イベント
「モンスターヴェルト」オープンβテストは3月27日から,新作5本も紹介されたファイブスターオンライン説明会レポート
ファイブスターオンラインは,中国9youのタイトルを日本で運営していくために作られた会社で,第一弾タイトルとなる「モンスターヴェルト・オンライン」は,すでに先日トライアルテストが行われている。今回の発表会では,同社の紹介や今後の展開,モンスターヴェルト・オンラインのスケジュールや投入予定の新作タイトルなどが紹介された。
それによると,9youグループは,1700人のスタッフのうち,開発関係が800人を占めており,現在,15ラインの開発チームが動いているという。ゲームの運営だけでも日本とは桁が違う規模なのだが,かなりの大企業だということと,自社でのゲーム開発に力を入れていることは分かってもらえるだろう。ちなみに,中国サービスでの登録アカウント数は3.8億人。最大同時接続で110万人(全タイトル合計)を記録しているという。まさに桁が違う。
日本での展開は?
実際に五つ星のサービスを行っていくうえで,氏は5点のポイントを挙げた。
まず,豊富なゲームタイトル。中国で800名の開発者と15の開発ラインによって量産されるゲームの数々は,MMORPGのみならず,カジュアルゲーム,スポーツゲームなどバリエーションに富んでいる。
ただし,タイトル数がただ多ければよいというものでもないとし,3億8000万ユーザーに磨かれたゲーム性にも自信を示している。その背景にあるのが,ユーザーの要望をゲームに取り入れる社内体制である。中国9youでは,開発スタッフが800名なのに対し,カスタマーリサーチセンターなどに400名のスタッフがおり,実に全社員の四人に一人はユーザーリサーチ要員であるという。ユーザーの反応をいち早く開発にフィードバックし,顧客満足度を上げていく体制が取られているのだ。中国では,それほどまでに厳しい競争が行われているということだろう。
日本で展開していくに当たっては,日本向けにアレンジするための窓口を充実させ,開発との緊密な連携を行う体制が取られている。実際,トライアルテストでの不具合も翌日には解消されていたりと,すでに迅速な対応が可能なことが確認されている。
ファイブスターオンライン自体は,まだ新しい運営会社だが,日本のオンラインゲーム業界での経験が豊富なコアスタッフを揃え,中国でトップクラスの実績を保っている運営ノウハウと併せ,日本での運営についても万全の備えを取っているという。
最後に,既存の方法にとらわれない発想でユーザーの嗜好の変化に対応できるように努めると,日本での運営方針を語った。
日本のオンラインゲーム黎明期から多くのタイトルに関わってきた御手洗氏が,自身の経験からオンラインゲームの運営で欠かせないとする三つのポイントを示した。
まず,ユーザーの反応を確実に開発に届けること。これによってゲームの精度を上げていくことが重要なのだ。とはいえ,海外で開発されたようなゲームでは迅速な対応が難しいのが業界の常識だ。プログラムの修正に3か月から半年かかるということも珍しくない。だが,モンスターヴェルトのトライアルテストでは,5日間ほぼ毎日パッチが当てられており,ユーザーの声をきわめて迅速に反映できることが確認されたようだ。
次に,継続ユーザーへの積極的なロイヤリティを用意すること。優良顧客に対してはそれなりの待遇で接するという姿勢であり,これはポイントやゲームアイテムなどとは違った形のものを検討しているとのこと。
三点目は,日本市場向けのデザイン変更だ。デザインに厳しい日本のプレイヤーにあわせて,東京のスタジオでデザインの変更を行っていくという。
そのデザイン変更を担当した園田氏は,モンスターヴェルトでの作業について解説した。ゲームの中核となるモンスターについては,日本で受け入れられるものをと,日本のゲーム業界で実績のあるデザイナーを招聘し,200体(色違いを入れず)のモンスターを日本向けに作り直し,日本独自のモンスターも60種類を導入。モンスターの進化も中国版とは違ったものとなっているという。また,動物主体だったNPCも,人間型の日本独自デザインに変更され,45体のNPCがデザインし直されている。
そのほかカードのデザインなどをはじめ,多くのものが日本用に作り直されている。日本にデザイン部隊を置くことで,アバターアイテムなら,最短3日でゲーム内に投入できる態勢が取られているという。
ちなみに,園田氏は,スクウェア・エニックスでFF Xのコンセプトアートなどを手がけた人だそうだ。モンスターヴェルトでは,多くのモンスターを日本でデザインし直している。テスト中に「○○に出てきたモンスターにそっくり」という苦情もいくつかあったようだが,実は同じ人がデザインしているからそういうことになるらしい。
モンスターヴェルト・オンラインのローカライズ
テスト中にプレイヤーから挙がっていた,農園やモンスター捕獲がよく分からないという声に応えて,チュートリアルムービーを作成したようで,それを使った紹介が行われた。
農園では,種のアイテムをグリッドに沿って配置していく。収穫や水やりの効率を考えて配置するのがポイントとのこと。
モンスター捕獲は,捕獲用のスキルを使い,それに成功すると捕獲できるという仕様。
気になるオープンサービスは,3月27日から行われることが発表され,少なめだったキャラクターのフェイスパターンなどは,オープンサービス時に拡充されることも示唆された。
今後予定の5タイトルを一気に公開
最後に,今後発表予定の5タイトルを集めたムービーが上映された。そのうち3タイトルは世界初公開とのこと。
内容は,バーチャルワールドぽいダンスゲーム,3Dバスケットボールゲーム,未来ぽい感じのドライブゲーム(?),武侠系の3D MMORPG,ファンタジー系の横スクロール型アクションゲームだ。スクリーンを直撮りした写真をできるだけたくさん置いておくので,どのようなゲームか想像してみるのもいいだろう。
●GTOWN(仮)
●Street Live(仮)
●City Fighter Online(仮)
●神兵伝記(仮)
●Dungeon Heroes Online(仮)
モンスターヴェルトのトライアルテストでは,単なる狩り系のモンスター収集ゲームという以上にさまざまな要素が作り込まれていることに驚いた。現在の中国オンラインゲーム市場は,まさに生き馬の目を抜く状態らしく,そこで生き残るため,プレイヤーの要望をどんどん取り入れてゲームをリファインしていく体制が完成しているようだ。日本で多くのタイトルに関与した御手洗氏に聞いてみても,驚くほどレスポンスがよく,開発もきわめて速いとのこと。
中国での圧倒的な開発力と日本でのデザインとローカライズという体制は,なかなか強力だ。今後投入されるであろうタイトルに引き続き,さらに大量のタイトルも作られているようで,しばらくは要注目の存在になりそうである。
(C)FiveStars Online Entertainment are all registered service marks or service marks of Five Stars Online Entertainment Ltd. (C) 2008 Five Stars Online Entertainment. All rights reserved
(c)2008-2009 Nineyou International Limited & its subsidiaries. All Rights Reserved.
(c)2009 Copyrights by Sun Games. Licensed by Sun Games. (c)2009 Co-developed by Nineyou International Limited & its subsidiaries. All Rights Reserved.