P45マザーボードで採用され,LGA775に変わる主力CPUソケットとなるLGA1156ソケット。CPUクーラーは現行のLGA775用と互換性を持つ
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現地ハノーバーではCeBIT 2009が開幕したが,前日となるドイツ時間2009年3月2日,Intelは全世界の報道関係者を対象に同社のブースを事前公開。開発コードネーム「Ibex Peak」(アイベックスピーク)こと
「Intel P55 Express」(以下,P55)チップセットを搭載する,主要マザーボードベンダーのエンジニアリングサンプルが披露された。
展示されたエンジニアリングサンプル群のなかには,明らかに
“P55以外のIbex Peakファミリー製品でしか持ち得ない機能”を実装したものも見受けられ,2009年下半期以降のIntelプラットフォームを知るうえで興味深いものになっていたので,まとめて紹介したい。
P57やH57の独自機能を実装するユニークな製品が展示
Intelブースで公開されたP55搭載マザーボードは,下記の5製品だ。
P7U Pro
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- ASUSTeK Computer「P7U Pro」
- BIOSTAR MICROTECH「T-Power I55」
- GIGABYTE TECHNOLOGY「GA-HD」
- Jetway Information「HI05」
- MSI「G9P55-DC」
このうち,P55の仕様を堅実に実装したスタンダードモデルとなるP7U Pro以外の4製品には,これまでに知られているP55のスペックを超えた,ユニークな設計が見え隠れしている。
T-Power I55
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例えばT-Power I55。DDR3 DIMMスロットとATX電源コネクタに挟まれる格好で,
「High Speed NAND Flash」と書かれたスロットが用意されている。これは,2010年第1四半期に投入予定とされるP55の上位モデル,「Intel P57 Express」において対応予定の“第2世代Intel Turbo Memory”モジュール,
「Braidwood」(ブレイドウッド,開発コードネーム)対応スロットのようだ。そのため,T-Power I55の最終製品版だと,本スロットは省かれることになる見込みである。
DDR3 DIMMスロットと24ピン電源コネクタの間に,High Speed NAND Flashと書かれた黒いスロットが用意されている
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GA-HD。microATXフォームファクタを採用する
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同じくP55マザーボードとして公開されたGA-HDには,I/Oインタフェース部にDVI-I,HDMI,Display Portと3種類のグラフィックス出力端子が並ぶ。これは,同じIbex Peakファミリーでも,
グラフィックス機能統合型CPU向けに開発された「Intel H57 Express」「Intel H55 Express」向けの基板デザインと見ることができるだろう。
また,HI05では,3本搭載されるPCI Express x16のうち1本に,
「HD DISPLAY SLOT」という表記が見える。緑色に色分けされたこの拡張スロットが,Jetway Information独自機能なのか,Ibex Peakチップセットファミリーの機能を拡張するものなのか,現時点では分からないが,気になる実装なのは確かだ。
GA-HDのI/Oインタフェース部。GA-HDの“HD”は,キャンセルされたグラフィックス機能統合型CPU「Havendale」(ヘブンデール,開発コードネーム)の略称と推測することもできる。microATXフォームファクタという点からしても,2010年第1四半期に登場予定の「Intel H55/H57 Express」搭載モデルと考えられそうだ |
Jetway InformationのP55マザーボード「HI05」。PCI Express x16スロットのうち,左端にある緑色の1本は,HD DISPLAY SLOTという位置付けだ。“グラフィックス機能統合型CPU用ADD2カード”のような拡張カードが用意される可能性も指摘できそうだが,現時点で詳細は不明 |
Intel関係者によれば,Ibex Peakチップセットファミリーでは,基板デザインを共用できるため,開発段階の試作モデルでは(チップセットごとの独自機能を1枚で検証できる)ユニバーサル設計を採用可能とのこと。そのおかげで,2010年のIntelプラットフォームをこのように垣間見られるというわけだ。
CeBIT 2009の初日には,Intelによる報道発表がスケジュールされているので,これら新チップセットに関する情報も,何かしら公開されると思われる。楽しみに待ちたい。