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[E3 2008#29]EAの「Dead Space」は,バイオレンスでショッキングでゴアなSFサバイバルアクションだった
詳細は後述するが,ポイントは極めて高いバイオレンス度とゴア表現,そしてグロテスクなクリーチャー。どう見ても絶対にファミリー向けではない。カジュアル化/マルチプラットフォーム化を推し進めつつあるEAだが,こうしたハードコアなタイトルがひょいと登場してくるところが,老舗メーカーの面白いところといえるかもしれない。
どこかで見聞きしたような設定で始まる
ホラーでショッカーでスプラッタな戦い
いつもの無線機故障だろうと判断した会社は,主人公「Issac Clarke」を,チームと共にUSG Ishimuraに送り込むが,そこはすでに不気味なクリーチャーの徘徊する悪夢のような世界になっていた。そして,仲間を失ったIssacは,なんとかしてこの宇宙船から脱出しなければならない……という,まあなんだ,現実に起きたことは一度もないが,ある意味非常に典型的なストーリーである。
というわけでこのDead Space,ストーリー,舞台背景とも「うわー,新鮮」というよりは,むしろその逆。どこがで見たり聞いたりしたような感じがする。
ゲームシステムは三人称視点で,プレイヤーは主人公のIssacを操作しつつ巨大な宇宙船内を進んでいく。敵となるエイリアンはいつ,どこから飛び出してくるか分からず,しかもその姿は非常にグロテスク。ホラーというよりはむしろショッカーである。
Dead Spaceがユニークなのは,プレイヤーはエイリアンの弱点を見つけて,その部分を切断/破壊しなければならないところ。「Strategic Dismemberment」(戦略的切断)と名付けれらたそのシステムでは,とりあえず敵の動きを止め,武器を使って敵の手だの足だの頭だのを叩き落とさなくてはならないのだ。切り落とせば当然鮮血が吹き出し,画面は真っ赤っか。転がってきた敵の頭を踏みつぶしてトドメを刺したりと,ゴア表現が非常にきついため,えーと,二転三転して恐縮だが,ショッカーというよりスプラッタかもしれない。
首を落とし,四肢を切断してもなお,はいずりながら迫ってくるエイリアンはかなり恐ろしいが,レーティングのことを考えると,PC,コンシューマ機とも日本語ローカライズはかなり難しそうだ。おのれ,エイリアンめ。
パズル的な要素としては,まず「クリーチャーの弱点を探す」というのが最大のパズルだったりするが,それとは別に,ゲームのところどころでクリアすべき目標があり,例えばどこからか鍵を探し出して開かないドアを開けるといった適度なパズルになっているとのこと。一つの目標を達成することで次のエリアがアンロックされ,それぞれのエリアはリニアにつながっている。基本的には一本道というわけだ。
キーとなるのは,恐怖感を維持させる演出と,敵となるクリーチャーのバリエーションだろう。手足を切断するという戦い方は最初こそショッキングだが,じきに慣れてしまいそうでもある。「ああ,またこいつの頭を切り落とすのか」みたいな感じにならないためにも,多彩かつ意表をついたクリーチャーが数多くほしいところ。敵の登場は(今のところ)スクリプトによっているようで,それもまたプレイヤーが慣れてしまいやすい部分だ。ランダムに襲ってくる恐怖も必要だろうし,説得力のあるAIも欠かせない。
とまあ,若干の不安要素はあるが,緻密に描き込まれたグラフィックスには訴求力があり,無重力の雰囲気もいい。これから発売までどのように作り込まれていくか楽しみな一本といえるだろう。
なお,Dead SpaceはEAの内部スタジオであるEA Redwood Shoresが開発しており,欧米では2008年10月28日,ハロウィン(!)の発売が予定されている。対応プラットフォームは,PCとXbox 360,PLAYSTATION 3の三つだ。
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