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CUDA Core数は192基でOpenGL 4.4対応。次世代Tegra「Logan」の概要が明らかに
さて,NVIDIAはかねてから,「LoganではKepler世代のGPUコアを搭載する」と予告していたが,今回そのGPUコアに「Mobile Kepler」という名を与え,従来の超低消費電力版GeForce(Ultra Low Power GeForce)コアとの違いを強調している。集積されるCUDA Coreの数は192基なので,Keplerアーキテクチャにおける演算ユニット「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX)のちょうど1基分だ。
NVIDIAはMobile Keplerの詳細を明らかにしていないため,Mobile KeplerのSMXがKeplerアーキテクチャのSMXとイコールであるかどうかまでは分からないが,192基のCUDA Coreを採用することで,Loganは予定どおり,GeForce(やQuadro,Tesla)とアーキテクチャ的に同じ土俵へ立つことになる。
つまり,OpenGL ES 3.0の対応に留まる他社製GPUコアの機能を,OpenGL 4.4やCUDA 5.0対応のMobile Kepler(=Logan)で,一気にごぼう抜きするというわけだ。NVIDIAではLoganを,「14年前,PC向けに登場した『GeForce 256』に匹敵するほどの,モバイル分野におけるマイルストーン」と位置づけているが,順調に登場するなら,確かにそれくらい大きなインパクトがあるGPUコアだと言えよう。
Loganの性能については,今のところ大雑把なグラフが公開されているだけだが,それによれば,現行のタブレット向けSoC,たとえば2012年モデルの第4世代「iPad」が搭載する「A6X」プロセッサと比べると,およそ5倍近いグラフィックス性能を実現できるとのこと。また,2006年のハイエンドGPU「GeForce 8800 GTX」や,PlayStation 3の3D性能も上回るという。
試作機によるデモビデオで,
Loganが持つ実力の一端を披露
元々はTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)が250Wに達するGeForce GTX TITAN用のデモとなるため,「すべての仕様がLogan上で再現されているわけではない」(NVIDIA)とのことだが,下に示したムービーを見る限り,LoganのシステムでIraはスムーズに動作している。
ヒゲ剃り跡も生々しい中年男性の顔をデモに使うというセンスは,今ひとつ理解しがたいが,表情の柔軟な動き,肌や瞳の表現を見ると,これがタブレット向けSoCで実現できているのは驚きだ。
もう1つは「Island」というデモのムービーだ。植物の生い茂った南の島を舞台としたこのデモは,OpenGL 4.3のテッセレーションステージを使ったものになっているので,まさにLoganのためのデモといえるかもしれない。
現行世代のTegra 4は,モバイルゲーム機型端末「SHIELD」を代表に,搭載製品が出始めた時期である。セオリーであれば現行製品をアピールすべきタイミングで,来年投入するSoCの話をするのは,それだけNVIDIAがLoganに対して,強い期待と自信を持っているという現れなのかもしれない。
たしかに,これだけの性能をタブレット端末向けとして実用的な消費電力の範囲で実現できるとなれば,大きなインパクトを与えることになる。2014年の登場が楽しみだ。
SIGGRAPH 2013 | NVIDIA(英語)
NVIDIA 日本語公式Webサイト
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