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ゲーマー向けスマートフォン「ROG Phone II」レビュー。順当な進化を遂げた第2世代を早速試してみた
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印刷2019/11/20 13:00

レビュー

ゲーマー向けスマートフォン「ROG Phone II」レビュー。順当な進化を遂げた第2世代モデルに

ASUS ROG Phone II

Text by 千葉大輔

 2019年11月20日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,ゲーマー向けスマートフォン新モデル「ROG Phone II」を,11月22日に国内発売すると発表した。製品ラインナップは,本体カラーが「ブラックグレイ」で内蔵ストレージ容量が512GBのモデルと,本体カラーが「マットブラック」で内蔵ストレージ容量が1TBのモデルという2種類で,価格は順に10万5500円(税込11万6050円)前後,12万5500円(税込13万8050円)前後だ。

 ROG Phone IIについては,2019年7月に台湾・台北で開かれたメディア向けイベントで概要が明らかとなり(関連記事1関連記事2),2019年9月には世界市場向けの発表が行われ,国や地域によってはすでに販売も始まっている。そのため,日本での販売開始がいつになるか気になっていたという読者もいるだろう。今回,国内発売に先駆けてROG Phone II本体を検証する機会を得たので,前モデルである「ROG Phone」と比べて,何が変わったのかを中心にチェックしたい。

ROG Phone II
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 なお,今回評価できたのはROG Phone II本体だけで,別売りの合体型ゲームパッド「ROG Kunai Core Gamepad」や,2画面ゲーム機化する合体ドック「TwinView Dock II」などは触れていない。これら周辺機器を組み合わせての評価については,改めてレポートできればと思う。


縦方向に大きくなったボディ


 ROG Phone IIは,ディスプレイに6.59インチサイズで,解像度が1080×2340ドットの有機ELパネルを採用したスマートフォンだ。6インチサイズのディスプレイを搭載する前モデルと比べると,横幅はそれほど変わらず縦長になったわけだが,それでもサイズはずいぶんと大きくなった印象を受ける。

 ASUSは,ROG Phone IIを「横持ちで使用しやすいように設計した」と説明しており,たしかに横方向に持って両手で操作するのなら問題なさそうだ。ただ,縦持ちではディスプレイの端まで指が届きにくい。画面端にボタンを配置するゲームも多いので,片手がふさがった状態だと操作しにくい場面もあるだろう。
 公称本体重量は,前モデルの約200gから約240gへ増加した。実際に手にするとズシッとした重みを感じる。

ROG Phone II(左)とROG Phone(右)の比較。縦方向に一回り大きくなった。横幅がほぼ同じなので,持ちやすさは変わらないが,縦持ちの片手操作だと,画面上部には指が届きにくい。ノッチレスでベゼルにインカメラを設ける点は変わらない
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 外観のデザインは,ROG Phoneからそれほど大きく変わらない。ただ,スピーカー部分にあるオレンジ色のラインと背面の通気孔が小さくなったことで,若干だが外連味が薄まったように思う。

ROG Phone II(左)とROG Phone(右)の背面。デザイン的なアクセントにもなっている通気孔が小さくなったことで,少し印象が変わっている
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アウトカメラは2眼式で,約4800万画素のソニー製撮像センサーと組み合わせた標準レンズと,約1300万画素の撮像センサーと組み合わせた視野角125度の広角レンズを搭載する
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専用のカバーと外付けのファン「AeroActive Cooler II」が標準で付属する
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 側面に目を向けると,左側面にUSB Type-Cコネクタが2つ並んだ形状の端子を備えている。これはASUSが「サイドマウントポート」と呼ぶもので,付属の外付けクーラー「AeroActive Cooler II」や別売りの専用周辺機器を接続するための拡張コネクターとして,初代ROG Phoneで実装されたものだ。黒色の部分はUSB 3.1 Gen1 Type-Cポートとして利用でき,DisplayPort 1.4対応の映像出力も可能だ。また,Quick Charge 3.0および4.0といった急速充電や,USB Power Delivery 3.0といった規格に対応するのもこのコネクターとなる。

中央にあるのがサイドマウントポートだ。写真では見にくいが,右端にはデュアルSIM対応のSIMカードスロットがある
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AeroActive Cooler IIもサイドマウントポート経由でROG Phone IIと接続する。ケースとAeroActive Cooler IIは同時に装着可能だ
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 一方の右側面には,「電源/スリープ」ボタンと音量調整ボタンに加えて,左右端にタッチセンサー「AirTriggers II」を備えている。これも初代ROG Phoneが採用していたものの改良版で,ゲームパッドのショルダーボタンのような感覚でゲームを操作できる。

右側面に「電源/スリープ」ボタンと音量調整ボタンを搭載する。両端に見える溝のある部分がAirTriggers IIだ
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上側面(左)はなにもない。下側面(右)には,USB 2.0 Type-Cポートと,4極3.5mmヘッドセット端子を備える。FPSやリズムゲームをプレイする人にとって,アナログ接続のイヤホンやヘッドセットが使えるのは魅力だろう
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最大リフレッシュレート120Hz表示に対応したディスプレイ


 ROG Phone IIにおける見どころの1つがディスプレイだ。パネルサイズの大型化に加えて,最大リフレッシュレートが前モデルの90Hzから120Hzへと向上したのである。現状のスマートフォン向けゲームでは,60fps以上のフレームレートを実現可能なタイトルが少ないので,90Hzでも持て余し気味ではあるが,今後60fpsを超える可変フレームレートに対応したゲームが増えてきたときに,より滑らかで低遅延な映像でゲームをプレイできるのは利点と言えよう。要は,ゲーマー向け液晶ディスプレイが120Hzから144Hz表示対応へと進化したメリットと同じだと理解していい。

リフレッシュレートは120Hzまで設定可能だ
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 ASUSでは,ゲームだけでなく,たとえばWebブラウザの画面をスクロールしながらでも文字が見やすいといった,日常使いにおける体験でも効果があるとしているが,今回使っている中では,そこまで大きな違いは感じられなかった。
 余談だが,ディスプレイ表面のカバーガラスは,少し指が引っかかるような感触があったので,フリックやスライドを多様する場合は,滑りやすい保護フィルムを選ぶといいだろう。

ぺしぺしIkinaでのテスト結果
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 パネル周りのサンプリングレートが240Hzとなったのも強化点として挙げられる。そこで,実際に連打に対する応答性が変わったのかを調べるために,ザウルスが販売する連射装置「SMATCH」を使い,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」を使って計測してみた。
 SMATCHの連打設定を,1秒間に20回として試したところ,途中で飽和することもなく,リニアにスコアを伸ばして,10秒間で200回という結果となった。速い連打が求められるゲームでも問題なく対処できるだろう。

 また,ROG Phone IIでは,指紋認証センサーをディスプレイ直下に組み込んでいるところも改良点である。初代ROG Phoneでは,背面に指紋認証センサーを設置していたのだが,クーラーなどの周辺機器を取り付けた場合,とくに縦持ち状態ではセンサーに触れにくかった。ディスプレイ部分で指紋認証を行うことで,周辺機器を取り付けていても問題なく読み取れるようになったわけだ。
 机などに置いた状態から端末を持ち上げなくてもロックを解除できるので,ディスプレイ内蔵指紋認証センサーの採用は,細かいが使い勝手に直結する変更と言えよう。

指紋認証センサーがディスプレイの下部に移動した。基本的にはすぐに指紋を読み取るが,ワンテンポ遅れて認識することがたびたびあり,少し気になる部分だ
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国内初のSnapdragon 855 Plus搭載機


 ROG Phone IIでは,内部のスペックも大きく強化されている。とりわけ,Qualcommの最新SoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 855 Plus」の搭載が見どころだ。Snapdragon 855 Plusは,「Snapdragon 855」のクロックアップモデルという位置付けで,1コアのみではあるが,CPU最大クロックが2.84GHzから2.96GHzに,GPUコアの最大クロックも585MHzから675MHzに引き上げられている。ASUSによると,CPU性能で約4%,GPU性能では約15%の性能向上が見込めるという。
 Snapdragon 855 Plusを搭載するスマートフォンは,世界市場においてはいくつか登場しているが,日本国内で販売する製品としてはROG Phone IIが初となる。
 メモリ容量は12GBで,内蔵ストレージ容量は512GB,または1TBと,こちらもSoCに見劣りしないハイエンド構成となっている。スペックを表1にまとめておこう。

表1 ROG Phone IIの主なスペック
メーカー ASUSTeK Computer
OS Android 9.0(Pie)
ディスプレイパネル 6.59インチ有機EL,解像度1080×2340ドット,アスペクト比 9:19.5,最大リフレッシュレート120Hz,最大輝度 600cd/m2HDR対応
プロセッサ Qualcomm製「Snapdragon 855 Plus」
・CPUコア:Kryo 485(最大2.96GHz)×1+Kryo 485(最大2.4GHz)×3+Kryo 485(最大1.7GHz)×4
・GPUコア:Adreno 640(最大675MHzGHz)
・モデム:Snapdragon X24 LTE
メインメモリ容量 12GB
ストレージ 512GB,1TB(UFS 3.0対応)
アウトカメラ 2眼式,メイン:約4800万画素,サブ:約1300万画素
インカメラ 約2400万画素
対応LTEバンド FDD-LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/29/32/66
TD-LTE:Band 34/38/39/40/41/46
対応3Gバンド WCDMA:Band 1/2/3/4/5/6/8/19
無線LAN対応 IEEE 802.11ad
Bluetooth対応 5.0+LE
待受時間 未公開
連続通話時間 未公開
バッテリー容量 6000mAh
USBポート USB 3.0 Type-C×1,USB 2.0 Type-C×1
公称本体サイズ 77.6(W)×170.99(D)×9.48(H)mm
公称本体重量 約240g
本体カラー ブラックグレイ,マットブラック


Snapdragon 855 Plusの性能はどれほどか


 文句なしのハイスペックを備えるROG Phone IIだが,その実力はいかほどだろう。ベンチマークアプリで性能を検証してみよう。今回は,比較対象として初代ROG Phoneと,Snapdragon 855を搭載した一般向けハイエンドスマートフォンである「ZenFone 6」を用意した。ROG Phone IIとROG Phoneでは,バックグラウンドアプリの使っていたメモリを解放してゲームに割り当てるゲーム向けの最適化モード「X mode」を有効にした状態でもテストを行っている。

 まず総合テストである「AnTuTu Benchmark v8.0.4-OB」の結果から,総合スコア(Overall)とCPU,GPU,MEM,UXの4項目をまとめたものがグラフ1となる。総合スコアにおいて,ROG Phone IIはROG Phone比で約1.4倍,ZenFone 6比で約1.1倍の性能向上を確認できた。個別に見ていくと,CPUではROG Phone比で約1.5倍,ZenFone 6比で約1.1倍,GPUでは順に約1.4倍および1.1倍というスコアを記録しており,Snapdragon 855 Plusの優れた性能がうかがえる。ただ,X Modeの有効/無効によるスコアの差はほとんどなかった。

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 続いて,定番の3Dグラフィックスベンチマークアプリである「3DMark」から,Sling Shot Extremeテストの結果を見てみよう。グラフ2はOpenGL ES 3.1ベースのテスト結果を,グラフ3はVulkan APIベースのテスト結果をまとめたものだ。ここでもROG Phone IIの性能が際立っている。総合スコアにおいて,ROG Phone比で約1.3倍,ZenFone 6比で約1.1倍のスコアを叩き出しており,AnTuTu BenchmarkのGPUテストと同じ傾向が見えた。なお,3DMarkでもX Modeは,CPU性能を見るPhysics scoreでは有意なスコアの向上が確認できたものの,それ以外の総合スコアでは誤差レベルでX modeオフ状態に逆転されており,明確な効果は見られない。

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ゲーム向け設定アプリは「Armoury Crate」に刷新


 ハードウェア面に続いて,ソフトウェアでの改良点にも触れよう。ROG Phone IIでは,ゲーム向けの設定を「Armoury Crate」というユーティリティから行う。Armoury Crateには,「ゲームライブラリ」と「コンソール」という2つの項目があり,ゲームライブラリでは,ゲームタイトルごとにCPUの動作クロックや画面のリフレッシュレートを,個別に設定できる。

ゲームライブラリはランチャー機能に加えて,ゲームタイトルごとの設定変更が可能だ
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個別タイトルに対して設定可能なものとしては,まずタッチやスライドの感度調整がある
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横持ちしたときに手のひらが当たる領域のタップを無効化する設定も
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ディスプレイの設定では,アンチエイリアスのオン/オフと,リフレッシュレートの調整が行える。ただし,仮に120Hzで設定してもゲーム側で対応していない場合,リフレッシュレートはゲーム側の上限までとなる
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CPUクロックの上限値なども変更可能なほか,システムが許容する温度を変更して,発熱によるCPUの動作クロックの低下を防ぐ設定もある
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「通話優先モード」の設定では,ゲームをプレイ中に,マイクをゲームチャット側で使うか,電話アプリ側で使うかを決められる
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キャリアの通信網とWi-Fiとの切り替えを無効化したり,バックグラウンドで通信するアプリを設定することも可能だ

 一方のコンソールでは,ゲームライブラリのリストに表示するアプリの追加や,CPUおよびGPUの動作クロックや温度,メモリやストレージの利用状況といったシステム情報の確認機能に加えて,AirTriggers IIの感度調整や本体に内蔵するLEDの色や明るさ,発光パターンを設定可能だ。

コンソールからはシステム情報を確認できるほか,デバイス全体に適用する機能を設定する
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AirTriggers IIの感度調節。軽く押し込んむような感じで「3〜4」といった感度だ。最大となる「11」に設定するとかなり強く押す必要がある。ちなみに,ROG Phone IIでは,指を離さなくてもAirTriggers IIの連続入力が可能な「フィンガーレスト」という機能もある
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背面のロゴ部分に組み込まれたLEDの設定
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 設定関連の機能でもう1つ触れておきたいのが,ゲームの動作中に画面左端から中央へスワイプすることで呼び出せる「Game Genie」だ。これは,初代ROG PhoneやZenFone 6でも使える設定パネル的なもので,ROG Phone IIの場合,以下のようなゲーム向け機能をまとめて設定可能だ。

  • 通知を制限
  • 着信の拒否
  • ディスプレイの輝度調整
  • リアルタイム情報(CPUやGPUの使用率,システム温度,バッテリー残量を画面に表示)
  • 最適化(メインメモリの解放)
  • AirTriggers IIの設定
  • マクロの設定
  • タッチロックモード(一時的にタッチ操作を無効とする)
  • YouTube LiveもしくはTwitchへのライブ配信
  • プレイ中のゲームに関する動画やWebサイトを検索

左側に表示しているのがGame Genieのパネルだ
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 この中で注目すべきは「AirTriggers IIの設定」だ。Armoury CrateとGame Genieのそれぞれに,AirTriggers IIの設定項目があって分かりにくいのだが,Armoury Crateでは,前述のとおり,AirTriggers IIの感度調整を行う。一方のGame Genieでは,AirTriggers IIに対するタップ位置の割り当てや,AirTriggers IIのオン/オフ,AirTriggers IIを押したときに画面のどこをタップするのかといった設定が可能なのだ。

AirTriggers IIの操作の割り当てはGame Genieから行う
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 また,ROG Phone IIの新機能として,AirTriggers IIを押し込む操作に加えて,画面上で指を横,または縦にスライドする操作を割り当てることが可能となっている。ただし,ただ,スライド操作はまだβ版ということもあってか,AirTriggers IIに触れる位置の調整が難しく,慣れが必要だと感じた。

ROG Phone IIでの新機能としてスライド操作の割り当ても可能となった。スライドの中心となる位置とスライドする範囲が設定できる。画像はAirTriggers IIの左側に上下,右側に左右のスライド操作を割り当てたところ
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ROG Phone IIでプレイフィールを検証


 実際のゲームにおける動作の検証として,今回は「PUBG MOBILE」をプレイしてみた。
 ROG Phone IIは,画質設定の「クオリティ」で「HDR」にしたときでも,「フレーム設定」で「極限」を選択できる。前モデルのROG Phoneでは,クオリティで一番低い設定の「スムース」にすると極限が選択可能になるが,HDRに設定するとフレーム設定では極限が表示されずに「ウルトラ」までしか選べない。
 極限は最大60fps,ウルトラは最大40fpsの表示が可能なので,ROG Phone IIのほうが高いフレームレートでプレイできるということになる。

ROG Phoneでのグラフィック設定画面。クオリティでHDRを選択すると,フレーム設定ではウルトラまでの表示となる
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ROG Phone IIではHDRを設定しても極限が選択できる
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 これに加えて,アンチエイリアスとシャドウを有効とし,さらに端末上でプレイ動画を録画する高負荷な状態でも,GameGenieのシステム情報では,ほぼ60fpsを維持できていた。GPUの負荷率は60〜80%程度で余裕があり,AeroActive Cooler IIを使わない状態にもかかわらず,システム温度は35℃程度に収まっていた。

負荷のかかる設定でもほとんど60fpsを維持できた
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 また,ROG Phone IIはが内蔵する6000mAhのバッテリー容量も,効果を体感できた。HDRおよび極限という設定は,バッテリーの消費が激しいことで知られているが,1ゲーム(30分前後)でだいたい7〜8%ほどのバッテリー消費で済んでいたので,満充電状態からならバッテリー駆動時でも数時間はゲームをプレイ可能だと思われる。


順当な進化を果たした第2世代製品


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 それではまとめに入ろう。
 ROG Phone IIは,初代のROG Phoneから,SoCやディスプレイといったハードウェアを中心に大きな強化を果たした。2019年に入って,Blackshark Technologiesの「Black Shark 2」が発売となるなど,日本でもゲーマー向けスマートフォンの選択肢が広がった。しかし,それらをしのぐROG Phone IIの高いスペックは,ゲーマーにとって大きな魅力となるだろう。
 初代ROG Phoneでは,豊富な周辺機器を用意する点も特徴の1つだった。今回は機材が調達できなかったので触れていないが,ROG Phone IIでもそれは変わらない。高速無線LAN規格WiGig(IEEE 802.11ad)に対応したWireless HDMIアダプタ「ASUS WiGig Display Dock」や,据え置き型ドック「Mobile Desktop Dock」など,ROG Phoneと同時に登場した製品の一部はROG Phone IIでも利用可能だ。
 一方で,本体に取り付けられるゲームパッド「ROG Kunai GamePad」や,2画面ゲーム機化する専用ドック「TwinView Dock II」といったROG Phone II専用の新製品もある。これらを利用した拡張性の高さもROG Phoneシリーズならではの見どころと言えようか。

ROG Phone IIで利用可能な周辺機器。「NEW」と付いているものがROG Phone II向けに改良を施した新製品となる
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 本体サイズや重量など,普段使いをする端末としては気になる面もあるのだが,スマートフォン向けゲームを快適にプレイしたいのであれば,検討する価値のある製品と言えるだろう。

ASUSのROG Phone II製品情報ページ

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