連載
連載「PCゲームを持ち出そう!」。第60回はPSP用RPG「ファンタシースターポータブル」を紹介
PS PSPは,PC,プレイステーション2,そしてXbox 360でサービスされているオンラインRPG「ファンタシースターユニバース」(以下,PSU)シリーズを,PSP向けにアレンジしたものである。
PSPへの移植にあたり,より気軽にゲームを楽しめるよう,さまざまな仕様変更が行われている。代表的なところでは,生産システムが廃止され,モンスターを倒すと,素材ではなくアイテムそのものがドロップする方式となった。
武器の強化は100%成功する仕様となり,失敗して泣きを見ることがなくなっている。ただし,性能の上昇率はランダムだ。
また,ミッションを請け負うまでの時間が短くなるよう,ミッションカウンターが各惑星に一つずつに統廃合されている。さまざまなミッションに,より気軽に挑めるようになっているわけだ。
そのほか,PSUとの連動も可能で,PSUシリーズのキャラクターデータをインポートできる点も特徴の一つである。
……と書いている私,ライターの櫛田は,実をいっちゃうとPSUは遊んだことがありません。
私がメガドライブ版「ファンタシースター 千年紀の終りに」にハマりまくっていたのは,忘れもしない,1993年から1994年にかけてであり,今回ファンタシースターの世界に足を踏み入れるのは,約14年ぶりのこととなるのだ(遠い目)。
自分だけのオリジナルキャラクターで
ミッション遂行やアイテム収集に精を出そう
PS PSPには,「ストーリーモード」「マルチモード」の二つのゲームモードが用意されている。前者は,読んで字のごとく,用意されたシナリオに沿って進めていくもので,一人で楽しむモードだ。
ゲームの舞台は,三つの可住惑星と一つのコロニーを有する恒星系。プレイヤーは,惑星間警護組織の新入隊員となり,それぞれの惑星で起こる事件を解決していく。
PS PSPでは,PSUのシリーズ第1作と,その続編にあたる「ファンタシースターユニバース イルミナスの野望」のあいだの物語が描かれ,一部の登場人物はそれぞれのタイトルで共通している。
とはいえ,本作のストーリーは自己完結しており,また,知っておくべきPSUのエピソードについてもゲーム内で語られているので,PSUを遊んだことのない私もしっかり感情移入できた。
もう一つのマルチモードでは,PSPのアドホックモードによる最大4人でのマルチプレイが可能。PSUと同様,ほかのプレイヤーとの協力プレイやアイテム収集が楽しめるのだ。一緒に遊ぶ友達がいないという人も,CPUが操作するキャラクターとパーティを組んで遊べるのでご安心を。……というか,私のことですけど。
どちらのモードも,基本的な流れは同様だ。いずれかの惑星で事件が起きるとミッションが発生するので,警護組織の隊員であるプレイヤーは仲間とパーティを組み,その惑星に出向いて事件解決に挑む。
ミッションには,ストーリーモードのシナリオ進行に関わる「ストーリーミッション」と,ストーリーモードでもマルチモードでも請け負える「フリーミッション」の2種類があり,いずれも比較的短時間でクリアできるものがほとんどだ。
さまざまな種類のミッションが多数用意されているうえ,フリーミッションは四つの難度を選択可能。また,クリア時の評価によって報酬額が変動するので,全ミッションで最高評価を獲得する“完全制覇”を目指すのもアリだ。ネットで新たなミッションも配信されているので,私自身,これからもじっくりと楽しんでいこうと思っている。
ちなみに,アイテムは約1500種類用意されており,それぞれレア度が設定されているというのだから,コレクター魂が激しく刺激されてしまう。マルチモードでレアアイテムがドロップした場合,参加者全員が入手できるという,友情にヒビが入らない仕様(?)も嬉しいところだ。
さて,ミッションカウンターや,惑星間移動の拠点となるポート,アイテムを売買するショップといった施設が設置されているのが,「シティエリア」。シティエリアでは,施設間の移動に,アドベンチャーゲームのようなコマンド選択方式が採用されている。
そして,実際にミッションを遂行する「フィールド」では,一般的なアクションRPGと同じようにゲームを進めていく。つまり,ほかのプレイヤーと共に敵を倒しつつフィールド内を移動し,ボスキャラを倒すなどの条件クリアを目指すのだ。
アクション要素はふんだんに盛り込まれているが,シンプルな操作で連続攻撃を繰り出せるし,範囲攻撃用の武器も用意されているので,このところなんとなく反射神経が鈍った気がしないでもない私も,すぐにコツをつかめた。
プレイヤーキャラクターを作成するときの選択項目はとても多く,オリジナルキャラ作りだけでもかなり楽しめた。私のように,ソロプレイや,AI相手のマルチプレイがメインという人だって,愛着の持てる外見のキャラでプレイしたほうがやはり楽しいはずだ。
キャラを作成するときは,まず種族と性別を選び,続いて体型,鼻の高さや眉毛の形,声や衣装などを選択していく。体型は,痩せ型から太っちょまで細かく調整でき,肌の色もパレットから選択できる。
私は,理想のキャラ作りに夢中になり,本編に入る前に丸一日費やしてしまったほどだ。
次に,「戦闘タイプ」を選択する。最初に選べるのは三つのタイプのみだが,レベルが上がると上級タイプを選択可能となる。複数のタイプで経験を積むことで選択できる戦闘タイプもあり(なお,プレイヤーキャラのレベルと,戦闘タイプのレベルは別のもの),当然ながら,職業によってさまざまなプレイフィールが味わえる。
ストーリーモードは,タイプチェンジの面白さを味わえるようにバランス調整されているという印象だ。もちろん,一つのタイプを極めるのもアリだが,本作のウリの一つである,800種類以上の武器をあれこれ試すためにも,いろんなタイプのキャラクターで遊んだほうが断然楽しいと思うのである。
PS PSPの見どころはココ!
PS PSPの基本的なゲームシステムはユーザーフレンドリーな設計となっており,そのうえチュートリアルやヘルプなど,プレイヤーをサポートする機能が充実している。かといって初心者向けかというと必ずしもそうではなく,コアゲーマーにも十分すぎるほど多くの要素が盛り込まれており,遊び応えは満点だ。
例えば,武器には「打撃系」「射撃系」「法撃系」(魔法のようなもの)の3タイプがあり,そのうち射撃系だけでも,両手用のライフルや片手用のハンドガンといった具合に,計11系統に分類される。
そしてそれぞれの系統に,製造メーカーやグレードなどの異なる武器があり,その一つ一つに固有名詞が与えられている。同じ名前の武器でも属性(炎や氷など,計7種類)や,強さの異なるものが登場する。
また,それぞれの武器で,通常攻撃のほかに“フォトンアーツ”による特殊攻撃が行える。このフォトンアーツにもレベルや属性といった概念があるほか,武器の系統ごとに使えるフォトンアーツが異なるなど,知っておくべき要素はかなり多い。
キャラクターの戦闘タイプやレベルによって使える武器は異なるし,どの敵に対して有効か,どの防具と相性がよいかといったことも考慮する必要がある。それぞれの武器の特徴を把握し,使いこなすのは容易ではないが,それだけに,ベターな組み合わせを見つけたときの喜びは大きいのだ。
なんだか大変そうだなあと感じている人がいるかもしれないが,焦ることはまったくない。武器をなんとなく使っているだけでも十分プレイできるからだ。戦闘を重ね,それぞれの武器についての理解が深まるにつれ,面白さがどんどん増していくことだろう。少しずつ道を極めていく快感を,ぜひ味わってほしい。
「PCゲームを持ち出そう!」と題している当連載だが,PS PSPを遊んだ人がオンライン版のPSUをプレイし始める,いわば“逆PCゲームを持ち出そう!”(?)というのもアリかもしれない。
ファンタシースターポータブル
対応機種:プレイステーション・ポータブル
メーカー:セガ
発売日:2008年7月31日
価格:5040円(税込)
公式サイト:http://phantasystar.sega.jp/psp/
- 関連タイトル:
ファンタシースターポータブル
- 関連タイトル:
ファンタシースター ユニバース
- 関連タイトル:
ファンタシースターユニバース イルミナスの野望
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