プレイレポート
[G-Star 2010]ついに「ブレード&ソウル」を実際にプレイ! あの魅惑のキャラを存分に動かしちゃった興奮のレポートをお届け
すでに4Gamerで何度も紹介しているのでご存じかとは思うが,パッと見ただけでも,ブレード&ソウルのインパクトは凄まじい。それだけに「あのビジュアルやアクションが,実際どのようなプレイフィールで楽しめるのか?」という部分は,多くの人にとって気になる部分だろう。今回のプレイレポートでは,そのあたりを重点的にチェックしていきたい。
キャラクターを作成してゲームを始めると,まず長めのカットシーンが始まる。怪しげな3人組が勝ち誇る姿や,今作ったばかりのマイキャラが,気を失った状態で海の底へと沈んでいく姿,そしてそんなマイキャラに手を差し伸べる女性などが断片的に描かれていく。しかしこの時点で,実際に何が起こっているのかまでは分からない。
実は,これらのシーンに至るまでのストーリーが,これから始まるチュートリアルを通じて描かれるのである。TVドラマのストーリーテリングを意識したブレード&ソウルらしい,のっけからグイと引き込ませる展開だ。
チュートリアルは,オリエンタルな雰囲気が満点の道場で展開される。マイキャラはこの道場の新入りという設定で,兄弟子の先輩達に一つずつ教えを請うようにして,操作システムを覚えていくのだ。
ブレード&ソウルの基本操作は,非常にシンプルかつスマートに作られている。W/A/S/Dで移動,スペースバーでジャンプ,そしてマウスでUI操作や視点切り替えを行う。特徴的なのは「F」キーの扱いで,これはマイキャラの置かれた状況によって,さまざまな動作を汎用的に行うための“アクションキー”となる。
例えば,正面にNPCがいるときにFキーを押すと会話が始まる。そのほかにも,寝ているNPCを起こしたり,本棚を調べたり,服を着替えたり,薪を拾ったり,拾った薪を火にくべたり,こういったさまざまなアクションがFキーだけで行えるのだ。
厳密には,マイキャラの正面に映っているオブジェクトによって,アクションキーの行動内容が変化する。実際にプレイしたところ,ターゲットをマウスクリックしないことに最初は戸惑ったのだが,慣れてくるにつれ,とても自然に操れるインタフェースであると感じられた。
さらにチュートリアルを進めていくと,“ブレード&ソウルらしいアクション”が次第に登場してくるようになる。思わず「おおっ……!」と声を上げてしまったのが,ダッシュジャンプから,さらにスペースバーをもう一度押すことで可能となる,空中を優雅に「滑空」するアクションだ。高度さえ足りていれば,2〜30秒は滑空できるのだ。今後は滑空のほかにも高速で壁を走ったり,空中高く飛び上がったり,水面を移動したりといった,武侠でいうところの“軽功”が行えるようにもなるとのこと。
ダッシュ中は思い切り前かがみになって,画面には放射線のエフェクトが出てくるなど,スピード感たっぷりの演出だったのだが,そこから一転して超スローモーションで滑空する。スピードを追求しがちな昨今において,ブレード&ソウルにおける静と動の使い分けは最高に気持ちが良い。
続いて,戦闘システムを見ていこう。まずは画面左上にある3本のゲージから説明すると,赤がヒットポイント,青が“闘魂”,緑がダッシュなどに必要なスタミナを示している。
戦闘時,Rキーの通常攻撃をヒットさせていくと,闘魂ゲージが次第に蓄積されていく。そして溜まった闘魂ゲージを消費することで,ナンバーキーの“1〜4”にセットしたアクティブスキルを繰り出すことが可能なのだ。また,FキーとTABキーにも,状況に応じてアクティブスキルが割り当てられる。
実際の戦闘ではアクティブスキルがキモとなり,闘魂ゲージがないことには始まらないといった感じだ。Rキーをテンポ良く押して闘魂ゲージを溜めながら,状況に応じてアクティブスキルを繰り出していく。そのタイミングをしっかり見極めることが,本作における戦闘の最大のポイントだ。
というのも,基本操作におけるFキーのアクションと同様,戦闘中の状況に応じて,各キーの動作がガラリと違ってくるのである。敵を浮かせているあいだや,ブロッキング中,カウンター中,回避中,マウント中,クリティカル中,自キャラのダウン中などなど,戦闘中はスキルスロットに表示されるスキルが,めまぐるしく変化していく。これを駆使してコンボを狙っていこうとすると,けっこう頭を使うことになる。
拳士のクラスを例に,コンボの流れを説明してみよう。数字の“1”キーでスキルを発動させると,約2秒弱のあいだ,敵の攻撃を待ち構えるモードになる(いわゆるブロッキング)。その最中に敵からの攻撃を受けると自動的に反撃し,敵が一瞬ひるむ。その瞬間にすかさず別のスキルを繰り出すことで,相手をダウンさせられる。
コンボはまだ続く。ダウン中の相手に接近してTABキーを押すとマウント状態になり,次の瞬間に再び“1”キーを押すと,関節技でフィニッシュとなるのだ。
マウント状態 |
サブミッションで〆 |
文章で説明すると結構ややこしいが,このプレイ感覚は“3Dの対戦格闘ゲーム”にとてもよく似ている。実際,拳士をプレイしたあとで「“バーチャファイター”のアキラを思い出しました」とスタッフに率直な感想を伝えたところ,「そう感じてもらえたら嬉しいな,と思いながらこれを作りました」と言ってニヤリとした。
今後の開発で,さらに“Z/X/C/V”もスキルに割り当てられる予定だが,それ以上の操作キーを増やすつもりはないとのこと。1〜9キー×複数スロットで何十種類ものスキルを管理するような,複雑化の一途をたどるMMORPGジャンルにおいて,ブレード&ソウルの少ないキーによる戦闘システムは,かなり新鮮だと思えた。また,MMORPGでありながら,格闘ゲームのエッセンスを詰め込んだ戦闘システムも,かなり新鮮である。
戦闘に関してもう一つ触れておきたいのが,マイキャラのターゲットが自動で選択されることだ。先述したアクションキーと同じように,正面にいる敵を自動的にターゲットして,その状態でスキルを繰り出せば,ある程度は自動で位置を補正してくれるのである。定番のターゲット形式とも,最近注目を集めつつあるノンターゲット形式とも異なる仕様で,これも何気に新鮮だ。
そして,これらの戦闘システムで個人的に特筆すべきと感じたのは,キー数が少なくマウスクリックが必須ではないため,プレイ感を損なうことなくゲームコントローラに対応させることが,(その気になれば)可能だと思われることだ。今回話を聞かせてくれたスタッフは,ブレード&ソウルのコンシューマ版の開発に関して,明言を避けていたものの,少なくともこの完成度とシステムなら,どこかのプラットフォームから声がかかってもおかしくはなさそうだった。
ほかにも語りたいことは山ほどあるのだが,続きはまた別の機会に。
ブレード&ソウルのムービーを初めて見たとき,衝撃を受けた人は筆者も含めて多いだろう。しかし今回実際にプレイしてみて,あのときよりもさらに大きな衝撃を受けた。今後リリースが予定されている,ほかの数々の新作MMORPGも,たしかに凄いことは凄いのだが,誰もがある程度は想像する範囲内の,順当な進化のように思える。
しかしブレード&ソウルは,人々の想像とはちょっと違う次元へ足を踏み入れているように思えてならない。へたな先入観を持たずに,「ブレード&ソウル」という1本のタイトルとして,今後の動向に注目してもらいたい。
- 関連タイトル:
ブレイドアンドソウル
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