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  • 発表日:2008/03/03
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印刷2013/03/18 19:38

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インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及

 Intelの日本法人であるインテルは,2013年3月18日,報道関係者向け説明会「IAプレス・ミーティング」を都内で開催した。今回の主なテーマは,ジェスチャーやタッチ,音声などを用いたUltrabookの活用と,スマートフォン向けAtomの2本。そこから,とくに4Gamer読者の関心を引きそうなものを選んでお届けしよう。


UltrabookでのナチュラルUIを訴求するIntel


画像集#002のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
吉田和正氏(インテル 代表取締役社長)。手に持つのは,Intelが開発した,セパレート型(デタッチャブル)Ultrabookのリファレンス機
 IntelはUltrabookを訴求し始めた2011年頃から,CPUの性能や機能の進化についてのアピールだけでなく,ユーザー体験の向上を強くアピールするようになっている。とくに最近では,PC内蔵のカメラを用いた画像やジェスチャー認識,あるいはマイクを使った音声認識など,俗にいう「ナチュラルUI」をUltrabookで活用するデモを披露する機会が多い。
 インテル代表取締役社長の吉田和正氏は,Intelのさまざまな研究所がナチュラルUIの研究を進めていることについて触れ,その理由について「どれだけ画期的なユーザー体験を実現できるかは,どれだけの性能があるかに尽きる。ソフトウェアの世界では,ハードウェアへの高い要求がある」と述べていた。つまり,ナチュラルUIを駆使した新しいユーザー体験を実現するには,優れた処理性能を持つIntel CPUが必要,というわけだ。

画像集#007のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及 画像集#008のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
吉田氏の説明に使われたスライドから。Intelが開発する技術の進化を振り返ったうえで,今後はその進化を革新的なユーザー体験の実現に活用していくという

画像集#004のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
デモで使われた深度センサ付きWebカメラ。「Creative」のロゴが付いているので,Creative Technology製と思われる
 説明会では,Ultrabookに深度センサ付きのWebカメラを取り付けて,人の顔や手指の動きを認識してソフトウェアの操作を行うデモが多数披露された。
 両手の位置と指の向きを認識して,指の間に電撃を走らせるデモ――「シスの暗黒卿」が放つフォース・ライトニングみたいなアレだ――や,指の動きを認識して,投石機から砲丸を放って砦を壊すデモなどは,いかにもゲームに応用できそうな活用法だろう。Xbox 360の「Kinect」ほど大きなセンサーが必要ない,と言うのも利点だ。

画像集#005のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
Webカメラによる顔認識のデモ。拡大写真を見ると,目と口の位置を認識しているのが分かる
画像集#006のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
同じWebカメラによるジェスチャ認識のデモ。手と指の位置関係から,ピースサインであると認識している。指より離れている身体は,薄暗く表示されていることから,深度が認識されているとも分かる
画像集#009のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
指の形にそって,画面では電撃が走っている。両手を使うと「フォース・ライトニング」のようになる
画像集#010のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
指ではじくような動きをすると,それを認識して投石機から砲丸を飛ばすデモ


今年こそIntel CPU入りスマホが来る?


 説明会の後半では,同社技術本部長の土岐英秋氏により,「スマートフォン市場に向けたIA製品」と題して,スマートフォン向けAtomプロセッサの最新事情についての説明が行われた。氏によれば,国内でインテルがスマートフォン向けAtomについてまとまった話をする機会は,今回が初めてとのことだ。
画像集#003のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
「CloverTrail+」ことAtom Z2580入りスマートフォンの試作機を掲げる,インテル 土岐英秋氏
 「Medfield」(メドフィールド)という開発コードネームで知られた「Atom Z2480」でスマートフォン向けプロセッサ市場へ参入したIntelだが,現在は低価格(≒新興国)市場向けの「Lexington」(レキシントン,開発コードネーム)こと「Atom Z2420」と,高性能スマートフォン市場向けの「Clover Trail+」(クローバートレイルプラス,同)ことAtom Z2500シリーズをラインナップしている。

画像集#011のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
スマートフォン向けAtomのロードマップ。性能重視と低価格市場向けで2つのラインナップが用意される。2013年は,前者にAtom Z2500シリーズ,後者にAtom Z2400シリーズが投入され,2014年には22nmプロセス技術を用いて製造される次世代モデルが控える

 Atom Z2420は,「Intel Hyper-Theading Technology」に対応するCPUコア1基に,Imagination Technology製GPUコアIP「PowerVR Series5」の「SGX540」を組み合わせたSoC(System-on-a-Chip)だ。SGX540により高い「ゲーム性能」(土岐氏)を実現し,また,CPUコアを用いたソフトウェア処理なのか,画像処理用のハードウェアによるものなのかは明らかにされなかったが,フルHD解像度で30fpsのビデオキャプチャが可能だったり,「バースト・キャプチャー」機能により,毎秒7枚の連写が可能だったりするという。Intelとしては,ゲームやビデオ,画像処理面での優位性をもって,Atom Z2420を新興国へ売り込んでいるようである。

画像集#012のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及 画像集#013のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
Atom Z2420の採用事例(左)と特徴(右)。日本でお目にかかる機会はなさそう?

 新興国市場向けに位置付けられるだけに,Atom Z2420の採用製品として名前が挙がったのは,Acerを除けば日本では耳にすることのない企業の製品ばかりだ。販売地域もインドやアフリカが中心で,Acerの製品「Liquid C1」だけが,「アジア・太平洋地域初のAtom Z2420搭載」と謳われる程度。日本で搭載製品を目にする機会は少なそうに思える。
 とはいえ,ASUSTeKが2月に発表した,Atom Z2420を搭載する7インチタブレット「ASUS Fonepad」は欧州でも販売されるようなので,こちらは日本でも入手する機会はあるかもしれない。

画像集#016のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
Atom Z2580でも,撮影機能の強化が重点項目に挙げられている
 続いてはAtom Z2500シリーズだが,こちらでは2013年2月25日に発表された「Atom Z2580」が,すでにLenovoの中国市場向けスマートフォン「IdeaPhone K900」という採用例がある。
 そんなAtom Z2580でも,機能面でアピールされたのは撮影関連の機能であった。いわく,HDR撮影時の手ブレ補正やゴースト除去機能,あるいは,複数の人物が写った複数枚の集合写真から,顔認識技術を用いて「誰もまばたきせず笑顔」の写真を合成する機能が実現できるとのことだ。

画像集#014のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
Atom Z2580の特徴。高性能なAndroidスマートフォンをターゲットにしている。Lenovoはすでに中国向けの搭載製品を発表済み
画像集#015のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
2012年モデルの「Medfield」搭載スマートフォンと,Clover Trail+搭載スマートフォンのリファレンスデザインでの違い。CPU本体からメモリやGPUまで,ほとんどの要素が強化されている

 NVIDIAも「Tegra 4」の発表時に,写真撮影機能について大きくアピールしていた。今後のスマートフォン向けSoCでは,この分野が大きく注目を集めるということだろうか。なお,Atom Z2500シリーズでも,これらの機能がソフトウェアベースなのか,専用ハードウェアによるものなのかは,今のところ明らかになっていない。


日本国内でのAtom搭載スマホ投入はあるのか?


画像集#017のサムネイル/インテル,ついに国内でAtomスマートフォンの最新事情を説明。Ultrabookでの「ナチュラルUI」活用についても言及
海外,とくに中国市場では,Atom搭載スマートフォンが一定の地位を確保しているという。日本市場への投入は実現するだろうか?
 IntelはこれらのCPUを,2010年に同社が買収した独Infineon Technologiesの無線ソリューションと組み合わせて展開するという。たとえばAtom Z2580では,「XMM 6360」というモデムチップが組み合わせの対象に挙げられている。そのため,Intel製CPUを搭載したスマートフォンが,日本の各キャリアから発売されるか否かは,このモデムが各キャリアから認証されるか否かにかかっている面が大きい。自社のネットワークとの安定した接続を確認できていない端末を,キャリアが販売することはありえないからだ。

 日本のIntelにも,かつてInfineon Technologiesの当該部門に所属していたエンジニアが在籍しているとのことなので,なんとか日本のキャリアと協力してモデムの認証作業を進めてくれれば,日本でもAtom搭載スマートフォンが市場に並ぶ日が来るかもしれない。今後のIntelの取り組みに期待したい。

インテル 公式Webサイト

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