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[GDC 2009#19]どこでもほっつき歩ける幸せ。EA,プライベートカンファレンスで「The Sims 3」をプレイアブル展示
なんとなく,一つにまとめてもらえると嬉しいのだけどなあという雰囲気もしないでもないが,今回紹介されたのは,「The Sims 3」「G.I.Joe: The Rise of Cobra」,そして「Boom Box Bash Party」の3作品。いずれも「今回が初出し」というわけではなく,すでにかなりの情報が出ているタイトルだが,開発者が自らゲームの説明をしてくれるというのはやはり貴重な機会ではあるので,とりあえず出席したのである。
どのタイトルも公開日が決まっており(つまり今日),「撮影/録音禁止」という条件つきでもあったため,掲載できるのがEAから提供されたスクリーンショットばかりと見た目的にはやや寂しいものの,三つのタイトルを簡単なインプレッションと共に紹介してみよう。
ちなみにほかにもう一つあるのよね,EAのプライベートイベントって。
The Sims 3
まずはキャラクターメイキングからだ。前作に増して細かい外見作りが可能になっており,年齢から体格,眉毛の色まで設定できる。3ならではの要素として,何度かお伝えしてきたとおり,「Trait」(日本語版では“性格”とでも訳されるのだろうか)を決定できる。五つのカテゴリに分けられた総計60種類のTraitから,好きなものを選んであなたのシム人に与えるのである。
「勇敢」と「細心」,「寛容」と「孤独」といった,ちょっとマッチしないTraitを一人の人格に設定することもできるようで,例えば「きちんとしている」と「大らか」を一緒にしたらどうなるのかとRodiekに聞いたところ,「大らかできちんとしている」シム人になるのだそうだ。これは興味深い。
作ったシム人を登録して,街に一軒の家を買って住まわせるところは「ザ・シムズ2」と同一。だが,ここからが違う。玄関から一歩も出られなかった前作と違い,彼女は家の外でタクシーを拾い,街のとある一軒家に向かうのだ。
私の作ったシム人の「生涯の願望」(これも決められる)は「犯罪王」。そのためには犯罪キャリアをスタートさせなければならないのだが,前作のように電話をかけて就職するのではなく,街の一角にある犯罪キャリアの建物に出向いて雇用契約を結ぶのである。犯罪キャリアの建物というのもすごいが,ちゃんとあるのだ。
それを済ませたあとは,公園をほっつき歩いて,出会ったシム人と友達になってみた。このあたりは,前作と同じで「話す」だの「誉める」だのを選んでいくと,相性のいい相手だと仲良くなれる。この相性についても,さまざまな設定があるようだが,今回は時間がなくて確認できなかった。
ともあれ,移動手段は徒歩やタクシーのほか,製品版ではそれ以外の乗り物も登場するようだ。お金を貯めれば自家用車も買えるのだが,プレイヤー自身が運転するわけではなく,目的地をクリックすると,そこへ向かって自動移動するというシステムだ。
さて,私のキャラクターは犯罪王を目指してはいるが,根はアーティストで,アートの勉強をしたいという願望も持っている。過去にお伝えしたかと思うが,前作にあった「尿意」だの「眠い」だの「空腹」だのといった日常的な願望は「ムード」に一括して片づけられ,プレイヤーは細かいことに煩わされることなく彼らの幸福を追求してやれるのである。
というわけで,今度はまた街の一角にある「美術学校」へ出向き,そこでレッスンを受けることになった。こうして,彼女の願望はまたわずかに充足され,幸せな生活に向けて前進するのである。前作のシム人はさまざまなオブジェクトからいろんな影響を受けたが,今回は,街の建物そのものがオブジェクトとして機能するというわけだ。
短い時間のプレイではあるが,印象としてはまさにザ・シムズ2の“ケレン味のない正統な拡張”といった印象だ。ザ・シムズ2のプレイヤーなら,しばらくプレイするだけですぐにコツをつかめるだろう。ただ,街を自由にほっつき歩くのは予想外に楽しく,方向性としては間違っていないと思う。発売延期でややパワーダウンしていた筆者ではあるが,ふたたび彼らの物語を作り出す日が待ち遠しくなった。
G.I.Joe: The Rise of Cobra
映画版G.I.Joeは,かつての「第二次世界大戦の軍装に身を固めた兵隊さん」とは似ても似つかぬハイテク兵士で,ハイテクギアを身にまとい,各種のハイテク兵器を使いこなすというとんでもないハイテクだらけで,それはゲームも同様。
EAが発売を予定している同名のゲームは,10年以上にわたってハズブロー社とビジネスパートナーの関係にあるEAならではの企画といっていい三人称点視点のアクションゲームだ。
プレイヤーは,20種類ほど用意されたジョーの中から一つを選び,謎の組織Cobraを相手に戦っていくんだジョー。全体的にカジュアルな作りで,襲いかかってくる敵をバッタバッタと倒して進んでいくタイプだ。二人プレイも可能だが,いわゆるホットシートスタイルで,その場にいる二人が二つのコントローラを使って遊ぶもの。ただし,一人で遊んでいるときに二人目がいつでも入っていけるジャンプインタイプであるところが新しめ。いずれにせよ,オンラインマルチプレイはあまり重要視されていないようである。
それぞれのG.I.Joeには「スニークが得意」「火力が絶大」といった長所と,それに付随する欠点があり,どのタイプを組み合わせるかによって戦い方に幅が出てくる。
マップは,ジャングルや砂漠,雪山などロケーション豊富で,ミッション数は20。それぞれが五つのパートに分かれており,前述の「ジョー選択のバリエーション」を含め,リプレイバリューはそれなりに高そうだ。
敵はCobraの兵士だけでなく,攻撃ヘリコプターや戦闘ロボットなど種類が多く,物語は映画にほぼ沿ったものになるとのこと。途中,人工衛星によって地上の敵を攻撃したりなど,以前のG.Iジョーしか知らない人はその変貌ぶりに驚くはずだ。私は驚いて,説明してくれたEA Casual Gamesのプロダクトマネージャー,Jason Enos氏に思わず「これがホントにG.I.Joeか?」と質問してしまったほどである。
発売は2009年夏の予定で,対応機種は「PCを除くほぼ全機種」であるとのこと。ちなみにDS版はトップダウンのシンプルかつ昔懐かしいアクションゲームになっており,Enos氏によれば,「我々には古い感じがするだろうが,こういうスタイルを初めて見る子供達には新鮮に映るはず」とのことであった。
日本語版の発売については現在のところ,未定となっている。
Boom Box Bash Party
Boom Boxは,誰でもたぶん知っている映画監督,スティーブン・スピルバーグ氏とEAのコラボレーションによるWii向けアクションゲームで,Wiiのヌンチャクを使った操作によって,ブロックを壊したり組み立てたりしながら進めていくのだ。
続編では,マップの数が400種類に増え(前作は300種類),「海底」や「宇宙」といった場所が新たに登場する。物理エンジンによって本物っぽく壊れていくブロックの山が面白いゲームであるだけに,浮力や無重力といった環境ではまた違った戦略が必要になるはずだ。まあ,戦略というほどのものではないだろうが。
ダウンロードコンテンツも充実しており,EAのサーバーにユーザーIDもパスワードも必要なく簡単にアクセスし,200種類以上ある追加マップから好きなものをダウンロードできるのだ。マップエディタも入っており,それで作ったオリジナルマップをアップロードして,世界中のプレイヤーとシェアできる。
そんなBoom Box Bash Partyは,2009年5月13日発売予定。ただし,日本語版については未定だとのこと。
- 関連タイトル:
ザ・シムズ3
- 関連タイトル:
The Sims 3
- 関連タイトル:
G.I.Joe: The Rise of Cobra
- 関連タイトル:
Boom Box Bash Party
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