プレイレポート
「Wizardry Online」のCBT「機能テスト」先行体験プレイレポートを掲載。実態はやはり高難度……しかし序盤は「ロスト」の心配無用?
●機能テスト
・2011年6月18日 18:00〜22:00
・2011年6月19日 18:00〜22:00
●バランステスト
・2011年6月25日 18:00〜2011年6月26日 18:00
6月18〜19日に実施される「機能テスト」では,正式サービス開始時に実装されるシステムの大半を体験可能となっており,それらがきちんと機能するかの検証がなされる。
6月25〜26日の「バランステスト」では,プレイヤーキャラクターの種族とコンテンツを追加し,サーバーの安定性や各種のバランスをチェックするとのこと。
4GamerではCBT実施前にWizardry Onlineをプレイする機会を得たので,これから2回に分けてレポートしていく。今回は機能テストで公開されるストーリークエスト,キャラクターの死亡にまつわるシステム,そしてPK関連の機能など,読者の関心が高いと思われる項目を中心に紹介していこう。
「Wizardry Online」公式サイト
機能テストでは基本職の
ファイター/プリースト/シーフ/メイジが選べるように
まずはプレイヤーキャラクターの作成だが,今回プレイしたバージョンの内容は,基本的に2011年5月に開催された負荷テストと同様。最初に種族と性別を選ぶのだが,機能テストではヒューマンの男性しか選択肢がない。簡単な説明と基本ステータスが表示され,OKボタンをクリックすると,ボーナスポイントの抽選が始まる。
ボーナスポイントはランダムで与えられるが,もしポイントの値が気に入らないようであれば,ここでキャンセル可能だ。キャンセルすると種族/性別から選び直しになってしまうが,それほど煩わしいとは感じなかった。もっとも,往年の「Wizardry」シリーズのように高い値を狙って何十回,何百回とキャンセルを繰り返すとなると,また話は変わってくるかもしれないが。
続いて,“秩序/中立/混沌”という「アライメント」(性向値)を選択し,先ほど決定したボーナスポイントを各ステータスに割り振って,「職業」を選択する。
機能テストではヒューマン男性しか選べないので,この先行プレイでもそれに準じている |
ボーナスポイント抽選。数回キャンセルしてやり直してみたが,二ケタは出なかった |
気になる項目にカーソルを合わせると,説明が表示される。各職業の必要ステータスもチェックしよう |
機能テストでは,基本の4職業を選択できる。せっかくの機会なので,4人パーティを組んでプレイしてほしい |
今回の機能テストでは,“ファイター/シーフ/プリースト/メイジ”の4職業の中からいずれかを選べるが,それぞれに必要なアライメントおよび最低ステータスが決められている。
同時に,キャラクターの“顔/髪型/髪色”も変更できる。各項目とも5種類ずつ用意されているが,とくに顔に関しては彫りの深さなどが結構異なるので,正面から見るだけでなく,少し角度を変えて確認したほうがいいだろう。
いよいよ冒険開始! まずは試練場で
ダンジョン探索の基本をマスターする
なお負荷テストに参加していた人なら,今回ステータスウィンドウを開いたとき「AC評価値」なる項目が追加されたことに気づくだろう。この値は,回避力や装備の防御力などから算出されるもので,その時点におけるキャラクターの“総合防御力”を示す。
Wizardryシリーズの「AC」(アーマークラス)の概念に近い項目であり,数値が低いほど防御力に優れていることになる。この項目の登場に伴い,負荷テストでACと呼ばれていたシールド防御ゲージの名称は,「ガードポイント」に改められた。
スタート地点から少し動くと,さっそくストーリークエストのイベントが始まる。テキストを追っていくと,プレイヤーの立場を把握できる |
「AC評価値」は,キャラクターの総合的な防御力を示す数値だ。回避力を極めれば,裸でAC−10も夢じゃないかも? |
ストーリークエストの最序盤はチュートリアル的な内容で,「エレシェ」と名乗るNPCの案内のもと,街にある施設の機能などを学んでいき,最終的に冒険者ギルドに登録するための試練を受ける展開となる。その内容は,ダンジョン「試練場」から「龍の手形」を持ち帰ること。
試練場と呼ばれてはいるが,その中には,モンスターやトラップ,リドル(謎)といった,この先に用意されている本格的なダンジョンと同じ要素が一通り揃っており,初見では結構手こずることだろう。
最初のミッションは,街の機能を確認するような内容だ。クリアすれば報酬としてアイテムが手に入る |
そして冒険者ギルドに加入するための試練を受ける展開となった。いよいよダンジョンに挑戦だ! |
機能テストから,チャットウィンドウの透明度を調整できるようになった |
チャットウィンドウは,かなり細かくカスタマイズできる |
試練場に入って2人目のNPCのところでは,実際に死から蘇生するまでを体験できる。死んで“魂”となった状態で近くの「守護者の像」を調べると,「魂の天秤」が呼び出される。
魂の天秤では“蘇生率”が数字で表示され,所持品や所持金を捧げると,その数値を上げられる。とはいえ,ゲームを始めたばかりのソウルランク1のプレイヤーなら蘇生率は常に100%(サラッと流してしまいがちだが,実は極めて重要!)なので,ここでは心配無用である。
NPCによって死亡時にどうすれば蘇生できるか説明がなされたあと,実際に体験する |
あまり嬉しくない画面だが,このあと頻繁に見ることになるので覚悟しておこう |
死ぬと魂状態になるので,ダンジョン内に点在する「守護者の像」を目指す |
これが「魂の天秤」だ。ソウルランク1のプレイヤーなら,蘇生成功率は常に100%である |
さらに先に進むと,結界によって先に進めない通路が登場。大体こういう場合は,別のところで何かをやると結界が解けるので,とりあえず枝分かれしたもう1本の通路を進んでいく。
もう一方の通路では,段差のある場所に橋渡しされた板の上を通ったり,さらにその板が途切れているのでジャンプしたりと,さっそくアクション操作を要求される。まあWizardry Onlineは高いアクション性を謳っているわけではないので,判定は甘めのように感じられたし,仮に失敗しても取り返す手段が用意されているので,これまた心配は要らない。
明らかに怪しい光が見えるが,結界が張ってあって先に進めない。ほかに進入できるところを探そう |
「回復の泉」では体力の回復ができる。必要経験値が溜まっていれば,レベルアップもできる |
さっそくジャンプで飛び越えなければならない場所が登場。とはいえ,ここは落ちても大丈夫だ |
ダンジョン内の怪しい場所には,マーカーが輝いている。重要なヒントを見逃さないように! |
そんなこんなでしばらく進むと,今度は三叉路に出くわす。3本の通路のうち,いずれかが正解ルートのようだが,正面は通路脇から無数の槍状のものが突き出ていたり,奥には噴き出す炎が見えたりと,あまり通りたくない。
残りの通路のうち,左側にはビートルが見えるが,右側には何もいない。そして,どちらの通路も入ってすぐ直角に曲がっており,その先がどうなっているか判らない。そこで今回は,戦闘を多めに体験してみたいということもあって,ビートルのいる左側を選択してみた。
正面の通路は見るからに通りたくない。実はこれが引っ掛けで,本当は安全なのか? と考えると一歩も進めなくなる |
少し見にくいが,奥にビートルがいる。まあ所詮は虫だしなあ,と甘く見ていたら思わぬ苦戦を強いられた |
さて,ビートルは序盤で出会うモンスターだから楽勝だろうとタカを括っていたのだが,これが大間違い。ビートルは攻撃時にこちらに飛び掛ってくるのだが,シールドを使ってガードすると,後ろ側に回り込まれてしまうことがあるのだ。そのため,いちいち振り返ったり,カメラをグルリと回さなければならなかったりする。
無論,その間にも攻撃を繰り出したり,シールドを構えてガードしたり,とにかく忙しい。スクリーンショットを撮るのも忘れて何とか倒したものの,何度もカメラを回転させたせいで,自分がどちらに向かおうとしていたか分からなくなる始末である。これは戦闘に慣れるまで,少し時間が必要そうだ。
なんとか三叉路を抜けると,ついにリドルが登場。とはいえ,進入できるところを一通り回って,何かをどうにかしてくるだけの内容なので,決して難しくはない。その途中で,何度かスライムやアンデッドと戦闘になったのだが,上記のビートルが予想を超える難敵だったせいで,あまり印象に残っていないというのが正直なところ。ただしビートルの手強さなどについては,CBTで様子を見たうえで,調整が行われる予定とのことだ。
扉を開けるには,一度Fキーを押して掴み,WキーまたはSキーで開けるという2段階の操作になる |
試練場のリドルに挑戦。意味ありげなメッセージだが,考えるより足を使った方が早いかも |
リドルを解くと,一番最初に登場した結界の先で龍の手形を入手できる。これで地上に戻って報告すれば,晴れてクエスト完了だ。
本記事では,主にゲームの手順について紹介したが,NPCのセリフやダンジョン内のメッセージにはいろいろ趣向が凝らしてあり,「Wizardry Online」がどんなスタンスのゲームなのかを表現しているので,こちらも各自確認してほしい。
筆者個人は,かつてのWizardryに込められていた独自のノリを,2011年の日本で解釈すると,確かにこんな感じになるかもなあ,という感想を抱いた。
ダンジョン攻略のキモは2つ
「抜け道を探せ」そして「死んで覚えろ」
犯罪行為はソウルに紐付いているので,1人のキャラクターが犯罪者になってしまうと,同じソウルのキャラクターはすべて犯罪者扱いとなる。つまり同一ソウルでは,犯罪専用キャラクターと清廉潔白なキャラクターを使い分けるような遊びはできないというわけだ。
犯罪行為について教えてくれるNPCもいる。事前情報で,よからぬ遊び方を妄想していた人はちゃんと読んでおこう |
犯罪に関する最重要ポイントがコレ。例えば,表は善人,裏は悪人みたいなプレイをするのは困難な模様である |
冒険者ギルドにたどり着くと,今度はダンジョン「カリグラーゼ下水道」で盗賊団を討伐するクエストを紹介される。ちなみにNPCは「駆け出し冒険者にうってつけ」などと言っているが,この下水道こそ先日のインタビュー中で言及された“初見だと踏破に4〜5時間はかかる”ダンジョンなのである。
なお,下水道をはじめとする各ダンジョンへは「旅立ちの門」から進入するのだが,門に向かう前に宿屋に泊まっておくことを忘れずに。これは体力回復もそうだが,これまでに取得した経験値でキャラクターがレベル2になるはずだ。
冒険者ギルドでは,さっそく「カリグラーゼ下水道」でのクエストを斡旋される |
街外れにある「旅立ちの門」。ゲーム的に説明すると,各ダンジョンに出発するためのロビーだ |
ダンジョンへと進入する前に討伐ミッションを受託しておけば,そのぶんの経験値と賞金を期待できる |
いよいよ下水道に突入。推奨レベル1となっているが,進入可能レベルと捉えた方がいいかもしれない |
下水道での盗賊団退治の流れは,基本的に上記の試練場と同様である。しかしマップの構成はさらに意地悪になり,いかにもショートカットできそうな段差を降りると手強いモンスターが配置されていたり,低レベルのキャラクターでは絶対倒せないような盗賊が狭い通路を見張っていたりする。
そうしたトラップに,おそらく最初は誰しも真正面から挑むことになるだろう。しかし何度も死んで蘇生するたびに,「これは何か抜け道があるに違いない」と考えざるを得なくなる。注意深く周囲を見渡してみると,迂回路があったり,あるいは相手が後ろを向いたりと,状況を打破するヒントが見つかるのである。
宿屋に入るのを忘れていたので,下水道入り口付近の回復の泉をチェックしたらレベルアップした。今回はPIETYが下がっている |
ダンジョン内のNPCから依頼を受けることもある。まあ当面,他人を助ける余裕はないんだけどね |
これ見よがしにマーカーがついている骸骨を調べると…… |
フロアのマップを入手! ただし,まだ半分くらいしか表示されていない |
また,このクエストには,盗賊団との対決を含めて3か所の「ガーディアンズゲート」が用意されている。いずれも,登場するモンスターを殲滅するだけというシンプルな内容だ(ただし,難度が低いという意味ではない)。だが,それぞれのガーディアンゲートに進入する前にリドルを解かなければならない。
どのリドルも,ダンジョン内に隠されているアイテムを集めてくることとなるのだが,その道中がまた大変で,物陰から襲ってくるアンデッドを倒し,炎や毒霧のトラップをかいくぐり,スキルを使うコボルドと遭遇し,追いかけてくる盗賊からダッシュで逃げ……という感じである。
ところどころに設置させている守護者の像で一息ついても,すぐまた魂状態で同じところに戻ってきては蘇生して再挑戦……の繰り返しとなるだろう。なるほど,確かにこれは「Demon's Souls」を思い起こさせるプレイ感覚である。
リスクを取るか,安全を取るか
ソウルランク2に上げるタイミングは考えもの
下水道のクエストを終え,冒険者ギルドの外に出ると,謎の女性に声を掛けられる。顔が見えない演出が気になる! |
ソウルランクが上がると,基本的にはゲーム内でやれることが増えていく。ソウルランク2の場合は,PKが可能になるほか,各ショップに並ぶアイテムのラインアップが増え,キャラクターレベルの上限が12まで開放される。その一方では,PKができるようになったわけだから,逆にPKされる可能性も生まれる。
ちなみにソウルランク1なら,PKできない代わりにPKされることもないし,またダンジョン内で死んでしまっても,上記のとおり,魂の天秤における蘇生率は常に100%だ。
すなわち,ソウルランク1のままなら,制約はあるけれどもリスクは少ない。ソウルランクを上げると,やれることや施設利用のメリットが増える一方で,同時にリスクも増加する。
初めてカーラルデと出会ったとき,プレイヤーはすでにソウルランク2に上げられる状態だ。メリットのためにリスクを取ってソウルランクを上げるか,それとも安全のためにしばらくソウルランク1のまま留まるか。どちらを選ぶかは,プレイヤー各自に委ねられているのである。
ロストしたキャラクターは,選択画面で「あー,こんなキャラもいたなー」とステータスウィンドウを眺めることしかできない |
そして削除。何とも悲しい結末ではあるが,本記事を読めばゲーム序盤でキャラクターロストに遭遇する可能性の低さが理解できるのではないだろうか |
さて,PKの話が出たので,犯罪者の話をしておこう。犯罪者は,目が赤く光り,全身が赤いオーラで包まれるので,他人からは外見ですぐにそれと分かる。この状態で街の中をうろついていると,衛兵に捕まり,即座に牢獄へとぶち込まれてしまう。
牢獄は街の北東,「光の届かない小路」にあり,捕まった犯罪者は一定時間,監禁される。面白いのは,牢獄を見渡せる広場のど真ん中に宝箱が置いてある点だ。実はこの宝箱,何を隠そう,牢獄に仕掛けられた爆破装置の起爆スイッチ。近くにいるNPC「ミハール」に規定の料金を支払って,この宝箱を調べると……なんと牢獄内で爆発が起こるのである!
牢獄に,憎いプレイヤーが監禁されているのを見つけた! |
さっそくNPCに規定の料金を支払う。見てろよ〜 |
もちろん,牢獄内にいる犯罪者は,爆発に巻き込まれ体力がゼロになれば死んでしまう。牢獄内は魂の天秤の蘇生率が低めに設定されているため,それだけ灰になったり,ロストしたりする可能性も高まるというわけだ。
つまりこの機能は,PKされた,あるいはアイテムをルートされたプレイヤーが,憎い相手が投獄されたタイミングを狙って「報復」するために用意されているのである。なお起爆スイッチは1度使うと5分間は再使用できなくなっている。
牢獄の見える広場中央の宝箱を調べる。カウントダウンが始まれば成功だが,失敗するケースもある |
見事,監獄内の装置が起動した。なお,監獄の近くで見ていると爆発に巻き込まれることもあるらしい |
さて今回は,機能テストに先駆けてWizardry Onlineの注目が集まりそうな部分を中心に紹介してきた。次回は,バランステストで追加されるコンテンツの紹介を中心に,街の施設などにも触れる予定だ。
「Wizardry Online」公式サイト
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