中2女子におすすめは，やおい漫画？　PS2/PSP版「萌え萌え2次大戦（略）☆デラックス」オフラインイベント

　夏休みも終了間近の8月30日（土），秋葉原でPS2/PSP用ゲーム「萌え萌え2次大戦（略）☆デラックス」のプライベートイベント，「秋葉原会戦・夏の陣!!」が行われた。
　同作品でレイ（日本軍・零式艦上戦闘機）のボイスキャストほかを務める宮沢ゆあなさんと，薬師るりさんによるユニットCheerful＋Colorful（ちあふるからふる）のライブに続いて，てんざん（日本軍・艦上攻撃機 天山）役ほかを担当するの成瀬未亜さんと，チハ（日本軍・九七式中戦車）役の日高里菜さんによるインターネットラジオ「萌え萌え2次ラジオ☆デラックス」の公開録音，そして，そのほかの声優さんを交えたトークショウを2周（ただし，もちろん内容はそれぞれ別で）展開したこのイベント，第2部の様子を取材してきたので，そのハイライトシーンをかいつまんでお伝えしたい。

　成瀬未亜さんの，オタク心を押さえたトークと自己ツッコミが大きな魅力の公開録音部分では，10月からリニューアルされる「萌え萌え2次ラジオ☆デラックス」の紹介が主たる話題となっていた。この日明かされたのは，

■10月から毎週木曜配信にペースアップ（従来は隔週）
■各キャラクターによるラジオドラマがスタート
■成瀬未亜さんによる主題歌が付く

といったところ。ゲストである日高里菜さんは中学2年生ということで，成瀬さんの「心の中にオヤジを宿しており，可愛い子を愛でる」という芸風が炸裂。また，トークが終わった瞬間に，ネタの一環であった「ラーメン缶」を食べて見せ「美味しいと思うんだけどなあ……」と呟くなど，常に小技を忘れない姿勢が印象的だった。

　来場者と司会のお二人によるじゃんけん大会に続くミニトークショウでは，ナナ（日本軍・九七式艦上攻撃機）役ほかで活躍する雪野梨沙さん，やまと（日本軍・戦艦 大和）役ほかの小林眞紀さん，あかぎ（日本軍・空母 赤城）役ほかの富山あかりさん，アリス/クラレンス（アメリカ軍・ロッキードP-38ライトニング）役の小清水佑果さん，そして宮沢ゆあなさんが登場する。

　そしてシステムソフト・アルファーの西村文子プロデューサーの仕切りで，作品に関するエピソードを交えたトークが展開された。

宮沢ゆあなさん

　例えば富山あかりさんは，ロジーナ（ソ連軍・T-34）のボイスキャストも務めているわけだが，西村プロデューサーとの会話を通して，「デラックス」ではあかぎのお色気シーンのみならず，ロジーナの「珍道中」も追加されていることを披瀝した。
　同様に宮沢ゆあなさんはマチルダ（イギリス軍・マチルダ戦車）役も兼ねていて，そのマチルダが「デラックス」の新キャラ「ベローチェ」（イタリア軍・豆戦車L-3）とかベローチェとかベローチェとかとの掛け合いで「面白いことになっている」と，何やら意味ありげにコメント。かなりクラスが違うとはいえ，互いに敵対陣営の戦車同士であるから，ベタな掛け合いが連発されるのであろうか？

　だが，なんといってもこのトークの白眉は，西村プロデューサーが振った「日高さんが現役中学生ということで，みなさんの中学時代はどんな感じでしたか？」というお題をめぐってのやりとりだった。成瀬さんはいきなり「中2病でした」と回答，「嫌な夢と希望に溢れていた」と，業の深そうな何かを言外に匂わせた。
　続く雪野さんは「私も中2病でした」から切り出し，「屋上に登って，よーし今日はトイレットペーパー飛ばすぞ！ とか，やることなすこと意味が分からない感じでした」と，こちらもなかなかの大物が鉤に掛かってしまった様子。
　「このあとに話すのは辛いなあ〜」という，深く同意できるコメントから入った小林さんは，受験で忙しいさなかに頑張ってバレンタインデーのチョコを手作りし，雪が降るなか彼氏の家に持って行ったら「お，おう。じゃあな」で，そそくさと引っ込まれてしまったという，胸に痛いんだか甘酸っぱいんだか微妙なエピソードを語った。
　だんだんレートが上がっていくギャンブルに参加したかのごとく，「本当にやりにくいわぁ」という発言から始めた富山さんは，人見知りの激しい性格のくせに演劇部と放送委員会に属し，よく朝礼をさぼってマイクのボリュームをいたずらしたりしていた，とのこと。

成瀬未亜さん	雪野梨沙さん
小林眞紀さん	富山あかりさん

小清水佑果さん

　日高さん本人を除けば最若手である小清水さんは，うまく話の方向を転じ，推薦入学に有利な部長ポストをすぐに務められる部活として「ガーデニング部」を選んだと述べ，日高さんへのアドバイスとした。ただし，彼女もきちんと話のオチを用意していて，「ほかの子がお花とか育ててるのに，私のスペースだけスイカ」「家庭科の先生と仲が良かったので，家庭科室のカギを借りてイチゴとか野菜炒めとか食べてました」と，なかなかきれいにまとめた。

　そんなわけで，このチキンレースの最終走者となった宮沢さん。「考えたけれど何も出てこなくて」という韜晦の前振りに続いては「漫画ばっかり読んでました。何でも読んでましたねえ。やおいとかやおいとかやおいとか……」という見事な豪腕のブレイクスルーで，このお題にオチをつけた。
　頼もしい先輩方揃いのようで，日高さんも心強い限りであろう。とはいえ，「やおい」が何か知らないという日高さんの返答こそが，真に驚愕すべきオチだったような気もする……。

日高里菜さん（左）と，各人のネタにこまめなリアクションを返す，成瀬さん

　そんな，ボイスキャスト各人が持つエンターテイナーとしての芸が遺憾なく発揮された，当意即妙のトークイベントであった。

　イベント終了後の質疑応答で語られたところによれば，「今後男前なキャラクターを演じてみたい」という日高さんのお気に入りキャラはエイミー（アメリカ軍・パーシング重戦車）で，「人外のほうまで幅を広げていきたいです」という成瀬さんは，ネコ（アメリカ軍・グラマンF4Fワイルドキャット）が好きだという。

　また，せっかくの機会なので西村プロデューサーに，「デラックス」で入る各シナリオの分岐は，全体のどのあたりに来るのか聞いてみたところ，シナリオにもよるものの前/中/後で分けたとき，中の最後あたりに来る予定とのこと。また，その分岐はある範囲のステージにおける戦績の総計で判定される。分岐は1回で，あとはそれに応じたエンディングに向かって進むのだそうだ。


　iモード版については，基本的に「デラックス」の内容に，オリジナルキャラ「アンジェリカ」（ドイツ軍？・フォッカーDr.I三葉戦闘機。やはり，初期サンプルとしてトラブルが多発する運命にあるのだろうか？）が加わるとのことで，携帯電話用ゲームとしては異例のボリュームとなりそうだ。


　今後もイベントが予定されているかどうかについては，西村プロデューサーいわく「発売日イベントなどができたらよいと思いますが，まだ構想段階，私の頭の中の希望レベルです」とのこと。それは別しても，これから「デラックス」の発売に向けて，プロモーションは加速していく。
　新たに加わる連合軍シナリオや，既存シナリオのフルリファイン，新キャラ（兵器）の活躍に期待している人には，ますます目が離せないタイミングといえるだろう。