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「ドラゴンネスト」のトッププレイヤー達が開発&運営チームに直談判! 2013年10月実施予定のアップデート情報も発表された“円卓会議”レポート
この円卓会議は,ドラゴンネストの現役トッププレイヤー達と,本作の開発元であるEYEDENTITY GAMES,そして運営元であるNHN PlayArtのスタッフが「ドラゴンネストの今後について」話し合うことを主旨としたものだ。いわゆる意見交換会である。
円卓会議の場では,“イエロードラゴンネスト”のギミックや難度,ゲーム全体に対する要望・改善箇所などを議題として話し合いがなされたほか,“第3回 DN-1グランプリ”の授賞式や,2013年10月に実施される予定の次期アップデートの発表も合わせて行われた。その内容を本稿でお伝えしていこう。
次のアップデートは“2013年10月下旬”
PvE・PvPそれぞれに新エリアが追加予定
まずは,次期アップデートの情報から先に紹介していこう。
ドラゴンネストのアップデート頻度は現在,毎月1回が目標とされており,この目標どおり10月にもアップデートが予定されている。同アップデートの特設サイトは10月16日に正式公開される予定だが,“せっかく今回はトッププレイヤーを招いたのだから”という理由で,会場では一足早くアップデート内容が披露された。
なお,同アップデートに関するスクリーンショットは開発中のものなので,テキストや数値といったもろもろは今後変更される可能性がある。その点はご了承を。
【その1】新ダンジョン「ミストネスト」
ミストネストの内部構成は,ボスを含めた全6ステージだ。“Lv70エピック竜珠”“Lv70能力強化紋章プレート”などがドロップアイテムとして予定されている。ドラゴンネスト運営チームのYAMAMOTO氏が手がけたイメージムービーも公開されたので,同内容の映像を以下に掲載した。こちらもチェックすれば,より雰囲気を掴みやすいだろう。
【その2】新PvPマップ「戦火のキャデラック」
続いて紹介されたのは,最大16名が入場できる新PvP用マップ「戦火のキャデラック」だ。マップの景観はその名のとおり,戦火に包まれたキャデラックで,建物のオブジェクトがところどころで“燃えて”いたりする。橋が2本に増えたり,マイキャラが燃えているオブジェクトに触れると火傷を負ったりといったギミックも用意されるという。
また,PvPの競技種目として“占領戦モード”が選べる点にも注目してほしいとのことだ。
【その3】スキル改変
次は,クラス間のバランスに関してだ。10月のアップデートでは“スクリーマー”と“アサシン”を対象に細かな調整が施されるという。以下のスライド画像で詳しい改変項目を確認してみよう。
“第3回 DN-1グランプリ”の授賞式
さて,今回招かれた現役トッププレイヤーは,具体的に言うと先日開催された“第3回 DN-1グランプリ”(公式ページ)の優勝チームのメンバーである。
“DN-1”とは,本作のハイエンドコンテンツである“ドラゴンネスト”の攻略を競うゲーム内イベントのこと。3回めの開催では,“イエロードラゴンネスト”のハードコアネストモードにおけるクリアタイムを競うという内容だった。
しかし,“イエロードラゴンネスト”のハードコアネストモードを実装後,プレイヤーの攻略ペースはその予想を大幅に上回っていた。そのため,第3回 DN-1グランプリの開催を発表する当日の朝,急遽“タイムアタック形式”に変更したそうだ。
実際,第3回 DN-1グランプリを開催したところ,イエロードラゴンは予想よりも早い段階で倒され,攻略プレイヤー達は,クリアタイムをどんどん切り詰めていく戦いへと突入していった。
このときタイムアタック形式にしたのは正解だったと河野氏は振り返るが,それでも“17分47秒”という優勝チームのスコアには「いまだに理解ができない」と舌を巻いていた。
授与式では,優勝チームのメンバーにさまざまな賞品が贈られたが,それらの中でも「キャラクター名の前に表示される『称号』を自由に名付けられる」という権利に関しては,面白いやりとりが交わされた。
それを見たYAMAMOTO氏が「では後で,食事でもしながら一緒に相談しましょう」と話を持ちかけるとメンバー達の態度は一変,称号のタイトルを『称号に大満足』に決めていた。本当に(?)良いのだろうか。
彼らのそんな称号を実際にゲーム内で目にするか(=満足),それともしないのか(=不満足)。ちょっと気になるところである。
開発,運営,プレイヤーの3者が激論を交わした“円卓会議”
さてゲームのオフラインイベントにおいて,プレイヤーと開発/運営スタッフ間による質疑応答はよくあることだ。さらに質問内容は事前に知らされており,要は“台本ありきの進行”というケースが多い。しかし今回は,大まかな議題があらかじめ決まっているだけで,開発者とプレイヤーが直接議論する場が設けられた。
会議は,休憩を挟みながらトータルで約3時間半もの長丁場となった。その際に話し合われた内容をピックアップして以下に掲載しよう。ただし,正式に決まった話というわけではないので,その点を留意したうえで読み進めてほしい。
過去のオフラインイベントでお客様と接したことはありますが,ここまで近い距離で話し合うのは初めてです。そのため緊張していますが,ドラゴンネストをもっと良いゲームにするために必要なことだと思います。
アン・ソクヒョン氏 |
今回出席された方々は,日本のプレイヤーの中でハードコアの中のハードコアな方だと思います。どのような意見を聞かせてくれるのか。緊張と同時に期待もしています。
キム・デウォン氏 |
イエロードラゴンを開発してから,お客様と直接対話するのは今回が初めてです。今回のフィードバックを,より良いコンテンツを作るために役立てていきたいです。
【議題その1】“イエロードラゴンネスト”のギミックや難度に関して
知識として覚えていても,アクション要素を求められたり,各ステージのギミックが豊富だったり,とても新鮮に遊べました。メンバー同士の連携要素が求められるのも良かったです。
キム氏:
プレイヤーが飽きないように新しい要素を入れる。これは開発元としてとくに重要なことです。システムを初めて導入する際には,導入と同時に不安も感じるもので,たとえば“HP回復ができなくなるデバフを繰り出す”というボスモンスターのHPは低めに設定するなど気を使いました。
プレイヤー:
イエロードラゴンとのバトルに関わっている“生命の眼”は──12時方向に出現するモノだけですが──女性のクラスに限りマークが見えにくくなっています。これは,なにか特別な意図があるのですか。
クォン氏:
それは初めて聞く事例です。バグの可能性があるので,帰国後ただちに検証作業を行います。
プレイヤー:
一人のミスでパーティの全員が即死してしまう仕組みは,連帯責任のペナルティとして厳しすぎるのではないでしょうか。たとえば一人が死亡したり,強力なデバフを受けるといった程度ではダメですか。
クォン氏:
ほかのコンテンツならともかく“ドラゴンネスト”は正真正銘のエンドコンテンツなので,より高く連携要素を追求したいという考えがあります。確かに厳しいペナルティですが,逆にペナルティが簡単すぎると手応えがなくなってしまうので,見極めが難しいところです。
プレイヤー:
イエロードラゴンが尻尾を振り回す攻撃は,グラフィックスと実際の攻撃判定で大きくズレがあるように思います。
キム氏:
大型モンスターは45度ごとに攻撃判定を持たせているのですが,厳密に尻尾だけというのは難しいのが現状です。事前に光らせるなどの合図を表示させていますが,改善の余地はありますね。
プレイヤー:
次のステージを自分で選択する形式は最初こそ新鮮でしたが,慣れてきたら以前の一本道のほうが遊びやすい気がします。
クォン氏:
一本道と選択式。それぞれ長所と短所があることを認識したうえで,イエロードラゴンネストでは新鮮さを盛り込むべく,後者の選択式を採用しました。次のドラゴンネストでは完全ランダム形式にするなど,新しい要素を再び検討していかなければなりませんね。
プレイヤー:
イエロードラゴンネストへ通うようになると,過去のドラゴンネストなどの旧コンテンツに行く理由がなくなってしまいます。なんらかの理由を持たせてください。
クォン氏:
シードラゴンやグリーンドラゴンは開発期間にそれぞれ半年近くを要しており,それらが“死にコンテンツ”となっている現状はとても残念です。かといって,旧コンテンツに奇抜なアイデアを入れると「面倒くさい。前の方が良かった」といった声が挙がってしまいます。
プレイヤー:
たとえば,シードラゴンの報酬をある程度集めて,それをグリーンドラゴンの報酬と交換できるといった形で,報酬システムをリニューアルというのはどうでしょうか。
アン氏:
それを仮に導入した場合,シードラゴンの攻略そのものは変化していないので,単調な繰り返し作業に辟易してしまう人が出てきそうです。
プレイヤー:
では,攻撃バリエーションを増やすなど攻略方法を変化させてみてはどうでしょうか。
クォン氏:
確かに新鮮には遊べそうですね。ですが,そういったリニューアル作業のリソースで新規コンテンツを開発するべきという考えもあります。その点を踏まえて合理的に考えるなら,うーん……。数値などのバランスを再調整するのが妥当かもしれません。
【議題その2】次に実装する“ドラゴンネスト”に対する提案
ケルベロスに対して,後方から攻撃すると大ダメージを与えられます。ああいう位置関係の要素を戦術に取り入れると面白そうです。
クォン氏:
それは同感です。ドラゴンネストに限らず,通常のモンスターに取り入れていいかもしれませんね。
プレイヤー:
昔のアポカリプスネストのように,内部でパーティメンバーを複数のチーム分けて攻略するのは楽しかったです。
クォン氏:
なるほど。スイッチなどを利用して,ピンチに陥ったの別チームを助けたりと,お互いフォローし合えるのもよさそうですね。
【議題その3】ゲーム全体に対する要望・改善箇所について
推奨スペックのPCを使っていても,大型モンスターとのバトルでは,エフェクトの激しさでかなり処理が重くなってしまいます。
クォン氏:
おっしゃるとおりです。今後もプログラムの最適化をしなければなりませんね。
プレイヤー:
ほかのプレイヤーとアイテムの取り引きをする際,アイテムまたは代金を先に受け取って逃げるという詐欺が実行できてしまいます。
河野氏:
それは放置できない問題です。公平に取り引きできるシステムを検討したうえで,開発チームへ要望を出します。
プレイヤー:
課金アイテム用インベントリの中にある品を,スタック可能にしてください。
クォン氏:
サーバーのデータベース担当者に,実現可能かどうか相談してみます。
プレイヤー:
整頓機能を実行した際に,並行してスタックもやってください。
クォン氏:
データベースの構造上,難しいかもしれません。
プレイヤー:
整頓機能で並び替えてほしくない場合もあります。間違って実行しないように,Yes/Noの確認を挟むことはできませんか。
クォン氏:
その機能実装そのものは難しくないので検討してみます。
プレイヤー:
ギルド倉庫の中にあるアイテムに関して,閲覧するプレイヤーによって状況が反映されていないことがあります。
クォン氏:
データベースの同期に不具合があるかもしれません。バグの可能性があるので確認します。
プレイヤー:
ギルド倉庫からお金を引き出す際,メンバーの権限ごとに決まっている上限金額を変更できる仕様にしてほしいです。現状は低すぎます。
アン氏:
直ちに確認します。
プレイヤー:
取引所を利用する際,販売価格の上限が低いです。とくにレアな高額商品を取引したいときは,チャットを使う手間が生まれるというのが実情です。
アン氏:
コアな方ならではの意見ですね。現在の10万Gから倍の20万G程度に上限を引き上げることを検討してみます。
クラス間のバランスに関しては現状どのような認識ですか。
クォン氏:
個人的には,ムーンロード,スクリーマー,アデプト,セレアナ,マーセナリーが相対的に見て厳しいと思います。スクリーマーは10月のアップデートで強化されますが(※日本版),その次はマーセナリーのバランス調整作業を進めます。またセレアナの調整を行う必要は感じているものの,非常に繊細なバランス作業になりそうです。
プレイヤー:
そういった不遇クラスに対して強くするのを繰り返していくと,ゲーム全体がパワーインフレを引き起こしかねないと思います。強化とは違う形のアプローチで,この問題をクリアできないものでしょうか。
クォン氏:
おっしゃるとおりで,開発時はクラスバランスの調整作業にもっとも苦労しています。たとえばマーセナリーの調整では,単に強化するとバランスが一気に崩れてしまいがちです。持ち合わせている能力のうち,一部に特化したうえで強化するというアプローチを現在は考えています。
プレイヤー:
アバターアイテムを購入する前に,試着して確認できる機能がほしいです。
クォン氏:
その機能は社内の企画には挙がっているのですが,開発工数が多くなりそうなので,後回しになっているのが現状です。
プレイヤー:
髪型のバリエーションをもっと増やしてほしいです。
クォン氏:
外見に関しては,アバターアイテムに対する要望がとくに多く,そちらに開発リソースを取られてしまっています。髪型の種類も増やしたいので,スケジュールを調整していきたいですね。
プレイヤー:
パーティリーダーがブラックリストに登録しているキャラクターは,パーティに参加できないようにしてください。
クォン氏:
仮に実現すると,その機能のオン/オフをオプションで選べるようにする形になりそうですね。開発と相談してみます。
プレイヤー:
パーティ募集の際,文字制限が厳しいです。募集したいメンバーや,攻略内容,ドロップ取得などの条件について細かく記載できると,閲覧する側にとっても分かりやすいです。
クォン氏:
別のウィンドウを開いて,そこに詳細について記載できるといいかもしれませんね。実現可能かどうかを開発チームと相談してみます。
プレイヤー:
自分達だけで改善案を出すのは限界があります。一部のプレイヤーだけではなく,誰もが参加できる環境があれば,良いアイデアがたくさん集まるのではないでしょうか。
河野氏:
現在は,公式ページ内に問い合わせフォームがありますが,そちらとは別に特定の議題を決めたうえで誰もが参加できる場があると良いですね。検討してみます。
少々長くなってしまったが,円卓会議の雰囲気の一端は伝わっただろうか。繰り返すが,これらの話は正式に決定されたという話ではないので,その点は留意してほしい。
会議中は,プレイヤーのフィードバックに対して改善するための具体的なアイデアを開発スタッフから尋ねたり,開発スタッフ同士が真剣に話し込んだりといった様子もしばしば見られた。また,現実的に対処が難しい問題に関しては,開発サイドが事情や経緯を説明し,プレイヤーにとっても提案の材料になったことだろう。
今回,客観的な立場で取材して実感したのは,開発,運営,そしてプレイヤーの3者が一体となって,ドラゴンネストの現状における認識を共有し,改善を目指すという姿勢だ。そもそも,このような会議を実行するというのは,運営会社にとって勇気が要ることだろう。
すべての問題を解決するというわけにはいかないだろうが,少なくとも,そのために向かって開発と運営が真摯に努力している姿勢は十分に感じられた。有意義な時間であったと思う。
「ドラゴンネスト」公式サイト
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