イベント
[CJ 2010]やはり城は斬れる。しかもオフラインでもキャラが動く。「九陰真経Online」の開発は順調で,2010年内にCBT実施予定
近年,「Blade & Soul」「Butterfly Sword」など,従来のMMORPGに格闘ゲームのようなアクション性を取り入れた武侠ゲームの制作が次々と発表されているが,九陰真経もそのような作品の一つだ。
特徴については,ムービーを見ていただくのが一番分かりやすいだろう。昨年掲載したムービーとだいたい同じだが,最新版であり,英語タイトルも付いたようだ。現在のところ,このムービーで確認できる要素は,ほぼそのままゲームとして実装されている模様だ。
同系統のゲームと比べても,動きの自由度が格段に高そうに思われるこのゲームだが,操作系についてはW/A/S/Dキーで移動し,スペースキーでジャンプするといった,オーソドックスなものとなっている。後述する「軽功」のスキルを使えば,一定時間多段ジャンプが可能になったり,ジャンプしたまま移動することで空や水の上を走ったりなどが可能になる。軽功を伸ばしていくと,いろいろと楽しくなりそうだ。
九陰真経の世界を簡単に紹介しておこう。
キャラクターにクラス(職業)はなく,その代わり門派が8種類用意されている。それぞれの門派には特徴があるが,それでキャラクターの性能が決まるわけではない。さらにどの武器を使用するか,どのスキルを選んで伸ばしていくかで変わってくるのだ。
門派には,少林寺などの伝統的なものから,物乞いの一派なども存在する。また,武侠モノだと門派間の闘争などが設定されている場合も少なくないが,このゲームにおいては登場する8種類の門派の間に,とくに対立関係などは設定されていないそうだ。
次に,キャラクターには明確なレベルの概念はないという。とはいっても,何もないわけでもなく,いくつかのパラメータをそれぞれ鍛えていくことで,キャラクターが強くなる。主なパラメータを簡単にだが紹介しておこう。
まずは「内功」。これはキャラクターの基本的な強さを表すものと考えていいだろう。
次に軽功だが,これはキャラクターのアクションを規定するもので,先にも触れたとおり,空を飛ぶことができるか,といった行動能力に関わってくる。
もちろん,武術関係も重要である。「経絡」のパラメータが鍛えてあると,成長の度合いが大きくなったり,同程度の内功のキャラより強くなったりするなど,いろいろなメリットがあるという。
さまざまな社会的評価も重要である。ギルドや身分,門派,江湖での地位が高くなると,よいこともいろいろ増えてくるそうだ。
アクション性の高い動きは,スキルやジャンプなどで構成されている。
ジャンプしての攻撃は,距離などの関係で当たりにくいそうなので,比較的ちゃんとした計算をしているようだ。そのため,ジャンプすると攻撃を避けられる可能性が出てくるわけで,ジャンプが戦闘時の重要な要素になると考えられる。したがって,戦闘時のアクションはかなり派手なものになってくるだろう。
また,ムービーにある,「城を斬る」はなかなかインパクトの強い行為だが,再度確認したところ,やはりゲーム内で建物を斬るという要素が実装されているそうだ。
建物ならどれでも斬れるわけではないらしく,特定のものに対してスキルを使った場合にのみ斬れるのだが,室内にある机などは,普通の攻撃アクションで斬れるとのこと。なお,斬られた城が,誰かが直すまでそのままなのか,あるいは自動で直るのかは,まだ検討中とのこと。
このゲームには「奇遇」というパラメータがあり,これはクエストなどを進めることで上昇する。奇遇が最高値になると,タイトルにもある武芸の奥義書「九陰真経」を手に入れるチャンスがやってくる。誰かがそれを手に入れてしまうと,そのサーバー内ではもう手に入らない。ただ,九陰真経は3冊程度存在するようだ。
このゲームのさらなる特徴として,プレイヤーがオフラインの際にも,キャラクターがいなくならないことが挙げられるかもしれない。
プレイヤーがオフライン中のキャラクターがどうするかは,あらかじめコマンドとして与えられる。最初のうちはお掃除などの単純な命令しかないが,身分が上がると,パーティに入って自動で狩りをするといった処理も可能になる。これは,通常のプレイヤー達が作ったパーティにAI処理のキャラクター加わるものになるわけだが,そのため,気が付くと経験値やアイテムなど,いろんなものが増えているなんてこともあるかもしれない。
単なるアクション以外にも,経済システムなどいろいろな要素を詰め込んだ作品なのだが,節操なしに取り入れているのではなく,それなりのポリシーを持っている。例えば,武侠モノと言いつつ,実際のところ武侠だけではなく東洋的な神話を持ち込んだりしているゲームが多かったりするのだが,このゲームはあくまでも武侠世界がテーマであるため,麒麟や竜などは出てこない。
2007年に始まった本作の開発は,今年で4年めとなり,開発者は総勢200名ほど。その2割くらいがプログラマーで,デザイナーが残りの大半を占めるという。アクション性が上がったことで,モーションなどの細かい作り込みが必要になり,デザイナーが大量に動員されているという。
その甲斐あってか,ゲーム内でできることがかなり「武侠」らしくなってきた。すべて紹介しきれないほどたくさんの要素を持つ作品だが,完成が楽しみな一作と言えるだろう。
- 関連タイトル:
九陰真経Online
- この記事のURL: