レビュー
新登場のエリカがプリンスを助けて大活躍するシリーズ最新作
Prince of Persia
日本語マニュアル付英語版
» 3月6日にイーフロンティアから発売された「Prince of Persia 日本語マニュアル付英語版」は,初代「Prince of Persia」の発売から20年を経て登場したシリーズ最新作だ。個性的なグラフィックスと,謎の女性「エリカ」,そして爽快感の高いアクションシーンを特徴とする本作を,初代作をプレイしてあまりの難しさに涙を流したという,こんなところに書いてはいけない過去を持つアクションゲームライターのUHAUHA氏がレビューする。
初代プリンス・オブ・ペルシャをリスペクトした
シリーズ最新作
Ubisoft Entertainmentの看板シリーズの一つといえるプリンス・オブ・ペルシャだが,考えてみると,初代「Prince of Persia」(1989年)がBroderbundから発売されてから,今年がちょうど20年目に当たるわけで,第一作がリリースされ,それをプレイしたあたりのことをなんとなく覚えている筆者としては,あらためて「少なくともオレは20歳以下ではないのだなあ」と感慨深く思うのと同時に,初代プリンスが見せてくれた滑らかな動きや,ギロチンだのスパイクだのでばっさりぐっさりいっちゃう,当時としては過激なゴア表現,そして,ちょっとしたミスで簡単に死んでしまう主人公の貧弱さとゲームの難度の高さに,かなりの衝撃を受けたことを思い出す。文章が長いですか?
Broderbundがゲーム市場から撤退したあとも,権利を買い取ったUbisoftが新作を出し続け,2003年には初代の世界観をそのまま3Dワールドに移した,「Prince of Persia:The Sands of Time」が大ヒット。次いで「Prince of Persia: Warrior Within」(2004年。邦題,プリンス オブペルシャ ケンシノココロ 日本語版),「Prince of Persia: The Two Thrones」(2005年)という,いわゆる“プリンス・オブ・ペルシャ三部作”をリリースしているので,プレイしたという人も多いことであろう。
というわけで,今回紹介するのは,2009年3月6日にイーフロンティアから発売されたシリーズ最新作,「Prince of Persia 日本語マニュアル付英語版」である。
これはUbisoftのモントリオールスタジオが開発したタイトルで,過去シリーズとの物語上のつながりは持たず,初代プリンス・オブ・ペルシャのエッセンスを「アサシン クリード」と同じ「Anvil Engine」を用いて再現したという作品だ。ストーリーは独自のものになっているので,過去のシリーズをプレイしていなくても問題はない。
ちなみに,日本語ローカライズされたXbox 360版とPLAYSTATION 3版の「プリンス・オブ・ペルシャ」は,それぞれ2008年12月と2009年1月にユービーアイソフトから発売されている。
主人公のプリンス。なかなか男らしいとは思うが,プレイ前の「殺し屋」的なイメージと違って,意外に気のいい若者。墓荒らしを仕事にしていたりと,なかなかの苦労人のようだ |
ヒロインのプリンセス,エリカは筆者のタイプ。プリンスが崖から落ちたり,敵にボコ殴りにされると必ず助けてくれるので,プリンスの存在の必要性を疑問視する向きも多い |
――見知らぬ土地を放浪し,墓荒らしをして暮らしている“自称王子”こと主人公プリンスは,財宝を背負ったまま姿をくらましたロバを探して砂嵐の吹き荒れる砂漠を彷徨っていたが,そこで武装集団に追われていた美女「エリカ」と出会う。
頼まれもしないのに彼女を助けたプリンスは,エリカのあとについて闇の神「アーリマン」が眠るという光の寺院にたどりつくが,そこではエリカの父親であるアフラ族の王の手によって,今にもアーリマンの封印が解かれようとしていたのだ。
エリカは父親の暴走を阻止しようとしていたが,願いもむなしくアーリマンは1000年ぶりに復活し,世界は再び人間の心を腐食させる「穢れ」(けがれ)に包まれてしまう。プリンスは浄化の力を持つエリカと共に,穢れた世界を元に戻し,アーリマンを再び封印するために「豊穣の台座」をめぐる冒険の旅に出るのだった。
……といった割と唐突なオープニングでゲームは始まる。物語は最初は謎だらけだが,プレイが進むにつれて,「なぜアフラ族の王はアーリマンの封印を解いたのか」だとか,「エリカの隠された秘密」だとかが回想シーンなどにより次第に明かになっていくのだ。
スクリーンショットを見てすぐにお分かりのように,これまでにないようなアート風のグラフィックスに加え,ムービーシーンも多用され,映画好きの筆者は,のっけからゲームの世界に引き込まれてしまったわけだ。エリカもべっぴんだ。
舞台設定が幻想的で現実とのアナロジーが通じにくく,ストーリーも少々ややこしいのだが,日本語マニュアル付き英語版ということから分かるとおり,ゲーム中の音声やテキストはすべ英語のまま。それほど難しい英語ではないものの,字幕が三行にわたることも多く,英語が苦手な人にとってストーリーを把握するのは大変かもしれない。コンシューマ版ではテキスト,音声までローカライズされていただけに,せめて日本語字幕だけでも……と思ってしまうのは筆者だけではないだろう。もっとも,風の噂によるとコンシューマ機版の日本語字幕および吹き替えにはいささか問題もあるようなので,ここは一つ,味わい深い英語音声を堪能してみようってのは,負け惜しみだが。
エリカと協力してすべての穢れを取り除き
世界に光を取り戻そう
ゲームの舞台は,事件の発端となった光の寺院を中心に「要塞」「渓谷」「光の都市」,そして「王宮」と大きく四つのゾーンに分かれており,それぞれのゾーンは六つのエリアで構成されている。ゲーム開始時はすべてのエリアが穢れた闇の世界なので,気味悪く蠢く穢れに飲み込まれないようにしながら気をつけて行動し,各エリアにある「豊穣の台座」に立ち,エリカの魔法で地域を浄化していくのだ。ちょっと暗算すれば分かるように,合計……えーと,たぶん24エリアもあるから道のりは長く険しい。
各エリアの豊穣の台座へは,エリカだけが使える能力,「パワープレート」を開放しなければたどり着けない場所にある。初期状態のエリカはパワープレートを使えず,その力を得るためには,「光の種」(Light Seed)を規定数集めなければならない。後述するように,光の種はエリアを浄化すると出現するのだが,浄化のためには光の種が必要になるわけで……ありゃ,堂々めぐり。
まあ当たり前だが,大丈夫である。光の寺院に直接つながる四つのエリアに限り,すでに光の種が出現しているので,これを集めて寺院に戻り,パワープレートの力を開放すればいいのだ。パワープレートには四種類あり,どのエリアの浄化のためにどのパワープレートが必要なのかはマップ画面から分かるようになっている。
すべてのエリアは複雑につながっており(開発者達はこれを「地下鉄式のマップ」と呼んでいた。きっと,モントリオールの地下鉄は各線が相互乗り入れしているのだろう),浄化のすんだエリア間ならば直接テレポート移動が可能だ。
どのパワープレートを獲得するかによって,エリアをめぐる順番が異なるが,これはプレイヤーの自由。ただし,同じエリアを違ったタイミングでプレイすると,トラップの位置が異なっていたり,敵が強くなっていたりといった違いがある。
浄化の魔法を使うにはエリカボタン/キーの連打が必要。必死に連打しなくてもいいんだけど,自動でやってもらえないかと思うのは筆者だけ? |
浄化が済むと穢れは取り除かれて光の世界が広がっていく。豊穣の台座を中心に光が広がり,土地が浄化されるシーンは美しすぎる |
光の世界を取り戻したら,現れる光の種を回収するのだ。なかなか意地の悪いところにあったりして,すべて取るのはかなり苦労する |
光の種を集めてパワープレートを開放しないと先に進めない。パワープレートもエリカの魔法を利用するので連打が必要だ |
パワープレートの中には,動作中に操作が必要になるものもある。ただし,失敗してもやり直せるので心配する必要はない |
それぞれのゾーンとエリアのつながり方や,浄化ずみのエリア,必要なパワープレートなどはマップ画面で一覧できる |
というわけで,穢れたエリアに入ったら,まず豊穣の台座を目指して進み,浄化の邪魔をする怪物と戦い,浄化に成功したら出現する光の種を集める。十分な光の種が集まったら光の寺院に戻り,新たなパワープレートを開放して,それが使えるマップに向かう――という段取りをすべてのエリアで繰り返していくのが本作のゲームスタイルになる。
文章で書くと,どうしてもややこしくなってしまうが,実際にプレイしてみれば誰でもすぐに分かるはず。また,添付されている日本語マニュアルにもそのあたりのことは詳しく書かれているので安心しよう。
ああ,日本語マニュアル付きでよかった。
さて実際のところ,豊穣の台座まではあまり悩むことなくたどりつけるのだが,浄化後に各エリア45個ずつ出現する光の種は,非常にイジワルな場所にあることが多く,回収作業のほうがはるかに手間と時間がかかる。もっとも,すべて回収しなくてもゲームは進められるので,パワープレートの獲得に必要な数を集めたら,さっさ寺院に向かってしまってもいい。
気づいた人もいると思うが,この光の種はアサシン クリードの「1000本の旗集め」と同じアチーブメント的な要素だ。そのため,コレクター精神が非常に旺盛な筆者はこれに必要以上に夢中になり,ゲームの進行に著しく影響が出てしまったのである。こういった要素を「作業」と感じる人も多いが,猛烈に楽しんでしまう人もいるのである。ここに。
豪快なアクロバティックアクションの爽快感がたまらない
各エリアには派手めの高低差がつけられており,飛んだり跳ねたりといったアクロバティックアクションを駆使できるようになっている。「ここはどうやって行くんだ?」という感じに,地形自体がパズル/トラップ要素を持っているのだ。
本作のいいところは,派手で格好よくてアクロバティックなアクションを誰でも簡単操作で繰り出せることにある。このへんは,同じゲームエンジンを使ったアサシン クリードで証明されており,アバウトな操作をしても,足場や壁の状況から適切なアクションを取ってくれる。ボタンを押しまくらなくても思ったとおりに動いてくれるのは,プレイしていて気持ちがいい。
エリカの力を借りる二段ジャンプでは,普通では届かない位置への移動が可能となる。かなり頻繁に使うことになるので,ぜひマスターしておきたい。とはいえ,多少入力が遅れてもエリカは分かってくれる |
例えば,亀裂を飛び越すときは当然ジャンプをするのだが,手近な場所に柱や棒があれば自動的にそこに飛び移るし,壁に向かってジャンプすれば,そのまま壁を走り続けるウォールラン,あるいは逆さまに天井を走るルーフランに変化する。このように,同じジャンプ操作一つでも状況に応じてさまざまなアクションを取ってくれるのだ。
また,常に後ろをついてくるエリカとの「デュオアクション」も多彩で,例えばジャンプ中に適切なキーを押すことでエリカの魔法が発動して空中で再ジャンプし,これにより通常よりも長い距離を飛んだり,高い位置へ移動できたりする。
また,ステージの各所に金属製のリングが取り付けられているため,掴みアクションも多用することになる。ウォールラン/ルーフランのあとにリングを掴むことでさらに走り続けられるわけだ。ウォールランからリングを掴み,さらにウォールラン,そして反対側の壁にジャンプして再びウォールラン,最後はジャンプしてデュオアクションでエリカと一緒に着地といった複雑なアクションも,必要なキー/ボタンをテンポよく押していくだけで簡単に繰り出せ,まるで自分が上級プレイヤーになったような気分を味わえる。
もちろん,あらぬ方向へジャンプしたり,キー入力をミスをすれば崖から転落することになるが,落下した瞬間にエリカが魔法を使って拾い上げ,落下直前の安全な場所まで引き上げてくれるのだ。
本作では死ぬことがないので,トライ&エラーを繰り返してトラップを突破するというカジュアル向けのゲームバランスになっており,誰でも気軽にプレイできるのだ。
一番使用するのがウォールラン。壁走りできるところには,走った跡が付いているので分かりやすい。誰が先に走ったのだろう? |
常にプリンスの背後についてくるエリカは,テレポートなどの魔法が使えるうえにアクロバティックアクションもこなす |
どんなアクションもこなすエリカだが,ツタに掴まるのだけは苦手らしい。このときだけはプリンスがおんぶして移動する |
垂直な壁も左手に付けたかぎ爪をひっかけて安全に降りられる。途中で止まれはしないが,左右へ移動することは可能だ |
高低差の大きい地形ばかりなので,途中で落ちちゃうこともしばしば。でも必ずエリカが現れて落下直前の安全な場所まで戻してくれる |
リングはジャンプではなく掴みのアクションを使うので,間違えてジャンプしたりエリカを呼んだりしないように |
連続コンボを叩き込んで
ダイナミックな戦いができる戦闘システム
冒険の途中にはお約束どおり,アーリマンのしもべとなったボスキャラや雑魚キャラがプリンスとエリカの行動を阻止しようとちょっかいを出してくる。この手のアクションゲームでは,ウザったいほど雑魚キャラが登場して,それらを倒していくと最後にボスキャラが出てくることが多いが,本作では雑魚よりもボスキャラが頻繁に現れ,ピンチになると逃げていき,忘れた頃に再びちょっかいを出してくるという変わった流れだ。
■各ゾーンのボスキャラ
ハンター |
アルケミスト |
コンキュバイン |
ウォリアー |
敵が出現するポイントはあらかじめ決められており,そこにたどり着くと戦闘イベントが始まる。ほとんどの場合,「ここから敵が出てきますよ」と分かるようになっており,突然敵が出現してビックリすることはない。また,雑魚キャラ,ボスキャラ問わず,常に1対1で戦うことになるので,目の前の敵に集中できる半面,わんさか現れる敵をばっさばっさ斬っていくようなシーンはない。そもそも戦闘自体が少なく,このへんが初代プリンス・オブ・ペルシャをリスペクトしている部分なのだろうか。
戦闘になると移動モードから戦闘モードにシームレスに切り替わり,各キー/ボタンも戦闘モード用のコマンドに切り替わる。といっても,ガラリと変わるわけでなく,マウスの左ボタンが剣攻撃,ジャンプボタンがアクロバティック攻撃,掴みが投げ技,エリカボタンがエリカとのコンビネーション攻撃,グリップフォールは敵の攻撃を防ぐガードといった具合に,意識することなく,いつの間にか変わっているという感じだ。
戦闘状況に応じてズームアップしたり,ダイナミックにカメラアングルが変わる戦闘シーン。アクション映画やアニメを見ているかのようで,実に格好いい |
戦闘の基本は連続攻撃(コンボ)がメインとなり,剣攻撃→投げ技→アクロバティック攻撃という単純なものから,投げ技→エリカ攻撃三発→剣攻撃とやや込み入ったもの。そして,コンボとコンボをつなぐ複合技など多彩な攻撃を繰り出せる。敵の攻撃に合わせてガードすることでカウンター攻撃が狙えるので,そこにコンボを叩き込むのがオススメだ。
コンボ攻撃のエフェクトは派手めで,カメラアングルが戦闘状況に合わせてダイナミックに変化する。こうした「シネマチック・バトル」の迫力と臨場感は素晴らしいデキだ。また,コンボもほぼ三つのキー/ボタンを順番に押していくだけで比較的手軽に出せるので,単純に楽しめる。
攻撃を受けてダメージが蓄積してくると,敵が強烈なラッシュ攻撃を仕掛けてくる。この際に画面中央に表示される特定のキー/ボタンが表示され,即座に早押しか連打で回避行動を取らなければならない。このときにミスってエリカに助けられるような状況になると,ボスキャラのダメージが大幅に回復してしまうのだ。
せっかくあと少しで倒せるというところまでいったのに,盛大に回復されてしまうので泣けてくる。ゲームが進むにつれ,敵キャラもカウンター攻撃を狙ってくるし,回避行動のタイミングも短くシビアになるため,後半になればなるほど上手に戦わなくてはならなず,それができないと戦闘時間が極端に長くなる。
ボスキャラが必殺技などを繰り出すとコマンド入力画面になる。ここでタイミング良く入力できれば,敵の技をしのげるわけだ |
敵も魔法を使って,こちらの攻撃や投げ,エリカの攻撃を無効化したりする。臨機応変に戦術を変えなければならない |
敵の攻撃が止むまでひたすらガードで耐えてもいいが,タイミングを合わせてガードすることで敵の攻撃を弾き,カウンターを返せる |
戦闘で死ぬようなダメージを食らうとエリカが助けてくれるので,プリンスは絶対に死なないのだ。エリカ恐るべしである |
プリンスとエリカ,二人一緒に攻撃すれば威力は倍増。エリカとのコンボ攻撃はちょっと卑怯なくらい強い |
各コンボのコマンドは,いつでもオプション画面で確認できる。組み合わせは割と簡単なので覚えやすいだろう |
気になる点はあるが,カジュアルな
アクションゲームとしてオススメしたい
フォトリアリスティックに描かれた背景と,イラストタッチで描かれたキャラクターのギャップが斬新なグラフィックスは,従来のゲームにはなかった独特の雰囲気を醸し出している。さらに,アラビアンナイトの世界を演出する幻想的なバックグラウンドミュージックも素晴らしく,プレイ中に耳を傾けて聞き入ってしまうほど気に入っている。
アクロバティックなアクションを使って移動するようにデザインされたマップは,まるで巨大なアスレチックゾーンだ。複雑な地形が独特の光景を生み出しているが,こんな上がり下がりの多い土地で生活したくはないなぁ。息が切れそう |
アクションゲームとして見ていくと,いくつか気になる点があるのも事実だ。
まず,プリンスが絶対に死なないというゲームシステムは大きく好みが分かれる部分だろう。確かにこのシステムであれば,アクションゲームが苦手な人も楽しめると思うのだが,やはりシビアなアクションを求めるプレイヤーは物足りなさを感じるはずだ。過去にプリンス・オブ・ペルシャをプレイしてきた人ならばなおさらだろう。上記のように,アクションゲームに慣れない人ほど「戦闘時間が極端に長くなる」という問題も引き起こしてしまう。
戦闘回数が少ないのも残念なところだ。バリエーション豊富なコンボシステムがあるのだから,ゲーム中にもっと雑魚キャラを登場させ,戦いのシーンを増やしてもよかったのではないだろうか。途中の道のりにもっと戦闘があれば,「豊穣の台座まで簡単にたどり着ける」印象は拭えたと思う。
付け加えるなら,四つのゾーンに分かれた広大なマップには,もともとたくさんの人間が生活していたはずで,敵がボスキャラと数少ない雑魚キャラだけということはないだろう。穢れに冒された人々がワラワラ出てきてもおかしくないし,浄化後に開放された人々が現れたりしたらもっとノれたのにと思う。いつでもプリンスとエリカの二人っきりというのは寂しすぎるのだ。
アサシン クリードでは,これでもか! といわんばかりの人々が街路を行き来していたので,同じゲームエンジンなら不可能ではなかったはずだが。
マップ画面で行き先を指定しておけば,たとえ道に迷っても,エリカの放つ光が行くべき方向を教えてくれる。なんか人魂みたいだけど |
頭を使って解かなければならないパズル要素もいくつか登場するが,どれも難それほど難しくはない。落ち着いて考えれば解けるはずだ |
浄化と共に住民が復活したりしてもいいと思うのだが。プリンスとエリカだけでの光の種集めというのは寂しすぎる |
エリカがいるおかげで絶対に死なないシステムは,緊張感こそ薄れるものの,気軽に楽しめるアクションゲームだ |
以上,気になるところはやや目立つものの,ゲームシステムやアクションそのものの完成度は非常に高く,グラフィックスも個性的だ。手軽に遊べるカジュアル向けタイトルの一つとしてオススメできると思う。英語版という点はさておき,人が死んだり,ゴアな表現が一切ないことから,低年齢層にも遊んでもらえる作品ではないだろうか。
初めてプリンス・オブ・ペルシャをプレイする人はもちろんだが,過去のプリンス・オブ・ペルシャを,その難度の高さで断念してしまった人も,新たなプリンスに挑戦してみてはいかがだろうか。少なくとも筆者は,気のいいプリンスと可愛いエリカと一緒の楽しい時間を十分に過ごすことができたのだ。
なお,今回のプリンス・オブ・ペルシャは全三部作の第一部と発表されており,エンディングの意外さに軽く衝撃を受けてしまったのも事実。実際,ストーリーが進むにつれて予想外の事実が次々に明るみに出て,思わず物語の世界に引き込まれてしまったわけだが,まさかあんなことになるとはなあ……。早く続きを遊びたい。
映画好きな筆者は比較的ゲームのストーリーに引き込まれやすいタチだが,今回はものの見事に引き込まれた。えー! という予想外のエンディングは,ぜひ実際にプレイして確認してほしい。早く次回作をプレイしたくてたまらなくなるはずだ。私はなった |
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