「ヱヴァ」のカレンダーやパズルも。APPLIYA＆ブロッコリー「iPhoneアプリ共同事業発表会」を開催

　「赤ちゃんカメラ」をはじめとするiPhone/iPod touch用アプリで知られるAPPLIYA（アプリヤ）と，アニメ/ゲームのキャラクターコンテンツ開発事業を展開しているブロッコリーは本日（2009年3月4日），東京都千代田区にある「AKIHABARA ゲーマーズ本店」の8Fイベントホールにおいて，「iPhoneアプリ共同事業発表会」を開催した。

　先日お伝えしたように両社は，ブロッコリーが保有またはライセンスを得ているアニメやキャラクターを用いたアプリを，共同で企画/開発/販売することで基本合意している。
　今回の発表会では，第1弾であるアニメーション「ヱヴァンゲリヲン」を題材とするiPhone/iPod touch用アプリの，未発売タイトルを含む全5作品の紹介などが行われた。
　iPhone/iPod touchユーザーや，エヴァのファンならば，ぜひ目を通してほしい。

（写真上から）ブロッコリー 代表取締役社長 上田陽史氏，同 企画制作部 次長 平光良介氏

　まず最初に登壇した，ブロッコリーの上田陽史 代表取締役社長は，今回の共同開発/販売を手始めに，ケータイ向けのキャラクターコンテンツ事業に乗り出すことになったと述べ，「今後，さまざまなキャラクターコンテンツを提供していけるように努力したい」と抱負を語った。
　次に，同社の企画制作部 次長を務める平光良介氏は，APPLIYAとブロッコリーによる共同事業のコンセプトについて，日本が誇るアニメーションやコミックなどの優良コンテンツを，世界に発信することであると説明した。ヱヴァンゲリヲンのアプリを皮切りに，さまざまなコンテンツを提供していく予定とのことだ。

　それでは，APPLIYAの制作プロデューサーである高田洋平氏と，同じく開発ディレクターの小田嶋太輔氏によって説明された，未発売タイトルを含む5作の“ヱヴァアプリ”の概要を紹介しよう。

（写真左から）APPLIYA 制作プロデューサー 高田洋平氏，同 開発ディレクター 小田嶋太輔氏。高田氏は「iPhoneは道具というより，嗜好品としての役割が大きいと考え，コレクションする感覚で手に入れてもらえるものを目指した」と述べていた

■第1作「EVANGELION vol.1 フレームカメラ」（230円）
　2007年に公開された映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序」から取り出して作成されたフレームに，写真を合成するアプリ。8種類のフレームが用意されており，タッチスクリーンに触れることで，写真を配置する場所やサイズ，角度などを調整できる（関連記事）。

「EVANGELION vol.1 フレームカメラ」紹介ページ（iTunesが起動します）

（C）khara

■第2作「EVANGELION vol.2 活動限界時計」（350円）
　エヴァンゲリオンに登場する「活動限界タイマー」を再現し，時計としてアレンジしたアプリだ。1〜30分の時間を指定してアラームをOnにすることでカウントダウンがスタート。残り10秒を切ると非常事態モードとなり，アラーム音がけたたましく鳴り響く（関連記事）。
　リリース済みの3作の中で最も売れており，日本のApp Storeの有料アプリランキングの3位に入った。

「EVANGELION vol.2 活動限界時計」紹介ページ（iTunesが起動します）

（C）khara

■第3作「EVANGELION vol.3 スタンプカメラ」（230円）
　プリクラのような感覚で，ヱヴァンゲリヲンをモチーフとするさまざまなスタンプを写真に貼り付けられるアプリ。スタンプを貼り付ける位置はもちろん，サイズや角度も調整可能だ（関連記事）。スタンプは計16種類用意されている。

「EVANGELION vol.3 スタンプカメラ」紹介ページ（iTunesが起動します）

（C）khara

■第4作「EVANGELION vol.4 カレンダー」（予価：115円）
　ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序の1シーン，またはそれをモチーフに作成した背景12枚からいずれかを選択し，カレンダーの開始日と期間，レイアウトなどを設定することで，カレンダー画像を作成できる。作成した画像を，iPhone/iPod touchの壁紙にするなどの方法で活用できる。
　Appleへの申請は昨日（3月3日）完了しており，現在審査が行われている。APPLIYAによると，問題がなければ明日以降リリースされる見通し。

（C）khara

■第5作「EVANGELION vol.5 パズル」（予価：230円）
　いわゆる「15パズル」が楽しめるアプリ。とはいえ数字ではなく，もちろんヱヴァンゲリヲンのイラストがデザインされている。イラストは9種類用意されており，分割数や制限時間を設定可能。パズルをクリアすれば，新たなイラストがアンロックされるとともに，カメラロールに完成画像が保存される方式である。
　短時間でクリアすると記録として保存されるので，記録更新に挑戦できる。
　本作も現在Appleによる審査が行われており，明日以降リリースされる見通しとのこと。

（C）khara

　これらのアプリを紹介するムービーを，APPLIYAから入手した。実際に操作している様子が撮影されているので，十分に雰囲気がつかめるはずだ。



　このあと，高田氏は今後の展開について，iPhoneアプリをどんどん出していきたいと述べていた。高田氏が「数年後，新たな時代を作ったのはiPhoneだったといわれると考えています。さまざまな仲間とともに，夢を形にしていきたいです」と語ったのに続いて映し出されたのが，「第六弾 六番目の開発者」と書かれた右のスライドである。
　高田氏に聞いた話によれば，この言葉には，ほかのデベロッパの作品をAPPLIYAがパブリッシングするという意味や，一緒に作品を作っていく開発者を募るといった意味が込められているとのことだ。

APPLIYA 代表取締役 椎谷ハレオ氏

　最後に，APPLIYAの代表取締役を務める椎谷ハレオ氏がステージに登場した。
　椎谷氏の話によると，同社ではこれまでに30タイトルほどのアプリをリリースしてきたが，海外での反響はほとんどなかったという。そこで社内にチームを編成して検討した結果，日本のコンテンツを海外に持っていくのがよいのではないかとの結論に達したのだそうだ。
　また椎谷氏は，アプリをリリースすると，すぐに似たようなアプリが登場してくる現状を明かし，真似されないためには，著作権のあるものをしっかりとアプリに組み込んだほうがいいのではないかと考えたとのこと。このことが，やがてブロッコリーに話を持ち込むきっかけになったと説明していた。

　ご存じのようにブロッコリーはさまざまなアニメ/ゲーム関連のキャラクターコンテンツを展開してきた実績を持っている。ヱヴァンゲリヲンに続き，どんなコンテンツがiPhone/iPod touchにやってくるか，楽しみだ。
　また4Gamerとしては，よりゲーム性の高い作品の登場にも，大いに期待したい。