているように,2010年にかけてオレゴンのD1Cをはじめとする4工場で32nmプロセスの製造を立ち上げることを明らかにした。

 そのうえで「生産技術,微細化技術の進歩を止めないことがインテルのイノベーションの源泉であることに変わりはない」と吉田氏は強調。言い換えれば,ファブこそインテルの技術革新の土台だということになるが,これはファブレスへと転身しようとしているAMDとの違いを際だたせるセリフでもあり,そのあたりを意識しての発言でもあるのだろう。

 32nmプロセスを採用する今年後半に投入予定の新プラットフォームCalpella。Core i7をベースにデスクトップとノートPCの双方に投入されるという
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 続いて吉田氏は2009年後半に投入予定の「Westmere」(ウェストメア,開発コードネーム)のCalpella(カルペラ,開発コードネーム)プラットフォームに触れ,「Core i7プロセッサを今年はボリュームゾーンやノートPCへ拡大していく。そこでさらなる付加価値,低消費電力,高性能を実現しながらプロセスを一つ前進させる。2009年は大事な年となる」と,Calpellaプラットフォームの重要性を強調していた。

吉田氏はインテル社員200名にMobile WiMAXを導入したことに触れ「Mobile WiMAXがもたらす価値を私たち自身で生み出していくことが大切だ」(吉田氏)とも述べていた。インテル社員が利用する路線からアンテナが整備されていく,という副次効果も期待できかもしれない?
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 吉田氏が三つめのニュースとして挙げたのがMobile WiMAXである。UQコミュニケーションズは2月末に試験サービスを開始したが,吉田氏はMobile WiMAXの順調な立ち上げをアピールしたうえで,今後の目標として人口カバー率90%という数字を挙げる。さらに「その目標に向けてインテルも責任を持ってWiMAXを推進していきたい」と,インテルとして,Mobile WiMAXのエリア拡大に向けて積極的に働きかけていくことを明らかにした。
 WiMAXのエリアの拡大にインテルがどう取り組むのか具体的な話はなかったが,当面は以前からアナウンスされているようにWiMAXを組み込んだCentrino 2を立ち上げて市場の拡大を図るという側面からの支援になるだろう。また,吉田氏はWi-Fi,3G,Mobile WiMAXという3種類の無線方式を共有する技術を研究中であることにも触れ,モバイル技術の発展に力を入れていく姿勢をアピールしていた。


Mobile WiMAXを使ったモンスターハンターフロンティアオンラインのデモ映像を公開


 モンスターハンターフロンティアオンラインを街中でプレイ。見た感じではほとんど自宅にいるのと変わらない様子でプレイできていた
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 以上のようにインテルはMobile WiMAXの普及に並々ならぬ意欲を見せているのだが,吉田氏に続いて壇上に立ったマーケッティング本部本部長,江田麻季子氏は,インテル社員自らが街に出て実験したというMobile WiMAXのデモを披露。YouTubeのビデオストリーミング再生,サウンドストリーミングの再生といったデモに加えて,カプコンのMMORPG「モンスターハンター フロンティア オンライン」をMobile WiMAXでプレイした様子が紹介された。これは4Gamerとしても注目したいMobile WiMAXの活用事例ではないだろうか。


 動きもスムーズで,一見したところ自宅のFTTHやADSL環境でプレイするのと変わらない様子で動いていたのが印象的。もっとも,このデモは移動中ではなく,街中で座った状態でプレイしているので,十分な信号強度があればMobile WiMAXの実力からして当然という話はあるかもしれない。2.5GHzという高い周波数を使うこともあり,建物などの影響を受けやすいという報告もあるので,移動しながらでは,このデモのようなスムーズなプレイは望めない可能性が高いことも承知しておくべきだろう。

 デモの最後には,会場の外に派遣したインテル社員とSkypeを使ったビデオチャットをライブで実演。このデモも非常にスムーズで,Mobile WiMAXの可能性を見せつけるデモではあったので,今後のエリア拡大には期待したいところだ。

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Skypeで会場の外とビデオチャットする様子がライブで披露された。Mobile WiMAXの可能性をアピールするデモであることは確かだ
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Mobile WiMAXのデモに続いて江田氏は,3月7日から放映予定の新CMを紹介。今年も積極的なマーケッティングを行っていくと述べていた


Calpellaプラットフォームを国内の記者向けに初解説


 説明会の最後に,インテル技術本部スペシャリスト・マネージャー,土岐英秋氏がインテル製品に関して,やや技術面に踏み込んだ解説を行った。すでに市場に投入されている製品の話題などもあったので,注目できる部分に絞って紹介しておこう。
 まず,今年後半に投入される予定の「Westmere」のCalpellaプラットフォームについてである。
 4Gamerでは今年2月に米国で行われたデモの様子を含めてリポートしており,基本的にはその内容を国内の記者向けに紹介した形だ。概要は過去の記事と重複してしまうので割愛するが,詳しくは掲載した記事を参照していただきたい。

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WestmereをベースにするCalpellaプラットフォームを国内記者向けに紹介。ノートPCが大半を占める日本市場を意識して,デスクトップ向けのClarkdaleやLynnfiledついてはほとんど触れられなかった
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既報のとおり,2チップ構成となるWestmere。土岐氏は「チップが一つ減るので消費電力面で有利になる」とモバイルでの利点をアピールしていた

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Centrino 2がWi-Fi PANとインターネットに接続するアクセスポイントとのルーターとして機能する,というのがMy WiFiである
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Centrino 2の無線LANインタフェースが二つのインタフェースとして機能。片側がPANに,一方をアクセスポイントに接続してルーターとして機能するという仕組みだ
 土岐氏が紹介した技術の中で,少し面白い存在になるかもしれないものの一つにMy WiFiテクノロジーが挙げられる。
 My WiFiは,Centrino 2のノートPCがWi-Fi PAN(Personal Area Network)とWi-Fiのアクセスポイントとの間のルーターになれるという技術だ。
 PANというのはBluetoothでは以前から利用されてきたAd hocモードを拡張した簡易ネットワークで,PANを利用するとアクセスポイントなしにLANを構築することができる。従来のWi-Fiでは,PANを利用している間,アクセスポイントには接続できなかったため,PANをインターネットにつなぐことが出来ない不自由さがあったが,My WiFiはそれをCentrino 2の無線LANインタフェースで解決しようというものである。

 やっていることは単純で,OSからはCentrino 2の無線LANインタフェースが二つに見え,片側をPANに,もう一方をアクセスポイントに接続してCentrino 2がルーターとして機能するという仕掛けになっている。なお,無線LANインタフェースが二つのインタフェースとして利用できる必要があるので「サポートされるのはCentrino 2向けのドライバのみ」(土岐氏)という点には注意してほしい。

 PANは,もともとはスマートフォンやプリンタなど複数の周辺機器をPCに手軽に接続するための規格だが,PANに複数のPCを接続することももちろん可能だ。ゲーマー的には,たとえばアクセスポイントがない場所でもノートPCを数台持ち寄ってPANを構築してネットワークゲームを楽しむ,といった使い方が可能になる。うち1台がインターネットにつながっていればPANにつないでいるPCすべてがインターネットに接続できるわけで,LANパーティのような場で役に立つケースは考えられる。

 以上,Mobile WiMAXから新技術まで幅広い内容が取り上げられたが,ユーザーとしては今年の中盤から投入が始まる新製品に期待といったところだろう。中でも,Intel 965比で2倍の性能になるという第5世代グラフィックスコアが統合され,2チップ構成となるWestmereは,過去に例がない製品だけに,そのゲームでのパフォーマンスが注目される。今後のインテルの動きに注視していきたい。
  • 関連タイトル:

    Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)

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