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[GC 2008#11]クライムアクションの新境地となるか? EA,「The Godfather II」を初披露
前作では,コルレオーネ一家に雇われた新米ギャングとしてさまざまなミッションをこなしていき,最終的に一家のドンとしてニューヨークの裏社会を牛耳ることが目的となっていた。
つまり,映画に登場した,アル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネと同じようにのし上がっていく姿が描かれていたわけだ。
一方,The Godfather IIでは,映画「ゴッドファーザー PART II」をモチーフに,ニューヨークを掌握した主人公(=プレイヤー)が勢力範囲を広げるべく,フロリダやキューバへと進出していくファミリーのドラマが描かれる。残念ながらゲームのストーリーについては詳しく紹介されていなかったが,ゲームの舞台は少なくとも,ニューヨーク,ハバナ,マイアミの3都市に増えるのである。
前作では,4Gamerのレビュー記事でも指摘されていたように,プレイヤーが出世したあと,“ゆすり”を働いたり,チンピラを倒したりといったことまで,自分自身で行う必要があった。
The Godfather IIでは最大7人の手下を従え,さまざまな仕事を彼らに任せられるようになる。「クライムアクション」にカテゴライズされた作品ではあるが,アクション性の高かった前作と比べ,ストラテジー的な要素がかなり濃くなるようだ。
手下には,「Underboss」「Capo」「Soldier」といったタイプがあり,それぞれの手下は異なるスキルを備えている。今回プレイした限り,仲間を治療する「Medic」,フェンスを破るなどの破壊工作を行う「Engineer」といったスキルを確認できた。Soldierなら一つ,Underbossなら三つといった具合に,手下の種類によって保有できるスキルの数が異なっている。
The Godfather IIで特筆すべきフィーチャーの一つが,「The Don's View」である。The Don's Viewでは,舞台となっている都市が3Dで表現され,それぞれの施設がどのファミリーの支配下にあるかがパッと見で判断できる。また,各施設から得られる毎月の収入や,何名の用心棒によって護衛されているかといった情報を,リアルタイムで得られる。
このほか,争いが起きている場所では煙が立つので,どのファミリーとどのファミリーがどの場所で戦っているか,しっかりと把握できるはずだ。
本作では,ミッションもより複雑なものとなっている。例えば,あらかじめ警察幹部に賄賂を贈り,通報があっても対応しないよう話をつけることで,スムースに事を運べたりするようになる。
デモで印象的だったのは,手下を引き連れてレストランに入ってからの一連の行動だ。まず手下に,逃げ惑う客を捕まえて口止めさせ,その間に自分はオーナーを脅し,そのレストランを支配下に収めるといったことが可能なのだ。
このあたりからも,キャラクターのAIに力が注がれていることがよく分かる。仕事の難度が高くなければ,完全に手下に任せるのもアリだろう。
今回のデモを見る限り,前作の問題点を洗い出し,それらを解消しようとしている姿勢がうかがえた。β版の完成が3か月先とのことで,まだまだ実装されていない要素も多そうだが,クライムアクションに,ファミリーのドンとしての視点を盛り込もうとする試みに,大いに期待したいところだ。
前作は,Electronic Artsでは初のMレーティング作品(18歳以上のみ対象)として話題を集めたが,The Godfather IIでも,ポルノ女優がトップレスで闊歩したり,ハンバーガーを焼く鉄板に店の経営者の顔を押し付けて脅したりといった,かなり過激な表現が盛り込まれている。
オープンエンドな世界でさまざまな犯罪ミッションをこなしていくゲームは続々登場しているが,本作はその戦術性でほかとの差別化を図ろうというのである。
- 関連タイトル:
The Godfather II
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