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[G★2007#23]「大富翁星球」オンラインモノポリーがMMORPGに?
そのオンライン版である「大富翁Online 2007」は,2007年2月の台北ゲームショウのレポート記事,[TAIPEI 2007#05]と[TAIPEI 2007#14]で紹介したのだが,今回G★会場のポスターでは,大富翁に「星球」の文字がついていた。「ピンボールか何かかな?」と思って聞いてみると,星球とは地球のことだそうで,よく見ると「Richman Universe」というサブタイトルがついており,お金持ちになることを目的としたMMORPGということだ。
同じようなMMORPGでは「巨商伝」や「君主 online」などがあるが,これらが古代ないし中世ものであるのに対し,大富翁星球は現代が舞台。とはいっても,モンスターと戦うRPG部分があるので,ファンタジーには違いない。中国・台湾の人なら「あのシリーズがとうとうMMORPGになったか」と感慨を新たにするのかもしれないが,日本では知名度がほとんどないので,新種の「お金儲けMMORPG」だと思っておいてよいだろう。
現在開発中の本作は,台湾では12月からクローズドβテストが始まる予定。テスト段階で大陸が2種類と200種類以上のマップ,300種類以上のモンスター,1000種類以上のクエストが揃えられているという。
なにがどうやってモノポリーがMMORPGになるのは疑問だが,双六やモノポリーライクな部分はミニゲームの一つという形に姿を変えており,全体的に見ると,2D仕様のMMORPGに仕上がっている。
戦闘はやや特殊で,ターン式のタクティカルコンバットだ。チェスを改良した戦闘システムということだが,日本ではコンシューマゲームでよく採用されているものに似ている。
個人レベルでのお金の儲け方には,モンスターを倒したり,ドロップアイテムを売ったりするほか,生産によって稼いだりする方法がある。さらに,大富翁シリーズで定評のある株の売買システムが導入されているので,株によって資産を増やせるようだ。
また,ゲーム内のミニゲームが多数用意されており,ミニゲームの賞品を売ったり,プレイヤー同士で賭けをして儲ける方法もあるという。そして,モンスターは必ずアイテムをドロップし,ドロップされたアイテムは,例外なく合成素材として使用できる。素材の取引でも相場が変動するようになっているのだ。
上位プレイヤーの資産状況などがランキング形式で公開されるのだが,単にお金持ちという指標だけではなく,ヒーロー,企業,人気などのランキングも表示される。なかでも美女ランキングというのは珍しい要素といえるだろう。
それだけのことをやるだけあって,キャラクターのカスタマイズ要素は充実しており,2Dベースながら,髪,目,鼻,口などをはじめ,20か所におよぶパーツの外見をカスタマイズできる「全方位的着せ替えシステム」というものが用意されている。また,基本キャラクターアクションは18種類あり,カスタマイズしたキャラクターを動かせる点にも注目したい。これらは,北京にある子会社と共同で作っているということだが,これだけの量の素材を用意できるというのは凄いことだ(3Dモデルからドット絵にしているらしい)。
ゲーム内に登場するほぼすべての武器などを生産できるほか,ギルド単位で土地を買うと,そこに工場を建設できる。工場は,個人で行っていた生産を自動化することができ,個人レベルでは生産できなかった高額商品も作れるようになるという施設だ。生産要素を持つMMORPGは多々あるが,自動車まで作れるゲームはそうそうないのではないだろうか。
こうして,ギルドは「会社」として機能し,その会社には株主が存在する。こうした会社の株の売買が行われることになる。かつて大富翁シリーズに用意されていた株のシステムは,各銘柄の値段が適当に上がったり下がったりするものだったようだが,大富翁星球の株式は,ゲーム内に存在する会社の株価の動きに影響されるのだ。非常に興味深い試みだが,はたして本当にうまく機能するのかという不安は拭えない。
そのほか,ハウジングやペット,乗り物や傭兵システムなど,いろいろな要素が盛り込まれており,かなり幅広く遊べるゲームとなりそうだ。
台湾でのサービスのほか,中国では9youによるサービスが決定しており,日本からも何社かコンタクトを取っているとのこと。イラストなども,日本でそのまま使えそうなくらいクオリティは高く,2D仕様ということで要求スペックはかなり控えめな点も日本向きかもしれない。日本でのサービスが実現されるのも遠いことではなさそうだ。次は日本国内サービスの話題に期待したい。
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大富翁星球
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