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  • 発表日:2008/11/18
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印刷2008/08/20 22:41

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Intel,「Core i7」対応のハイエンドX58マザーボード「Smackover」を公開

 Intelは,北米時間2008年8月19日に開幕した開発者向け会議「Intel Developer Forum 2008 San Francisco」(以下,IDF 2008 SF)で,次世代CPU「Intel Core i7 Processor」に対応するフラグシップマザーボード,「Smackover」(スマックオーバー,開発コードネーム)を公開した。

X58チップセットを搭載する次期フラグシップ製品のSmackover(のエンジニアリングサンプル)。メモリコントローラがCPUに内蔵されたため,基板レイアウトが現行のマザーボードから大きく変更されていることが分かる
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デスクトップPC向けの次期フラグシップマザーボード“Smackover”を紹介する,Tom Rampone氏(Vice President & General Manager,Channel Platform Group, Intel)
画像集#003のサムネイル/Intel,「Core i7」対応のハイエンドX58マザーボード「Smackover」を公開
 Smackoverは,開発コードネーム「Tylersburg」(タイラースバーグ)こと「Intel X58 Express」(以下,X58)チップセットを搭載するATXフォームファクタの製品だ。「Bonetrail 2」の愛称――開発コードネームでもある――で呼ばれる,現行の「Intel X48 Express」チップセット搭載マザーボード「DX48BT2」に代わるフラグシップマザーボードとなる。
 Intelで同社の純正マザーボードや製品ボックス版CPUなどの製品開発&販売を推進する,チャネルプラットフォームグループ担当のTom Rampone副社長いわく,「これは4コアで8スレッド実行を実現するCore i7プロセッサの性能を最大限引き出せる,シングルCPU対応マザーボードとして最強の1枚」である。

 さて,IDF 2008 SFで公開されたSmackoverのエンジニアリングサンプルを細かく見てみると,まずCore i7プロセッサは3チャネルのDDR3メモリインタフェースを内蔵するのだが,マザーボード上に実装されたメモリスロットは4本しかない。
 実は,3本ある青色のメモリスロットは,それぞれ独立したメモリチャネルに接続され,チャネルAのみ,2本のメモリを差せるようになっているのだ。これは,メモリパフォーマンスよりも最大搭載容量を重視するユーザーに向けた配慮であり,最大パフォーマンスを求める場合には,3本差しすることになる。

Core i7プロセッサでは3チャネルDDR3インタフェースを内蔵するが,Smackoverでは4本のメモリスロットを搭載。青いスロットは各チャネルごとに1本という構成で,メモリ容量を増やしたいユーザーはチャネルAにもう1本,メモリモジュールを差せるよう設計されている。このため,チャネルAの2本のDIMMスロット間隔は最小限に抑えられており,ヒートシンクが大きなメモリでは2枚差しできない可能性も
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 ちなみにCore i7プロセッサがサポートするメモリは,Core 2 Extreme後継の「Core i7 Extreme Edition」でDDR3-1333,主力モデルではDDR3-1066となるが,SmackoverではIntelの提唱するオーバークロックメモリ規格「XMP」(eXtreme Memory Profile)に対応することで,DDR3-1600以上もサポートする予定だ。

PCI Express x16スロットはいずれも2.0 x16対応。ATI CrossFireXをサポートする
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 拡張スロット構成はPCI Express x16 ×2,PCI Express x8 ×1,PCI Express x1 ×2,PCI×1。PCI Express x16スロットはPCI Express 2.0に対応しており,それぞれ16レーン接続となる。
 ゲーマーとして気になるのは,マルチGPU環境への対応だが,SmackoverはATI CrossFireXをサポートする一方,NVIDIA SLI(以下,SLI)への対応は未定だ。NVIDIAは,X58チップセット搭載マザーボードでSLIをサポートすると表明しているが,これはあくまでも,X58チップセット搭載マザーボードに,NVIDIA製のPCI Express 2.0ブリッジ/スイッチチップである「nForce 200」を組み合わせた状態でのこと(関連記事)。Intel関係者は「nForce 200は高価だ。他社製チップセットのネイティブ動作でもSLIが動作できるよう,NVIDIAがドライバのプロテクトを解除しない限り,第1世代の製品におけるSLI対応は見送られることになるだろう」と説明する。

Skulltrail以降,フラグシップ製品に与えられているドクロ型ロゴ。Smackoverでも,PCI Express x16スロットの間に印刷されている
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 一方,「Skulltrail」以来,ハイエンドユーザー向け製品に与えられてきたドクロ型ロゴマークが示すように,Smackoverでも,性能を引き出すための工夫がいたるところに盛り込まれている。

 詳細はあらためてお届けしたいと考えているが,Core i7をはじめとした,開発コードネーム「Nehalem」(ネハレム)で知られる次世代マイクロアーキテクチャ採用CPUでは,ゲームやアプリケーションの負荷が高まった場合,使われていないCPUコアを動的に停止させ,TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)の許す限り,残りのコアの動作クロックを引き上げることができる「Turbo Mode」がサポートされている。
 ゲームの場合,マルチコア処理するよりも,CPUをより高いクロックで動かしたほうがパフォーマンスが向上する場合があるというのは,4Gamerの読者ならよくご存じだろう。実際,クアッドコアCPUよりも,より動作クロックの高いデュアルコアCPUを好むゲーマーも多いが,Core i7のTurbo Modeは,こういった考えのゲーマーに向けた,一つの回答となる。

Turbo Modeの動作例を示したスライド。例えば,あるアプリケーションソフトが2個のCPUコアしか使わない場合,その負荷が高くなったときに残る2コアを停止し,TDPの範囲内で負荷が高まっているCPUコアの動作クロックを自動的に引き上げることで,パフォーマンスの向上を図る
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 そしてSmackoverでは,そんなTurbo Modeの可能性を最大限に引き出せるよう,VRM周りを強化。さらに,CPUの熱を逃がしやすい構造を実現するなどの工夫も盛り込まれているのが,大きな特徴だ。

Core i7プロセッサでは,CPUパッケージがLGA775からLGA1366に変更され,サイズもひとまわり大きくなる。対応するCPUソケットには,Core i7の開発コードネームである「Bloomfield」(ブルームフィールド)の頭文字を取って,「Socket B」という名が与えられているようだ(左)。右はCPUソケットに備え付けのリテンションモジュール。CPUの発熱を,CPUクーラーだけでなく,ソケットからも逃がす役割を果たすという
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X58チップセットのリテンションモジュール。QPIやPCI Expressといったインタフェースをオーバークロックしたときの発熱を効率よく逃がすのに貢献するとのこと
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 先ほど,メモリスロットが4本構成になっていると説明したが,ハイエンド製品にもかかわらず,フル実装となる6本構成でないのは,CPUとメモリスロットを結ぶ配線を最短距離で結ぶことにより,オーバークロック設定時に安定した動作を実現しようとしているためだ。
 また,X58チップセットに搭載されるチップクーラーはファンレスヒートシンクだが,リテンションモジュールを使ってしっかりと固定されていることで,PCI ExpressやCPUとチップセットを結ぶインタフェース「QPI」(QuickPath Interconnect)のオーバークロックで発熱が大きくなっても,効率的な冷却が行えるようになっているという。

「Core2 Extreme QX9770/3.20GHz」(左)と,3.20GHz動作のCore i7(右)のパフォーマンス比較。平均フレームレートは順に98.2fps,136.6fpsと,かなりの違いがある
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 BIOS設定項目などといった細かな情報は,残念ながら開示されなかったが,IDF 2008 SFの基調講演では,このSmackoverとCore i7プロセッサの組み合わせで,「ロスト プラネット コロニーズ」のベンチマークテストを行うデモが披露されたので,最後に紹介しておきたい。
 このデモでは,3.20GHz動作のCore i7プロセッサと,「GeForce 9800 GX2」を搭載したシステムで,1280×768ドット解像度で平均135fps以上のフレームレートを維持しているとアピールされた。Intelは,年内に予定されているCore i7プロセッサの投入と同時に,このSmackoverも市場投入する予定だ。


 なお,IDF 2008 SFでは,Core i7のベンチマークセッションなども予定されているので,そのパフォーマンスやBIOS設定項目などは,順次明らかになるだろう。情報が入り次第,アップデートしていきたいと思う。
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