プレイレポート
ギリシャ神話モチーフのオンラインRPG,「THEOS ONLINE」のプレイレポートを掲載
本稿では,同作のOBTに参加してみて感じたプレイフィールを織り交ぜつつ,ゲームの概要を紹介していく。ギリシャ神話の世界で繰り広げられる冒険に興味がある人は,ぜひ目を通してみてほしい。
大地の女神「ガイア」から託されるSONとは
MMORPGにおけるプレイヤーキャラクターは,プレイヤー自身の「分身」によくたとえられる。しかしTHEOS ONLINEでのプレイヤーは,守護精霊としての役割を担うことになり,いわゆるプレイヤーキャラクターは,SON (Son of Nature)と呼ばれる8歳の幼な子にすぎない。この子を見守り,英雄として育てあげるのが,プレイヤー=守護精霊に託された使命なのだ。
そんなわけで新規キャラクターの作成時には,精霊たるプレイヤーの名前と,SONの名前の二つを登録するのだが,この仕組みが若干ややこしかった(説明不足でもあった)ためか,ゲーム内ではどちらにも同じ名前が付けられているケースが散見された(筆者もその一人である)。
キャラクターの外見に関しては,男女の性別,顔や髪型,初期衣装を選べるほか,スライダーを調整して身長や顔の大きさなどを調整できる。成長パターンや初期ステータス値などには影響しない要素なので,好みに合わせてキャラクターを作成するといいだろう。
キャラメイクが終了すると,西風の神「ゼフィロス」からSONを託されるいきさつが,オープニングムービーを通じて提示される。いよいよSONと共に,スタート地点である「クレタ島」へ降り立つときが来るのだ。
SONの成長とともに広く味わえるようになるギリシャ世界
ゲームスタート時のSONの行動範囲は,ミレトス村とミレトス狩猟場のたった2箇所しかないのだが,シナリオクエストを進めるにつれて,行動可能なエリアがどんどん拡張されていく。やがてはクレタ島から海を渡り,ギリシャ本土まで足を伸ばせるようだ。
とはいえ,クレタ島だけでも10以上のエリアが存在するし,一つのエリアに複数のクエストが用意されている。シナリオクエスト/フリークエストをすべてクリアしてギリシャ本土に向かうとなれば,クレタ島だけでもかなりの時間楽しめるだろう。
こちらがギリシャ全土のマップ。すべてのエリアが開放されるころには,一体どんな物語が見えてくるのだろうか |
THEOS ONLINEでは,使用武器とスキル/ステータス値が密接に関連しているので,弓ならば敏捷を,杖ならば知能をといった具合に,一つないし二つのステータスを同時に伸ばしていくのが一般的な成長スタイルといえそうだ。
THEOS ONLINEの成長システムは単純明快で分かりやすく,MMORPG初心者にも優しい作りだと感じた。レベル10までは随時,レベル10以降でもお金を払えばステータスリセットが可能なので,ステータスの割り振りをあれこれ模索しつつ,自分好みのSONを育てていこう。
冒頭で述べたように,すべてのSONは8歳の状態からスタートするのだが,順調にシナリオクエストを進行させていくと,あるタイミングで12歳へと成長できる。そのとき,「主神選択」という形でゼウス/アポロン/ポセイドン/アテナという神々の中から一人を選び,その神から力を授かる。
これは一般的なMMORPGにおける,1次転職にあたる仕組みと考えれば分かりやすいだろうか。主神を太陽神アポロンにすれば回避率と弓スキルが,海の守護神ポセイドンを選べばHP上昇率と防衛スキルが上昇するなど,得られる能力は主神によってさまざま。
どれを選ぶかは悩ましいところだが,基本的に弓を使っているならアポロン,剣を使っているならゼウスかポセイドンを選択するといいだろう。神々から得られるスキルは,その後NPCから購入できる各種スキルブックを利用するための前提条件になっているので,プレイスタイルに合ったものを選ぶのが無難だ。
ちなみに12歳になると,SONの見た目もちょっぴり大人っぽくなり,髪型なども再度選べる。なお,筆者はまだそこに至ってないのだが,現在は2次成長(18歳)クエストまで実装されている。
左がキャラクター情報,右がアイテムウィンドウだ。武器とスキルにはレベル制限と必要ステータスが設定されているので,それらを意識してステータスを伸ばしていこう |
ゲーム内TIPSによれば,12歳への成長はレベル19前後が目安とのことだが,これはパーティプレイ前提の話。ソロプレイ中心の場合は,もう少しレベルを上げてからクエストに挑まないと厳しい |
ソロプレイでも退屈しないMOスタイルの戦闘
難度「初」のクエストならば,防御力の低いキャラクターでもかなり楽に遊べる。クレタ島のクエストの多くは難度が低めだが,一人では攻略が難しいと感じたら,思い切ってパーティ募集の呼びかけをしてみるといいだろう |
一つのルームには,最大4名が参加可能。ルームマスターは参加者のレベル制限や難度を調整できる。なお,インスタンスエリアの出現モンスターは,参加人数に合わせて自動的に強さが変動するようだ。
シナリオクエストでは,各エリアでボスモンスターを倒してくるよう依頼される内容が多いが,インスタンスエリア内で1度倒した敵は,ルームから出ない限りリポップしない。本作では回復や休憩をこまめに行えば,戦闘不能になることはめったにないので,パーティプレイで挑戦すれば,難なくクリアできるだろう。
仮にソロプレイでも,ごく一部のクエストを除いては,十分なレベルと回復アイテムさえ備えていれば,比較的簡単にクリアできてしまうバランシングだ。実際に筆者は,弓をメイン武器とするキャラクターで,ゲーム開始から1次成長するまでの間,一つのクエストをのぞいてすべてソロで攻略できた。
モンスターを倒すと経験値と同時に得られる,祝福ポイントと疲労度についても説明しておこう。祝福ポイントとは,戦闘不能になったときその場で復活するために,あるいは装備品を強化する際に消費するポイント。祝福ポイントが足りないと,戦闘不能になったときに村へ戻されてしまい,進行中だったクエストがリセットされる場合もある。難度の高いクエストに挑むときは,事前にレベルの低い敵を相手に祝福ポイントを溜めておくのがおすすめだ。
一方疲労度だが,こちらは最大値まで溜まると,モンスターを倒しても経験値が得られなくなってしまう。つまり,連続的なプレイで得られる経験地に上限が設定されているのだ。疲労度は,現実時間の午前5時にリセットされるほか,一部アイテムなどを使用して減らせる。これはおそらく,一部の熱心なプレイヤーによる,コンテンツの消費速度を調整するための仕様なのだろう。
ドラマチックなムービーで体感するTHEOSの世界
ギリシャ神話という壮大なモチーフが採用されているだけあり,本作には神々の悩みやお告げ,SONの持つ過去の記憶,謎の少女の残す言葉など,神秘的な物語要素が多数登場する。そして,それらが複雑に絡み合い展開していくストーリーは,クエストを受けるとき,あるいは冒険中に重要なポイントに差しかかったときなどに,ムービー形式でプレイヤーに提示されるのだ。
フルボイス/BGM付きのムービーによる演出は,ゲーム展開を実に効果的に盛り上げてくれる。世界観やストーリー性に重きを置くプレイヤーは,このムービー演出にぜひとも注目してほしい。
初心者でも気軽に楽しめるMMORPG
ギリシャ神話を学べば面白さも増す
どちらかといえばライトゲーマー向けで,まとまった時間のとりにくい社会人が,息抜き代わりにプレイするタイトルとしても適しているだろう。
12歳までのクエストには,今後のストーリー展開につながりそうなNPCが多数登場する。ギリシャ全体を覆う黒い影の片鱗もちらほらと見え始め,SONが無事に12歳を迎えるころには,シナリオの行方が気になって仕方ないはずだ。
ただ1点残念だったのが,ゲームを通じて,ギリシャ神話への理解を深める工夫があまりなかったところだ。数ある神話のなかでも,ギリシャ神話は日本での知名度が高いものといえるだろうが,「オリンポス十二神」の名前をすべて言えるプレイヤーは,多数派ではないはずだ。
例えば,12歳になったとき,弓スキルを授けるのがアポロンである理由は,彼が音楽や予言と並んで弓を得意とする神だからだ。ゆえに中世の絵画でアポロンが描かれる場合,そのシンボルとして必ず弓か矢を持たされている。
なにも「ゲームを通じて学習を」などと堅苦しいことを言うつもりはないが,例えばムービーを生かして,神々が司る能力やその象徴といった知識を,プレイヤーが自然に身に付けられる仕組みがあれば,ゲームへの没入度もより高まるのでは,と思う。
ギリシャ神話モチーフのオンラインRPGである以上,その知識が深ければ深いほど,ゲーム体験も豊かなものになっていく。そこで,知識を要求するのではなく,知識を提供してくれるような仕組みが盛り込まれていれば,より幅広い層のプレイヤーが,本作ならではの魅力を享受できるだろう。今後のアップデート内容に加えて,ぜひ検討してもらいたい。
- 関連タイトル:
神説セオス
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