インタビュー
なぜいまASUSは「R.O.G.デスクトップPC」を日本市場へ投入したのか。国内の担当者に聞く「R.O.G.ブランドの現在」
レビュー記事でもお伝えしているとおり,「R.O.G.といえば,赤と黒を基調としたマザーボード」と考える人が,おそらく4Gamer読者ではほとんどだろう。たしかに「ASUSのゲーマー向けPC」自体は数年前から投入されているのだが,そのラインナップは基本的に3D立体視機能を前面に押し出したノートPCのみで,あまり“ゲーマー向け感”は強くなかった。
そんなASUSが,このタイミングで純然たるゲーマー向けデスクトップPCを,しかもBTO非対応で市場投入してきた意図は何なのか。
今回4Gamerでは,アスース・ジャパンで日本におけるASUS製品全般のプロモーションを担当するCynthia Teng(シンシア・テン)氏に,CG8580投入の狙いと,ASUSにおけるR.O.G. PCの位置づけを聞くことができたので,その内容をお届けしたい。
2012年におけるR.O.G.ブランドの立ち位置と
「なぜいまデスクトップPCか」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回は国内初登場となった「R.O.G.」デスクトップPC「CG8580」の話をうかがいたいと思いますが,その前に,現時点のASUS内におけるR.O.G.ブランドの位置づけを確認させてください。
Cynthia Teng氏:
その後,R.O.G.のコンセプトとして,「Leading Performance」(先進的な性能)と「Gamer U.I.」(ゲーマーのためのユーザーインタフェース),「Gamer Style」(ゲーマーのためのデザイン)という3つの軸を立てて,それに準拠した製品を投入するようになりました。現在,R.O.G.ブランドで登場する製品は,これら3つのこだわりが入っているというイメージです。
4Gamer:
ノートPCやデスクトップPCが国内市場に登場した今でも,「R.O.G.イコール黒地に赤のマザーボード」という理解をしている人は少なくないと思います。2006年にまずマザーボードからスタートしたというのは,当時のASUSがそちらに軸足を置いていたからという理解でいいですか。
Cynthia Teng氏:
そうです。それに当時,PCでゲームをプレイする方は,PCを自作することが多かったので,最初の製品にはマザーボードを選びました。
4Gamer:
世界市場では日本よりも早いタイミングでR.O.G.ブランドのPCというのは存在していましたが,日本でもASUSさんのビジネスがPC本体へと移っていくなかで,自然とR.O.G.のPCも登場してきた,ということでしょうか。
Cynthia Teng氏:
それと並行して,弊社は,初のゲーマー向けノートPCである「G1S」を出したりもしていたのですが,そんななか,ちょうどタイミングよく,3D立体視対応のノートPCを世界市場でもいち早く投入できることになりました。
4Gamer:
「G51Jx 3D」ですね。
Cynthia Teng氏:
4Gamer:
なるほど。3D立体視がポイントだったと。ただ,厳しいことを言えば,R.O.G.ノートPCが国内に登場してしばらく経ちましたが,R.O.G.ノートPCが市場で確固たる足場を築けているとは思えません。
Cynthia Teng氏:
はい。R.O.G.ブランドはおかげさまで,自作PC市場では,ハイエンドな,究極的なといったイメージをいただいていますが,PC本体の市場だとブランドの浸透率はまだまだです。
その理由は明快で,そもそもの話として,一般PC市場でASUSの知名度が依然として低いんですね。
4Gamer:
一時のEee PCブーム,いまだとZENBOOKがありますけど,まだASUSさんの認識では知名度が足りていませんか。
Cynthia Teng氏:
はい。なのでASUSノートPCは,当時の印象のまま,なんとなく「ハイエンドですね」という風に認識されていたりします。
4Gamer:
現状でもそうなんですか。それは驚きました。
Cynthia Teng氏:
たとえば最近のR.O.G.ノートPCだと,「G75VW」という製品がありますけれども,認識のされ方は,R.O.G.のノートPCというより,「ステルス戦闘機みたいな外観の,ユニークな3D立体視対応ノートPC」という感じですね。
※ バングアンドオフルセン。デンマークのオーディオ機器ベンダーで,「B&O」の愛称でも知られる。デザイン性の高い製品づくりに定評あり。
4Gamer:
「ハイエンドでユニークなノートPCの1つ」という認識なんですね。
Cynthia Teng氏:
去年の同時期と比べて,国内ノートPC市場におけるASUSの市場シェアは2倍になりました。15インチクラスに重点を置いた戦略と,いち早くUltrabookを投入したこともうまくいって,おかげさまで,いま量販店の店頭では,場所をかなり取れてきています。
ですがそれでも,R.O.G.のブランド自体は,販売店さまやエンドユーザーさままで,十分に広がっていないというのが現実です。
4Gamer:
ASUSの日本法人として,アスース・ジャパンはR.O.G.ブランドのPCをどう位置づけているのですか。
Cynthia Teng氏:
ノートPCは3D立体視をずっと意識してきました。それとは別に,ASUSではPCゲーム初心者の取り込みも狙っています。
4Gamer:
そして今回,国内初のR.O.G.デスクトップPC「CG8580」が登場してきました。レビュー記事でも紹介させていただいたとおり,「Core i7-3770K/3.5GHz」に「GeForce GTX 680」を搭載するハイエンド構成で,実勢価格も20万円超(※2012年7月30日現在)。あまり初心者向けではない気がします(笑)。
Cynthia Teng氏:
まあそうなんですけども(笑)。
私達もCG8580の日本市場投入にあたっては「高価」という点も含めて議論してきましたが,「最初のR.O.G.デスクトップPC」のインパクトを最終的にはとりました。
「ASUSのデスクトップPCはユニークで,ちょっと高いけれど,最高のものがすべて入っている」ことを知っていただければと考えているわけです。正直な話,販売数量の目標達成は二の次ですね。
4Gamer:
なるほど。ただインパクトという点では,今年のCOMPUTEX TAIPEI 2012で発表された,ボタンを押すと筐体が大きく開く次世代モデルを待ってもよかったのではないですか。
Cynthia Teng氏:
ASUSの場合,「COMPUTEXで発表はしたけれども,未だに発売されていない」という製品があります。なので,COMPUTEXでご覧いただいた製品について,「年内に出るの?」とお問い合わせをいただいても,「もちろん!」とお答えできないことのほうが多いのです。
なので,ノートPCの市場シェアが上がっていて,法人営業も軌道に乗っているこのタイミングで,ちょっと冒険してみようかしらと,CG8580を投入することにしました。
……次のモデルを待ってみてはというご意見もよく分かります。より成熟した製品を出したほうが市場に与えるインパクトは大きくなりますから。でもそうすると,せっかくアスース・ジャパン側の機が熟しているのに,いつ出るか分からない製品を待つということになりかねません(笑)。
4Gamer:
たいへんよく分かる話ですが,一方,結果としてCG8580が店頭で“浮いて”しまっている感は否定できません。
実際,私の生活圏(※神奈川東部および東京東部)で量販店の店頭をチェックした限り,ZENBOOKや15インチノートPCはPC売り場のけっこういい場所にある一方,R.O.G.デスクトップPCは少し離れたところに置かれていました。「ノートPCに加えてデスクトップPCも!」といったメッセージが伝えられているかというと疑問が残ります。
Cynthia Teng氏:
そうですよね。おっしゃるとおりだと思います。
そういう事態が生じている理由は2つありまして,1つには,弊社の目指しているブランディングやポジショニングを,量販店の本部や店員さん一人ひとりと共有できていないというのがあります。先ほどお話したとおり,まだブランドとしてのASUSとR.O.G.の棲み分けは済んでいない状態です。それは私達が努力して案内していかねばならないでしょう。
もう1つは,私達の側に,メンテナンスする人員がまだ足りていないという現状です。ノートPCの市場シェア増加に伴ってスタッフは増やしてきましたが,デスクトップPC部門はまだまだこれからです。ASUSのメッセージを共有していくためにも,今後の重要な課題として検討しています。
4Gamer:
ここまでの話を聞いていると,CG8580の投入はテストケース的というか,売るためというより,店頭にASUSのデスクトップPCもあるというのをアピールするためという印象を受けますね。
Cynthia Teng氏:
そうですね。もちろん売ることも重要ですが,「ASUSがデスクトップPCを出した」というメッセージを伝える役割がより強いとは思います。
なぜCG8580はR.O.G.マザーを採用しなかったのか
ASUSに誕生した「R.O.G.チーム」とは
4Gamer:
CG8580についてはレビューも掲載させていただいてますけれども,製品のコンセプトなどを聞かせてください。
最大のポイントは,外観と,「Core i7-3770K/3.5GHz」に「GeForce GTX 680」を搭載し,しかもかなりの品質のゲーマー向けキーボードとマウスが付属するところだと思うのですが。
Cynthia Teng氏:
そうですね。
4Gamer:
Cynthia Teng氏:
先ほどお話したとおり,コンポーネントとはターゲットが異なりますので,それが大きな理由です。CPUとGPUのスペックが固定で,また,差し替えを想定していない前提に立って,カスタマイズ的な要素を(万人により分かりやすい形で)ボタンを使った自動オーバークロックにまとめた次第です。
あとは「Instant On」です。SSDと組み合わせて,確実にハイブリッドスリープへ入り,また復帰するよう設計しています。
初心者の方向けに,キーボードやマウスも含めて,オールインワン……という言い方は正しくないかもしれませんが,1つのパッケージになっているのもウリです。
4Gamer:
たとえば上位モデルだけにせよ,負荷が高くなると自動で天板部のフィンが開いて吸気できるとか,筐体を開けるとメンテナンスしやすいようLEDが光るとか。ALIENWAREデスクトップPCのこうしたギミックにはかなりくすぐられるものがあったのですが,残念ながらCG8580には「R.O.G.のデスクトップPC,すごいな」とときめかせてくれるものがなかった。このあたりは初心者向けということで,意図的に廃しているということなのでしょうか。
Cynthia Teng氏:
意図的というより,ASUSは自作PC業界の経験値は豊富ですけれども,PC業界ではそうでもないことの影響のほうが大きいと思います。
4Gamer:
どういう意味ですか?
Cynthia Teng氏:
ただ,現実問題として,今回デスクトップPCを発売したことによって,メディアはもちろん,エンドユーザーさまからも,厳しい意見はたくさんいただいています。
4Gamer:
具体的にはどのようなものですか。
Cynthia Teng氏:
「ゲーマー向けって言っているのに,中は全然ゲーマー向けじゃない」というご意見などですね。
ただASUSとしては,こういうコンセプト,こういう「ゲーマー向け“オールインワン”入門機」をまず出して,そのうえで遊び心なり,3つのコンセプトに基づいた何かを加えていこうと考えているんです。
日本も含めて,R.O.G.のPCは,まだそれほど多くの数が出ているわけではありません。なので,どういう風にやっていくか,まだまだ模索中です。「なんでR.O.G.マザーボードじゃないんだ」といったご意見はすべて反省点として,次の製品に活かしたいと考えています。
4Gamer:
Cynthia Teng氏:
はい。ああいった方向性を打ち出していかないと,小売り市場ではやっていけないと思います。
4Gamer:
しかし素朴な疑問ですが,R.O.G.デスクトップPCでR.O.G.マザーボードが採用されていなければ,当然突っ込まれると予測できたのではないかと思います。なぜCG8580はあのような仕様になったのでしょうか。
Cynthia Teng氏:
そうですね……。
ASUSには製品を開発するビジネスユニットがたくさんあります。オールインワンPCやデスクトップPC,マザーボードやグラフィックスカードなどのコンポーネント,ノートPCやタブレットなどといった具合に,それぞれを各ビジネスユニットが手がけているのです。
そして,これらのユニットは完全に独立して開発を行っているので,他のビジネスユニットがいま何をしているのか,何に注力しているのかといった部分を,完璧に把握しているとは言えません。
ですので,「R.O.G.デスクトップPC」と謳っている一方で,中身がR.O.G.マザーボードではないといったことが起きてしまうのです。
4Gamer:
なんと,そういう事情でしたか。
Cynthia Teng氏:
その結果として,先ほどの「R.O.G.のハイエンドノートPCイコール3D立体視」などといった話がずっと継続されてしまったりするんですね。
弊社もこの問題をやっと認識しまして,最近,“R.O.G.チーム”といった感じのものを社内で立ち上げました。
4Gamer:
それは,コンポーネント,デスクトップPC,ノートPCを横断するような形で,ですか。
Cynthia Teng氏:
はい。ゲームや自作PCに詳しい人達が各ビジネスユニットから集まって,「これからどうやってR.O.G.ブランドを一本立ちさせるか」を考えていきます。
4Gamer:
それはつまり,ビジネスユニット群の脇にポンと生まれたイメージなのでしょうか。各ビジネスユニットから,ゲームとか,オーバークロックとかが好きな人達が集まってきてブランドの方向性を話し合い,また自分のビジネスユニットに持ち帰ると。
Cynthia Teng氏:
そうです。やっぱり,ノートPCにおけるハイエンドの解釈がいつまでも3D立体視なのはどうかと(笑)。結果としてGPU性能は相応に高くなっているわけですけど,それ自体がR.O.G.の目指しているところではないので,再編成という感じですかね。そういう動きをしています。
4Gamer:
今年のCOMPUTEXでR.O.G.の製品発表会に参加したり,ブースで製品を見たりして,統一感が出てきたのを感じたのですが,きっとそれが理由だったんですね。
Cynthia Teng氏:
はい。ブランドコンセプトの統一が,多少なりともうまく行き始めたのではないかと,私は感じました。
まだ社内では小さなチームですけれど,「R.O.G.の方向性」で製品を統合していければ,ブランドにはすごくよい影響があると思います。
4Gamer:
そうですね。
Cynthia Teng氏:
先ほどお話したビジネスユニットという組織構成は2009年に誕生しました。その結果,新しい製品をより早く,より完成度の高く生み出せるようになったと自負はしていますが,その半面,各ビジネスユニットがおのおの戦略を立てて実行するようになったことで,「ASUSとしての総合的なメッセージ」が伝わりにくくなっていたかもしれません。
R.O.G.ブランドは「究極的なこだわり」の象徴ですので,そのメッセージを強く伝えていくためにも,このR.O.G.チームには期待を寄せています。
4Gamer:
ところで,そのチームが誕生したのはいつ頃の話なのですか。
Cynthia Teng氏:
去年ですね。去年発足したので,「R.O.G. History」とか,それっぽいものもできました(笑)。
R.O.G.のPCがBTOではない理由と
R.O.G.のPCが日本市場で展開されている理由
4Gamer:
ここからはR.O.G.ブランドの現状と今後について聞かせてください。
まず,CG8580のニュース記事を掲載したとき,読者から「これBTOじゃないんだ」という反応がけっこうあったのですが,そもそも論として,いまASUSさんはBTOをされてないですよね。
Cynthia Teng氏:
していません。
4Gamer:
一方で,いわゆるゲームPC,先ほど名前を出したALIENWAREもそうですが,システムビルダー系のゲームPCはほぼ例外なくBTOを受け付けています。今後,ASUSが直販でBTOを受け付ける可能性はあるのでしょうか。
Cynthia Teng氏:
今のところは,BTOをやる予定はありません。
「ちゃんとしたPCメーカー」として,(BTOを受け付ける)直販サイトをいつか立ち上げる必要があるとは思います。ただ,たとえばノートPCにしても,いまは,ある程度安定した販売数量を確保できているのですけれども,なら来年の同じ時期に同じ規模を維持できているのかというと,何ともいえないところです。
やる気は十分にあります。それでも,いまのビジネス規模でBTOの直販サイトを開いたとして,日本のお客さまが(直販サイトの投資分だけ)買ってくれるのかどうかは判断しづらいんですね。とくに日本のお客さまは新しいものが好きで,常に情報も収集していますから(少しでもタイミングを逸すると,売り上げが大きく下がる可能性を否定できない)。
4Gamer:
確かに……。
Cynthia Teng氏:
4Gamer:
主に保守部品などを販売しているところですよね。本体も並んでいますが。
Cynthia Teng氏:
そうです。基本的にはアクセサリの直販を行っていますが,たとえば量販店との差別化で,数量限定の先行販売を行ったりですとか,国内未発売のものを売ったりですとか,そういった可能性は十分に考えられます。
4Gamer:
なぜそんなことを聞いたかというと,CG8580が量販店の店頭で“浮いて”いたので,ならBTOでいいんじゃないかとも思えたのです。
Cynthia Teng氏:
おっしゃることは分かりますが,ASUSは「トータルソリューション」を目指していますので。
R.O.G.のデスクトップPCにしても,(量販店の店頭販売という形で)スタートさせないと,どこまで行けるか分かりませんから。
4Gamer:
PCゲーマーの1人としては,せっかく選択肢が増えたのに,「R.O.G.のデスクトップPCとか扱い始めてみましたけど,うまくいかないから撤退して,コンポートネントだけに戻します」という事態が生じないか不安なんですね。なので,BTOなり直販なりのほうが安全なのではないかと……。
Cynthia Teng氏:
「コンポーネントだけに戻る」ということは絶対ないですね。
4Gamer:
絶対にありませんか。
Cynthia Teng氏:
はい。なぜなら理由があるからです。
そうですね……。たとえばノートPCだと,第1弾となった「G1S」から,「G51」「G53」「G75」と,弊社は途切れることなく製品を市場投入していますよね。Eee PCやZENBOOK,UXシリーズなどのように「市場で爆発的に売れている」という話は聞いたことがないと思いますが,なのになぜR.O.G.のノートPCをずっと続けていると思いますか。
4Gamer:
なぜ……なぜなんでしょう。疑問には思っていましたが,答えを推測したことはありませんでした。
Cynthia Teng氏:
答えは簡単で,安定して売れているんですよ。
当然ですけれども,製品を日本語OSにして,日本語後キーボード化して日本市場へ投入するためには,一定数量が必要です。そして,R.O.G.ノートPCはその一定数量が継続して出ているのです。
4Gamer:
失礼ですが,それはまったく想像していませんでした。
Cynthia Teng氏:
こんな事態が起こっているのは(ASUSのPC製品中でも)R.O.G.ノートPCだけですね。たとえばG1Sは,当初の販売目標の20倍売れました。日本が全世界で一番G1Sを売った国です。
具体的な数字はお話できませんが,一番売れたG51(=G51Jx 3D)を筆頭に,R.O.G.ノートPCでは「○台は売れる」という予測を立てやすいんです。
「R.O.G.のPCにはすでに一定数のファンがいる。需要がある。よって日本でブランドが継続する」ということになります。
4Gamer:
最初から数量を予測できるので,発注数や量販店に入れる数などを計算できる,と。それをノートPCだけでなく,デスクトップPCでもやっていくというわけですか。
Cynthia Teng氏:
はい。ただ,CG8580の価格設定は高いので,「買える値段」の選択肢も今後持ってこないといけないなとは考えています。
4Gamer:
それこそ,ZENBOOKにローエンドの単体GPUを載せて,本体を黒と赤で塗り分る……なんていうのは,やろうと思えばやれそうですが。
Cynthia Teng氏:
今のところはないですね。
4Gamer:
それは棲み分け的な話で,ですか。
Cynthia Teng氏:
いえ,もっと簡単です。今はASUSのブランドのほうがR.O.G.と比べて認知度が圧倒的に高いから,ASUSブランドで用意して,成功もしているものを,わざわざR.O.G.にする必要がありません(笑)。
4Gamer:
確かに(笑)。ASUSブランドとは違ったところをR.O.G.は狙っていくわけですからね。
Cynthia Teng氏:
はい,そうです。
4Gamer:
最後の質問もラインナップに関してです。今後「Windows 8」が登場しますが,Windows 8世代ではおそらく,タブレット型のPCが,成功するかどうかはともかくかなりの注目を集めると思います。ASUSブランドだと,そこに填まるのはTransformer系の製品ということになると思いますが,たとえばR.O.G.タブレットのような可能性はあるのでしょうか。
Cynthia Teng氏:
今のところはありません。
4Gamer:
そうですか。
Cynthia Teng氏:
ただ,4Gamerさんの質問が,きっかけを作ったかもしれませんね。
4Gamer:
というと?
Cynthia Teng氏:
4Gamer:
なるほど。では,「R.O.G.スマートフォン」なども出たりしないかな,などと無責任に期待しながら,来年以降を待ちたいと思います。今回はありがとうございました。
ASUS公式Webサイト
R.O.G.公式Webサイト(英語)
CG8580製品情報ページ
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Republic of Gamers
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