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  • 発表日:2008/02/21
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[COMPUTEX 2008#21]NVIDIA,超低電力版GPU採用の完全ファンレスゲームPCをデモ
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印刷2008/06/09 12:59

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[COMPUTEX 2008#21]NVIDIA,超低電力版GPU採用の完全ファンレスゲームPCをデモ

画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX 2008#21]NVIDIA,超低電力版GPU採用の完全ファンレスゲームPCをデモ
 NVIDIAは,COMPUTEX TAIPEI 2008の期間中,会場となった「Taipei World Trade Center」にほど近い場所に設けたクローズドブースで,完全ファンレスのゲーム用PC「100% Fanless Gaming PC」の動作デモを披露した。
 同社でファンレスのゲーム用PC実現を目指すのは,PureVideoのマーケティングマネージャーを務めるPatrick Beaulieu氏(Marketing Manager, PureVideo, NVIDIA)。今回4Gamerでは,NVIDIAの目指すファンレスシステムについて氏に話を聞けたので,その内容をお届けしよう。

100% Fanless Gaming PCの技術デモ機。デバイスのレイアウトを含めて,ファンレス化のための試行錯誤が見て取れる
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「デスクトップGPUと同じ3D性能を

50W低い消費電力で実現する」


今回の技術デモでは,GeForce 9600M GTをそのままではなく,同GPUをベースにした超低電力版GPUを採用する,ファンレスカードが搭載されていた
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 さて,クローズドブースで展示されていたデモ機は,GeForce 9600クラスの超低電力版GPUを採用し,同時にシステム内部のエアフローについても再検討したという,デスクトップPCである。同社の考える超低電力版GPUとは,ノートPC用GPUをベースに,デスクトップPC向けGPUと同じパフォーマンスを発揮する製品のこと。Beaulieu氏はこのような製品の準備を進めている理由について「デスクトップGPUと同等のパフォーマンスを50W前後低い消費電力で実現することにある」と説明する。

 ファンレス仕様のグラフィックスカードでは,グラフィックス描画負荷が高まってGPU温度が高くなりすぎたとき,いかにして温度を下げるか(あるいは,上げないか)が重要になる。その点,ノートPC向けの省電力技術を利用し,GPU温度に応じてコアクロックやシェーダクロックを下げるといった制御を行えば,確かにGPUのオーバーヒートを防げるが,この場合「ゲーム中,プレイヤーが意図しない状況で,温度が原因となってパフォーマンスが低下する」可能性がある。これは受け入れられない人が多いだろう。Beaulieu氏も「ノートPC向けGPUをデスクトップに持ってきて,それをそのままファンレスのゲーム用PCに使うというのは難しい」と見ている。

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 ではどうするのか。氏は,別のアプローチでグラフィックスカードやシステムの温度を安定させようとしており,今回の100% Fanless Gaming PCデモシステムでも,工夫の跡がそこかしこに見られる。
 今回用いられていたPCケースは,Lian Li Industrial製「PC-V600」だったが,ファンレス電源ユニットの放熱性を高めるため,筐体の前面に設置したり,天地逆に配置されるSLIマザーボードのセカンダリPCI Express x16スロットにグラフィックスカードを差し,さらに天板に大きな空気孔を設けて熱を逃がしやすくしたりといった処置が施されていた。

 もっとも氏は「ケースの改造だけでは不十分。放熱性をより高められるデバイスレイアウトなどを実現すべく,ケースベンダーと協議を進めている」と,今後は,パートナー各社と協力して,完全ファンレスのゲーム用PC実現を図っていく姿勢を示す。
超低電力版GPUの搭載によって,Crysis実行時にもシステムの消費電力は130W台に抑えられていると,デモではアピールされていた
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 Beaulieu氏は,「グラフィックスカードだけなら,現時点でも『一般的なデスクトップPC向け製品プラス50ドル』程度の価格で製品化は可能だ」とするものの,静音化に50ドルのプレミア価格が“乗る”ことを容認できるユーザーの数は多くないだろうと,冷静に分析してみせる。とはいえ,性能がまったく変わらないのであれば,消費電力が50W下がってプラス50ドルというソリューションは,決して悪くないようにも思われ,むしろ問題は「いかにして,一般的なデスクトップPCと同じパフォーマンスを維持するか」にかかっているといっていいだろう。
 実際,同技術デモでは,描画負荷の高さに定評のある「Crysis」を実行し,システムの完成度をアピールしていたNVIDIAだが,起動後,プレイを中断してしばらく放置した状態でもGPU温度は85℃を示しており,安定した3Dゲーム環境をファンレスで実現する難しさが垣間見えた。

Crysisプレイ時のGPU温度は85℃で,CPUやシステムの温度よりもはるかに高い。高い3D描画負荷のゲームをプレイするに当たって,この熱をどのように処理するかが,完全ファンレス化の課題となる
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 ただ,先ほども述べたとおり,NVIDIAは今後も同コンセプトを推進していく予定だ。2008年8月末に米カリフォルニア州サンノゼ市で開催されるNVIDIAのイベント「NVISION 08」では,どうやら,さらに進化した姿を見ることができそうである。
  • 関連タイトル:

    GeForce 9600

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    GeForce 9M

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