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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第51回はNDS用高層ビル経営シム「ザ・タワーDS」を紹介
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印刷2008/07/02 17:52

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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第51回はNDS用高層ビル経営シム「ザ・タワーDS」を紹介

画像集#002のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第51回はNDS用高層ビル経営シム「ザ・タワーDS」を紹介
 PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう!」。51回めとなる今回紹介するのは,デジトイズから6月26日に発売された,ニンテンドーDS(以下,NDS)用高層ビル経営シム「ザ・タワーDS」だ。

 ザ・タワーDSは,奇妙なペットを育成するシミュレーション「シーマン」シリーズを手掛けた,斎藤由多加氏の出世作であるザ・タワーシリーズを,NDS向けにアレンジしたもの。
 Macintosh用に1994年に発売された第1作「Tower」は,「SimTower」というタイトルで海外でもリリースされ,世界的なヒットを飛ばした。その後,移植版や続編がWindowsはもちろん,セガサターンやプレイステーション,ゲームボーイアドバンスといったコンシューマ機にも展開され,さまざまなアレンジや改良が行われてきた。もちろんかくいう私も,これまでのシリーズ作品をさんざっぱら遊んできた一人で,本作の発売を心待ちにしていたのである。

 そして,今回紹介するザ・タワーDSには,ザ・タワーシリーズのゲーム性をベースにNDSならではの要素が盛り込まれており,初めて遊ぶ人にとって分かりやすいだけでなく,熟練したプレイヤーでも新鮮な気持ちで取り組める作品に仕上がっている。


ビルを発展させて人口を増やそう


画像集#003のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第51回はNDS用高層ビル経営シム「ザ・タワーDS」を紹介
 ザ・タワーDSの特徴を紹介する前に,シリーズ作品にあまり馴染みがないという人のために,そもそもザ・タワーとはどんなゲームかをざっくりと説明しよう。
 ザ・タワーは基本的に,ビルのオーナーまたは開発責任者となって経営を行うシミュレーションだ(シリーズによっては,ビル以外の建築物も登場する)。ビルが発展するにつれ,“人口”(居住者や利用者)が増えていき,一定の人数に達するたびにビルの格付けが上がっていく。ゲームの最終目標は,最高の称号“ザ・タワー”を獲得することだ。

 開発するビルは複合施設であり,テナントとして住居,オフィス,ホテル,店舗などが設置できる。プロジェクトの開始時に与えられる予算や,各テナントから得る売り上げから,建設費や維持費を捻出することになる。
 テナントはそれぞれ異なった性質を持っている。例えば店舗は,利益率はさほど高くないが集客率が高く,人口の増加が見込める。また,オフィスは安定した利益を生むものの,1部屋あたりの人口には限りがある,といった具合。また,住居に住んでいる人々は静かな環境を好み,店舗が近くにあることを嫌うといった,テナント同士の相性もある。
 そのほかビルの維持には,警備室や清掃室といった施設が必要不可欠。例えば,警備室がないと泥棒が増えるため,不安を感じた人々がビルから退去していってしまうのだ。そりゃそうですね。
 要するに,住人や利用者にとって快適で安全な場所にすることで,おのずと人口が増え,収益も上がっていくわけだ。

 ビルは,住居や商業施設,そして防災/防犯施設などからなっており,ある意味,一つの都市を形成しているいう見方ができる。高層ビルという構造上,横方向への広がりはそれほどないが,都市建設シムの一種といっていいだろう。

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 さて,ザ・タワーで最も重要なポイントの一つが,移動設備である。ビルの利用者は,それぞれ目的の場所に移動したいわけだが,スムースに移動できないとストレスを感じ,ビルから去っていってしまう。とくに,エレベーターに乗るまでの待ち時間が長いと,人々はどんどんストレスを溜めていくのだ。
 そこで,エレベーターを増設したり,特定のフロアにのみ止まる急行エレベーターを設置したり,はたまたエスカレーターや階段を併設したりすることで,この問題に対応することになる。
 また,例えばオフィスの場合は出勤や退社,ホテルの場合はチェックインとチェックアウトといった具合に,テナントごとに利用者が集中する時間帯がある。同じ時間帯に利用者が増える施設の配置を工夫し,人の移動効率を高めることが重要なのだ。

 実際,デパートなんかで,エレベーターが3台も4台も並んでいるのにどれも上のほうに行っていたりして,「そんなに設置してる意味ないじゃん!」と思った経験,誰だって一度や二度はあるのでは?
 そんな人は,今回紹介するザ・タワーDSで,ストレスとは無縁のビル作りを目指してみよう。とはいえ,現実同様,そうたやすくありませんけどね。

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NDS版ならではのオリジナルシナリオやイベントを用意


 それでは,NDS用のザ・タワーDSの特徴を紹介していこう。
 上の説明を読んで,「ちょっと難しいかも」と感じたかもしれないが,ザ・タワーDSには,難度の異なるシナリオが複数用意されているので,安心だ。
 最初に挑むのは,住居しか建設できない「分譲マンション」というシナリオ。続いて,「ビジネスホテル」「ショッピングセンター」をクリアすることで,「住居では,朝のゴミ出しに合わせたエレベーターの運行が大切」といった,テナントごとのポイントが学べるようになっている。

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 とはいえ,ザ・タワーなら任せろという人でも,これらのシナリオを十分に楽しめるはずだ。というのも,例えば「分譲マンション」ではマンションの販売だけで人口を増やす必要があり,これはこれでなかなか奥深いシナリオなのである。
 住居は,1LDKなら二人,2LDKなら3人と定員が決まっており,人口を増やすのが難しいテナントだ。収入が入るのも分譲時のみであり,オフィスや店舗のように定期的な収入は一切見込めない。そのため,このシナリオでは資金不足に陥らないよう注意する必要がある。シンプルながら,これが結構悩まされるのだ。

 ザ・タワーではゲーム中,火事や泥棒といったハプニングをはじめ,さまざまなイベントが発生するのだが,このNDS版では,NDSならではの解決方法が用意されている。
 例えば火事が発生した場合は,タッチペンで画面上の炎をこすったり,マイクに向かって息を吹きかけたりすることで消化可能。「分譲マンション」には,マイクに向かって大声を出し,住人を起こすなんていうイベントも用意されている。
 また,資金難に陥ったときなどには,あの「マリオ」の形をしたタワーでのイベントが発生。詳しくは書けないが,このイベントでもタッチペンを活用することになるのだ。

 NDS版に限らず,ザ・タワーでは,ビルの開発が進むにつれ,状況を把握するために画面を眺めている時間が増える印象がある。それに対し,ザ・タワーDSでは,上で述べたようなイベントがよいアクセントになっている。

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ザ・タワーDSの見どころはココ!


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 記事を執筆するためにしばらく本作を遊んでみて感じたのは,ザ・タワーという作品とNDSがとてもよくマッチしているということ。
 タッチペンやマイク,上下2画面といったNDSの特徴を生かしたゲームはたくさんあるが,どちらかといえば,「これらを生かしてどんなゲームを作るか」というアプローチで開発された作品が多い気がする。ザ・タワーDSの場合は,すでに「ザ・タワー」という完成された作品があり,NDSならではの機能がその中にうまく盛り込まれているといえるのではないだろうか。

 とくにタッチペンでの操作は快適そのもの。高くそびえ立つビルに入っている,数多くのテナントの一つを選ぶという操作は,マウスよりもタッチペンのほうが直感的に行えると思う。
 また,縦に二つ並んだNDSの画面と,ザ・タワーとの相性は抜群だ。なんたって,ビルを上へ上へと伸ばしていくゲームなのであるから(下にも伸びるけど),横長の画面で遊ぶよりもずっと快適なのはいうまでもないだろう。

 ビルが大きくなり,そこに住む人々が多くなるにつれ,そのビルに対する愛着がどんどん湧いてくるはず。NDSで,いつでも好きな場所で住人達の様子を覗き見られるのは,なんとも嬉しい限りだ。
 単にNDSの上に蘇ったのではなく,ゲームとしての楽しさを増して復活を果たした本作で,ビル経営の楽しさをぜひとも満喫してみよう。


ザ・タワーDS


対応機種:ニンテンドーDS
メーカー:デジトイズ
発売日:2008年6月26日
価格:4800円(税込)
公式サイト:http://www.digitoys.tv/tower/

  • 関連タイトル:

    ザ・タワーDS

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