ニュース
[E3 2011]「Wizardry Online」北米向けプレス発表会レポート――日本のCBTの日程もこっそり聞いてきた
カンファレンスが行われたのは,E3 2011の会場近くにあるバー。イベントは店舗を借り切っての立食パーティー形式で行われ,数十人に及ぶメディアおよび関係者が集められていた。
内容的には,すでに4Gamerではさんざんお知らせしてきたとおりなので割愛するが,北米でも「Un-Casual」向けの作品として押し出すとのことで,ゲームにおける「生と死」の扱いを中心に,本作が「難しいゲームである」ことを強くアピール。往年のWizardryファンに向けて訴えたいとして,北米と欧州の両市場で2012年にリリースする方針であることを明らかにしている。
ただ,長らくWizardry……というか,3DダンジョンRPG自体が死滅していた北米において,本作がプレイヤーからどう受け取られるのかは非常に興味深いところ。2000億円弱とも言われる北米のオンラインゲーム市場だが,「World of Warcraft」などを筆頭に強力なタイトルがひしめく環境でもあるだけに,Wizardry Onlineがそうしたタイトルとどこまで戦っていけるのかが注目されるところだ。
なお,本イベントが終了した後,ゲームポットの植田氏にそういった疑問や質問を直接聞いてみる機会が得られたので,同氏へのミニインタビューも併せて掲載しておきたい。ゲームポットのオリジナルIPとして,本作がどこまでグローバルに展開されていくのかや,気になるクローズドβテストのスケジュールについても聞いてみたので,ファンはぜひご一読を。
ゲームポット植田氏ミニインタビュー
4Gamer:
お疲れさまでした。
イベントを終えてみて,あらためて,北米におけるWizardry Onlineの“感触”はいかがですか?
植田氏:
4Gamer:
ゲーム業界で働いている人ならなおさら,Wizardryの“洗礼”を受けた人は多いでしょうね。
植田氏:
4Gamer:
公開されたスクリーンショットの中には「ボルタック商店」の画像などもありましたが,今でもボルタック商店と聞いて,北米の方々は「おおっ!」と思ったりするんですかね?
植田氏:
やっぱり思うみたいですよ。タイトル名聞いただけでやっぱりノリが違いますし。
4Gamer:
ゲームポットが初めて本格的にグローバル展開する“オリジナルIP”という意味では,まずまずの出だしといったところでしょうか。
植田氏:
まぁIP自体は外から買ってきたものですけど,ひとまずは大きな手応えを感じています。
4Gamer:
ただ,日本のオンラインゲーム会社というと,多くは「海外産のゲームのライセンスを受けて,日本で運営する会社」として立ち上がった会社が多いですよね。
植田氏:
4Gamer:
けれど,いろいろな事情があって,ここ最近は自社でIPを確保して,打って出ようという企業が増えてきました。ここ数年で大きく日本のオンラインゲーム会社の流れも変わってきたと思いますが,そんな中で,Wizardry Onlineはゲームポットにとってどういう位置づけのプロジェクトになるんですか?
植田氏:
4Gamer:
Facebookのゲームみたいな新興勢力の台頭も含めて,まだまだ可能性は埋もれていますよね。
植田氏:
4Gamer:
ただ一方で,そこは強力なライバルがひしめく市場でもありますよね。コアゲームという括りで見ても,「World of Warcraft」や「Age of Conan」「Warhammer Online」,最近では「RIFT」など,リッチで作り込まれたゲームはすでに数多く存在しています。
植田氏:
はい。その意味で言えば,Wizardry Onlineにおける大きな挑戦は,「コアゲームというジャンルで,基本プレイ無料ベースのビジネスモデル」に正面から挑戦するという点です。
4Gamer:
北米でも,「メイプルストーリー」のような,ややカジュアルなものは,すでに基本無料のオンラインゲームとして成功を収めていますよね。
植田氏:
4Gamer:
アイテム課金形式のオンラインゲームは,アジア圏のほうがずっと先行していますしねぇ。
植田氏:
Facebookとかソーシャルゲームの隆盛はあるんですけど,あれはあれで少し方向性が違いますしね。
4Gamer:
そのあたりのノウハウや市場的な隙間も踏まえて,手応えを感じてると。
ちなみに日本語版と英語版では,ゲームのバランスや課金のシステムを変更したりという計画はあるんですか?
植田氏:
ゲームバランス云々に関しては,そもそもまだ日本ですらゲームが始まっていませんので,正直なんとも言えません(笑)。まずはクローズドβテストなど,実際にプレイヤーさんの動向が見えるところまでやってみてから,いろいろな調整をしていくことになると思います。
4Gamer:
なるほど。そういえば,日本国内ではテスター募集が行われているクローズドβテストですけど,結局のところ明確な開始時期っていつになるんでしょう?
植田氏:
4Gamer:
お,ほぼ事前のアナウンスどおりですね。
植田氏:
はい(笑)。おかげ様でWizardry Onlineは非常によい反響をいただいているので,この雰囲気を維持できればと考えています。
4Gamer:
実際に遊べるのを楽しみにしています。本日はありがとうございました。
植田氏:
ありがとうございました。
――北米時間2011年6月9日収録
→Wizardry Online公式Webサイト
E3 2011取材記事一覧
- 関連タイトル:
Wizardry Online
- この記事のURL:
“Wizardry(R)” is a registered trademark of Gamepot Inc. All rights reserved. Wizardry Renaissance(c)2009 Gamepot Inc. All rights reserved.