2011年6月10日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は都内で報道関係者向け説明会「Eee Pad Forum」を開催。その場で,着脱式フルキーボードユニットが付属するAndroid 3.0タブレット
「Eee Pad Transformer TF101」を
6月25日に5万9800円(税込)で発売すると発表した。
当初は6月中旬発売予定とされていたので,若干遅れることとなるが,今月中には入手できるようになるわけだ。
日本語IMEは「FSKAREN」を採用
Android 3.0.1採用で,3.1は「検証中」
本体とモバイルキーボードドックは,差し込むだけで固定可能。取り外すときは,ドック側のアンロックスイッチを押しながら本体を引き抜くだけだ。もちろん,いつでも着脱可能
|
Eee Pad Transformer TF101は,10.1インチワイド,解像度1280×800ドットのIPS液晶パネルを搭載し,プロセッサにTegra 2を採用したタブレット本体と,専用のコネクタで本体と接続される
「モバイルキーボードドック」からなる製品だ。
海外市場ではそれぞれ単体販売が行われているケースもあるが,国内では日本語キー配列のモバイルキーボードドックとのセットで5万9800円ということになる。
サイズはタブレット本体は271(W)×177(D)×12.98(H)mmで,モバイルキーボードドック装着時が271(W)×185(D)×28(H)mm。重量は順に約680g,約1.3kgで,バッテリーを内蔵する分,モバイルキーボードドックは相応に重い
|
公称バッテリー駆動時間は本体のみが約9.5時間。バッテリーユニットを内蔵したモバイルキーボードドック接続時は約16時間だ。
モバイルキーボードドックを取り付けるとノートPCにしか見えない
|
キーボードは87キー仕様で,最上段には無線LANやBluetoothのオン/オフ切り替えや,Webブラウザの起動が行えるショートカットキーを搭載。カーソルキー部分が多少狭いものの,いわゆるモバイルノートPCのキーボードと比べて,大きな違いはないと述べていいのではなかろうか。
なお,標準搭載されている日本語IMEは,最近Androidデバイスで搭載例の増えている
「FSKAREN」だった。
日本語キーボード。最上段に各種ショートカットキーが並ぶ
|
プリインストールされているファイルマネージャ
|
ストレージは容量32GBのeMMCで,タブレット側に用意されたMicroSDカードスロットを使えば増設も可能。また,モバイルキーボードドック側にはUSBポートが2基用意されている。Androidベースのデバイスとしては珍しく,標準でファイルマネージャが用意されているため,USB接続したストレージのデータも簡単に管理可能だ。
USBポートは左側面手前,右側面奥の2か所で,いずれもカバー付き。カードリーダーはSDHC/SD/MMC対応だ。左側面奥の端子は給電用となる。なお,本体側はMicroSDカードリーダーとヘッドセット用ミニピン端子(入出力両対応),Mini HDMI出力端子を搭載
|
|
なお,プリインストールのOSバージョンはAndroid 3.0.1。海外では公式にAndroid 3.1へのアップデートが始まっているが,国内では「(導入に向けた)検証中」(ASUS)だそうだ。
Eee Pad Transformer TF101のシステム情報(左)。4Gamerで独自に入手した台湾版(中央)と比較してみると,ビルド番号の国コードが異なる以外,違いはなかったので,参考として台湾版で「Quadrant Professional」を計測してみた結果を示したい(右)。スコアは,5回測って,最も高いものを採用している
|
|
|
Eeeシリーズを「クラウドデバイス」と
位置づけ直すASUS
|
シンシア・テン氏(アスース・ジャパン マーケティングマネージャー) |
|
Eee Pad Transformer TF101にプリインストールされているMyCloudのスクリーンショット |
説明会では,ASUSの日本法人であるアスース・ジャパンのシンシア・テン氏が,日本語版Eee Pad Transformer TF101を披露。「最もよいクラウドデバイスとなるよう,製品開発を進めてきた」と同製品を紹介し,Eeeブランドの新たな位置づけが,2010年末以降,
「クラウドに向けて強化した製品シリーズ」になったことを明らかにした。
実際,Eee Pad Transformer TF101では
「MyCloud」というアプリケーション(以下,アプリ)がプリインストールされており,
- MyContent:ASUSの提供するオンラインストレージ(※初年度無料)
- MyDesktop:LAN内のマシンを利用するためのリモートデスクトップ機能
- @Vibe:インターネットラジオや音楽,ビデオを利用できる機能
が標準でサポートされている。ASUSのサポートページで「Eee PCスイート」をダウンロードし,PCやMacにセットアップすると,Eee Pad Transformer TF101と連携しながらMyCloudを利用できるようになるとのことだ。
また,DNLAサーバ兼クライアント「MyNet」もプリインストールされていた。
本体カラーはブラウン。カメラは外向きが500万画素,内向きが120万画素とされる
|
ちなみにEee Pad Transformer TF101はSIMスロット非搭載。いわゆる「Wi-Fiオンリー」モデルとなる。
Android Marketのアプリは,携帯電話キャリアのSIMと紐づけられているものが存外多く,例えばゲームロフトのゲームタイトルなどはWi-Fiオンリー仕様だとほとんど購入できなかったりもする。そのため,基本的にはプリインストールのアプリケーションを使いつつ,ゲームは主に「Tegra Zone」を利用して探すといったの使い方がメインになるのではなかろうか。
Android 3.x(Honeycomb)タブレットらしい制限があるともいえるが,それと,キーボード&クラウド機能とを天秤にかけ,後者が勝った人にとっては,面白い製品になると思われる。
Tegra Zoneから購入できるTegra 2最適化済みタイトル「Riptide GP THD」。Eee Pad Transformer TF101はGPSや電子コンパス,光センサー,加速度センサー,ジャイロスコープを内蔵するので,本体の傾きを利用したゲームタイトルも楽しめる |
説明会では,「一般の人にEee Pad Transformer TF101を試してもらった」というデモムービーが流れた。写真は,液晶パネル部に採用される「ゴリラガラス」のアピールで,実際にナイフで引っ掻いてもらっているところ。「絶対にマネしないでください」(ASUS) |
PadfoneはTegra 2を搭載か!?
ところでEee Pad Forumの会場には,参考展示として,COMPUTEX TAIPEI 2011で発表された“スマートフォン+タブレット”製品
「Padfone」と,キーボード部を引き出せるAndroid 3.0タブレット
「Eee Pad Slider」が置かれていた。その写真は下に示したとおりだが,
そのすぐ横に,極めて意味深なTegra 2の見本が置かれていた点は注目しておきたい。
Padfoneのスペックや搭載するプロセッサは明らかになっていないが,ひょっとするとPadfone(やEee Pad Slider)はTegra 2を搭載するのかもしれない。
意味深なPadfone&Eee Pad Sliderの展示。なお,会場にいたNVIDIA Japanの広報担当者に聞いても微笑んでいただけだった
|
|
→
ASUSTeK Computer公式Webサイト