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Intel 5
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  • 発表日:2008/11/18
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印刷2009/09/09 12:15

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GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする

GA-P55-UD6の製品ボックス
画像集#002のサムネイル/GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする
 Core i7-800&Core i5-700番台がデビューし,マザーボードベンダー各社はLGA1156対応マザーボードを投入してきているが,本稿では,国内の自作市場で人気のGIGABYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)製の「Intel P55 Express」(以下,P55)搭載マザーボードで,2009年9月時点の最上位モデルとなる「GA-P55-UD6」を紹介したい。
 本機の持つ最大の特徴は,「24+2フェーズ仕様」という,強力な電源部にあるが,そのあたりを中心に,製品版の写真を交えつつ,実機をチェックしていくことにしよう。


圧巻の24+2フェーズ電源回路


 GA-P55-UD6は,GIGABYTEのコーポレートカラーでもある青を基調にしたマザーボードだ。

GA-P55-UD6。すでに販売は始まっており,実勢価格は3万円前後(※2009年9月9日現在)
画像集#003のサムネイル/GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする

 2009年9月8日に掲載したテストレポートで,筆者は,最近のマザーボード業界が,軍拡競争さながらに電源部のフェーズ数を拡張していると指摘したが,そのトレンドをリードしているGIGABYTEの最新フラグシップだけに,GA-P55-UD6が搭載するPWM電源回路は,CPU Vcoreが24フェーズ,CPU Vttが2フェーズ,さらにDIMMスロットに2フェーズの搭載が謳われており,端的に述べて「強烈」である。
 GA-P55-UD6では,Intersil製のPWMマスターコントローラ「ICL6336A」を搭載しているが,本LSIのデータシートを基に,搭載するDriver-MOSFETの数を数えてみても,確かに24フェーズ仕様で間違いない。

強いインパクトのある24+2フェーズ電源回路(左),右は,1基当たり最大6フェーズをサポートするIntersil製のPWMマスターコントローラだ。Vtt用となる2フェーズ回路のすぐ近くに用意されている。この下に,マザーボード上でいくつか搭載されるIntersil製のPWMコントローラが接続されているので,これらが全体で24フェーズを駆動しているのだろう
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CPU周辺にズラリと並ぶDriver-MOSFET群(左)。基版の表面に用意されるのはUpper SideのMOSFETで,Low Sideのそれは背面に取り付けられている
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Windosの常駐ツールとして機能するDES2。エンジンのアニメーションで,動作するフェーズ数を視覚的に確認できる。さらに3段階の省電力レベルと,カスタム設定(=Advanced)の選択が可能だ。「Powered by Intersil」とあるので,開発にはIntersilが関与しているのだろう
画像集#008のサムネイル/GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする
 GIGABYTEは,Driver-MOSFETに,「オン抵抗が低い」ものを採用していると謳っているが,型番から引いてもデータシートを発見できなかったため,実際のところは何ともいえない。ただ,実際に動かしてみた限り,発熱は総じて低い。24フェーズ+低オン抵抗のDriver-MOSFETに,効果があることは確かなようだ。
 同時に,GA-P55-UD6では,この24フェーズ電源回路の実働フェーズ数を,PCの負荷に応じて切り替える「Dynamic Energy Saver 2」(DES2)というツールも提供されている。

 ところで,熱という観点では,P55 PCH(Platform Controller Hub)が,従来製品でノースブリッジの置かれていた場所に用意されている点も興味深い。CPUと電源周り,チップセットという主要な熱源が,ほぼ,マザーボードの片側に集中しているわけである。CPUクーラーで,一気にケリを付けてしまおうということなのかもしれない。

左はパッシブクーラーを取り外したところ。P55 PCHはCPUに近いところへ配置されている。クーラーの“左端部”の下にあるものについては後述する。右は,PCHの近くに用意されたPWM回路らしきもの。これについてGIGABYTEは,とくに何も語っていない
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 なお,ここまで来るともはや説明不要だろうが,GIGABYTE独自の品質規格で,マーケティングキーワードとしても訴求されている「Ultra Durable 3」にはもちろん準拠。MOSFET以外にも,アルミ固体コンデンサの全面的な採用により,電圧の統一的な安定化が計られていたり,マザーボード基板を構成する層(=レイヤー)のうち,GND層に貼られた銅箔の量を,通常の2倍にすることで電気抵抗を減らし,発熱の減少(と,ひいては動作安定性並びにオーバークロック耐性の向上)を実現するという「2oz Copper PCB」を採用していたりといった部分は,GIGABYTEの「Intel X58 Express」(以下,X58)チップセット搭載マザーボードと同じだ(関連記事)。

オーバークロック機能は,伝統の自動設定機能「C.I.A.2」が用意されているほか,手動でも細かく設定を行える。ベースクロックは100〜1200MHzの範囲を1MHzで設定できるほか,QPIやPCI Expressクロックも設定可能だ。メモリクロックは,ベースクロックに対して6/8/10/12倍設定が可能。電圧系では,Vcore,CPU Vtt,PCH,PLL,メインメモリといったあたりを調整できる
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DIMMスロット周り


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CPUソケットから遠い,白のスロットがデュアルサイド対応のプライマリ,水色が両対応となる。6スロット構成になったことで,メモリ周りの配線は長くなっているので,ヘビーなオーバークロッカーや,メモリ周りの信頼性を強く意識する人には受けないだろうが,拡張性を追求するGIGABYTE製らしい仕様なのは間違いない
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DIMMスロットの近くに,オンボードのATXパワースイッチが用意されている
 GA-P55-UD6は,GIGABYTEのコーポレートカラーでもある青を基調にしたマザーボードだ。外観で最も目を引くのは,X58チップセットを思わせる,6本のDIMMスロットだと思われる。Core i7-800&i5-700番台の場合,CPUが内蔵するのはデュアルチャネルDDR3メモリコントローラなので,一般的なP55マザーボードのDIMMスロットは4本(もしくは2本)となるはずなのだが,このあたりは,拡張性の高さを重視するGIGABYTE製マザーボードらしいところといえるだろう。

 もっとも,CPUのメモリ仕様をマザーボード側で変更するわけにはいかないため,GA-P55-UD6では,白いプライマリのDIMMスロットがデュアルサイド(=2バンク)メモリモジュール対応,水色のセカンダリスロットが,デュアルサイド×2またはシングルサイド(=1バンク)メモリモジュール×4をサポートするようになっている。
 現在のところ,2Gbitメモリチップを搭載したメモリモジュールは4GB品が主流で,シングルサイドの2GBモジュールが手の届きやすい価格になるためには,まだしばらく時間がかかりそうだが,将来的に潤沢になれば,メリットになる可能性もゼロではない。


拡張スロット&オンボードデバイス


CPUに近い2本のPCI Express x16スロットが,デュアルグラフィックスカードをサポートする
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 ある意味で,GA-P55-UD6の一番“普通”なところが,PCI Express x16 ×3,PCI Express x1 ×2,PCI×2という拡張スロット構成だ。デュアルグラフィックスカードをサポートしたP55チップセット搭載の上位モデルとしては,非常に一般的といえる。

 詳細を見てみると,3本のPCI Express x16スロット中,CPUソケットに近い側の2本が,PCI Express 2.0の16/0または8/8レーンで動作し,8/8レーン動作時は,2-wayのNVIDIA SLIとATI CrossFireXがサポートされている。一方,ボードの端にあるもう1本は,P55 PCHとの4レーン接続だ。

 オンボードデバイスに関しては,まず,「パッシブクーラーの下に何があるか」から見ていこう。
 答えから先に述べると,JMicron Technology(以下,JMicron)のロゴが一緒に刻まれているSerial ATA&IDE RAID 0/1コントローラ「GIGABYTE SATA2」と,JMicron製のSATAコントローラ「JMB362」の二つ。これらが,熱伝導シートを介して,パッシブクーラーと接触している。

パッシブクーラーの下にはGIGABYTE SATA2とJMicron JMB362がある。レギュレータ用途とおぼしきMOSFETが二つあるのだが,これらはクーラーに覆われているだけで,接触はしていない
画像集#016のサムネイル/GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする 画像集#017のサムネイル/GIGABYTEのP55マザー最高峰「GA-P55-UD6」,そのポイントをチェックする

 Serial ATAポートは内部が合計10。水色の6ポートがP55によって,白い4ポートは,GIGABYTE SATA2とJMB362によって2ポートずつ提供されており,いずれも,カード長のある拡張カードと干渉しないよう,基板に対して平行に,かつ,マザーボードの外側に向かってコネクタが用意されている。基板上に用意されたパラレルIDEインタフェースは,GIGABYTE SATA2の受け持ちだ。
 また,PCHの近くには,もう1基のJMB362を搭載しており,I/Oインタフェースで,USB/eSATA兼用コネクタ×2を提供する。USB/eSATA兼用コネクタは,専用ケーブルを用いることで+5Vの給電も可能だ。

オンボードのストレージインタフェース群(左)と,外部のI/Oインタフェース(右)
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Teamingに対応したRTL8110×2を搭載する
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 LANコントローラはRealtek Semiconductor(以下,Realtek)製の「RTL8110」×2。ネットワーク帯域幅の増幅やネットワーク負荷分散,コントローラの冗長化といった機能を実現するTeamingをサポートしているのが特徴だ。
 HD Audio CODECはRealtek製のALC889A(※Dolby Home Theater対応)。IEEE 1394aコントローラは,Texas Instruments製の「TSB43AB23」だった。


 ……マザーボードというのは,PCを構成するコンポーネントの中でも,とくに選ぶのが難しいアイテムの一つである。安定&信頼性,拡張性,サイズ,コスト,「どれくらい遊べるか」など,複数の要素があり,どれを重視するかによって,結論はまったく異なったものになるからだ。
 その点で,GA-P55-UD6は,怒濤の多フェーズ化による低消費電力,低発熱化と,拡張性,そして自動を含む一通りのオーバークロック機能を備えている点がトピックといえる。コストと,メモリ周りの仕様に抵抗を感じる人はいると思われるが,基本的には万人向けの,リファレンス的な製品であると位置づけることができるだろう。
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