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nForce 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2007/12/17
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NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」
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印刷2008/03/18 22:00

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NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 日本時間2008年3月18日10:00PM,NVIDIAはIntelプラットフォーム向けチップセットの新モデル「nForce 790i Ultra SLI」および「nForce 790i SLI」をリリースした。型番からも分かるとおり,nForce 790iシリーズは,2007年12月17日に発表された「nForce 780i SLI」チップセットの上に位置づけられ,NVIDIA SLI(以下SLI)をサポートする製品群だ。

nForce 790i Ultra SLIリファレンスボード。複数のマザーボードベンダーから,このデザインを採用した製品が発売となる見込み
画像集#002のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 nForce 790iシリーズが持つ主な特徴は,以下のとおりとなる。

  1. FSB 1600MHz版CPUの正式サポート
  2. DDR3 SDRAMサポート
  3. 最大60レーンのPCI Expressリンクをサポート
  4. 3-way/Quad NVIDIA SLIサポート
  5. ESAサポート

画像集#003のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」
 FSBクロック1600MHzのサポートにより,「Core 2 Extreme QX9770/9750」などが利用可能になる。また,ノースブリッジに当たる「SPP」(System Platform Processor)に内蔵するメモリコントローラが,DDR3 SDRAMのみのサポートとなるのも,大きなトピックといえ,紆余曲折の末,DDR3/DDR2両対応となった「Intel X48/X38 Express」とは好対照といえるだろう。
 なお,nForce 790i Ultra SLIとnForce 790i SLIの違いは,前者がNVIDIAとCorsair Memoryの提唱するオーバークロックメモリプロファイルのDDR3対応版「EPP 2.0」(EPP:Enhanced Performance Profile)をサポートし,メインメモリクロック2GHz相当(実クロック1GHz)での動作が可能になっている点が挙げられる。――もちろん,EPP 2.0対応のメモリモジュール「SLI Memory with EPP2」が別途必要だが。

EPP 2.0の概要。EPP 2.0対応モジュールはCorsair Memory,Kingston Technology,OCZ Technology,Crucial Technology,Qimondaから登場予定とされている
画像集#004のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」 画像集#005のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 下位モデルでEPP 2.0非対応のnForce 790i SLIでは,DDR3-1333までのサポートとなるものの,実のところ両モデルの違いはこのEPP 2.0対応くらいで,それ以外はまったく同じ()。nForce 790i Ultra SLIは“nForce 790i SLIの高速メモリ対応版”と位置づけるのが正しいと思われる。
 念のため付記しておくと,NVIDIAのAMDプラットフォーム向け製品として概要が発表されているチップセット製品「nForce 790a/750a SLI」や「nForce 730a」などと異なり,nForce 790i SLIはグラフィックス機能を統合していない。そのため「Hybrid SLI」は利用不可能だ。

画像集#006のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 SPP内蔵のPCI Express 2.0コントローラは60レーンまで対応でき,SPPに直接接続する形でPCI Express 2.0 x16 ×2(もしくはx8 ×4,x16 ×1&x8 ×2)を確保可能。CPU−GPU間のデータを一元管理してGPUへデータ振り分けを行う「CPU Broadcast」,そしてGPU間で生じるデータのやり取りをP2P接続で行う「Point to Write Shortcut」(PW Short)に対応したことにより,nForce 780i SLIにおいて両機能を提供し,SLI構成を可能にしていたPCI Express 2.0ブリッジチップ「nForce 200」が,nForce 790iシリーズでは不要となった。

nForce 790iシリーズでは,CPU BroadcastとPoint to Write Shortcut機能をSPPに内蔵した
画像集#007のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」 画像集#008のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 ところで,nForce 790iシリーズのリファレンスデザインではPCI Express x16スロットを3本用意しているが,いま述べたように,PCI Express 2.0接続なのは2本となる点に少々注意が必要だ。残る1本は,「nForce 590i SLI」時代から変わっていないサウスブリッジ「MCP」(Media and Communications Processor)に接続されるため,PCI Express 1.1対応となる。

nForce 790i Ultra SLIのブロックダイアグラム。先ほど述べたとおり,対応メモリの欄を「2000MHz」から「1333MHz」へ書き換えるとnForce 790i SLIのそれになる。MCPはnForce 590i SLI時代から変化なく,転送速度3GbpsのSerial ATAは6ポートの対応で,1000BASE-T LANコントローラの論理層を二つ内蔵する点などは変わらず
画像集#009のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 3本のPCI Express x16スロットは,CPUに近いほうから,1,3,2と番号が振られている。3が,MCPと接続したPCI Express 1.1 x16スロットだ。「GeForce 9800 GX2」を利用したQuad SLI構成時はSPP側に接続されたPCI Express 2.0 x16 ×2に接続される仕組みである。

左はQuad SLI,右は3-way SLIのイメージ。3-way SLI時の“3枚め”はPCI Express 1.1接続となる
画像集#010のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」 画像集#011のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」


いよいよ現実味を帯びてきた(?)「ESA」をサポート

nTuneは「NVIDIA Control Panel Utility」へ


 nForce 780i SLIで初めてサポートされた「ESA」(Enthusiast System Architecture)には,もちろん上位モデルとしてnForce 790iシリーズでも引き続き対応となる。
 ESAは,USBインタフェースを介して,PCケース内部の温度や搭載するファンの回転数,供給されている電圧などを統合的に管理する機能(関連記事)だが,2007年11月5日の発表以降,しばらく“絵に描いた餅状態”が続いていた。しかし,最近になってThermaltake Technologyからは対応液冷ユニット,Topower Computer Industrialからは対応電源ユニットと,対応デバイスが登場しつつあり,ようやく動き出しそうな気配だ。

ESA対応製品の例。左はThermaltake製液冷ユニット「BigWater 780e」,右はTopower製電源ユニット「TOP-1100E10」
画像集#012のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」 画像集#013のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」

 さらに,従来「nTune」と呼ばれていたNVIDIA製のユーティリティソフトは「NVIDIA Control Panel Utility」へと名前を変え,同ソフト上からBIOSの更新作業などが行えるようになった。なお,同ソフトはnForce 780i/750iシリーズ上でも利用できる。

従来のNVIDIAコントロールパネルに“nTuneプラスアルファ”が統合されたものがNVIDIA Control Panel Utility,という理解が正しそうだ。BIOSの更新や新しいドライバの有無チェック,CPU,マザーボード,GPUのオーバークロックに,メモリモジュールのタイミング設定も行える
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nForce 700iシリーズのラインナップ。nForce 790i Ultra SLIとnForce 790i SLI搭載マザーボードの価格は,順に350ドル以上,250ドル以上と想定されている
画像集#017のサムネイル/NVIDIA,Quad&3-way SLI対応のフラグシップチップセット「nForce 790i」
 nForce 790iシリーズがサポートするDDR3 SDRAM DIMMの実勢価格は,容量1GBのモジュールで1万円超(※2008年3月中旬現在)。数か月前と比べるとかなり安価になったとはいえ,2GBモジュールの2枚セットでも1万円以下で購入可能な例の多いDDR2 SDRAM DIMMと比べるとまだまだ高価だ。そのため,コストパフォーマンスという観点において,nForce 790iシリーズの魅力は薄いといわざるを得ない。
 しかし,コスト度外視でパフォーマンスを追求するユーザー,“NVIDIA語”でいうところの「エンスージアスト」(Enthusiast)向けとしては,3-way/Quad NVIDIA SLIをサポートする最上位モデルとして,相応の価値はあるといえるだろう。
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