ニュース
Intel,定例ミーティングでインテルアーキテクチャのビジョンを説明
「すべての機器が,いつでもどこでもインターネットに」
をスローガンに製品を投入
ダイナミックな製品開発を行うことでプロセッサ市場でのリーダーシップを維持しつつ,PCの技術をそのまま利用できる製品を投入することで,インテルアーキテクチャの家電などの組み込み市場への浸透を図り,さらに表現能力の向上を図るビジュアル化によってよりユーザビリティを高め,インターネットへの接続が簡単にできるようにしようという図式である。
インテルのプロセッサ開発は,アーキテクチャとプロセスを交互に開発する「Tick Tock 開発モデル」というスタイルで行われている。これまでの数年を見てみると,2006年にCoreマイクロアーキテクチャの投入が行われ,2007年は65nmから45nmへのプロセスの微細化が行われた。つまり,今年2008年は新アーキテクチャ投入の年となり,その新アーキテクチャが「Nehalem」(ネハレム,開発コード)ということだ。その後のロードマップも2009年には32nmへのプロセス微細化,そして2010年には次の新アーキテクチャを投入する,というスケジュールでの開発が進行しているという。
Nehalemはメモリ帯域幅の向上やハイパースレッディングテクノロジーの導入,ターボ・モードなど,さまざまな技術によりパフォーマンス向上を行っている。また,電力効率の向上も図られており,ノートPCなど電力消費に対して要求の大きなプラットフォームでのパフォーマンス向上も図られている。最初に投入される製品はハイエンドデスクトップPC向けの「Core i7」プロセッサになる。その後,2009年には順次メインストリームやモバイルなどのプラットフォームへ投入していくことになる。
組み込み市場に関しては,4Gamer読者にとっては興味の薄い分野であるが,ざっと言えば,通常のPCと同じインテルアーキテクチャのプロセッサを組み込み市場に投入することで,統一されたアプリケーション開発やシステム設計が可能になり,PCと家電,ネットブックなどがより近いものになっていくということだ。ここではAtomやAtomベースのメディアプロセッサなどを投入していくと語られた。
ビジュアル化に関しては3Dレンダリング能力や高品位ビデオなど,グラフィックスに関するユーザーの要求が高まっていることが現在の流れだとしている。このなかで,組み込み市場と同様,インテルアーキテクチャをベースにしたプログラムによるグラフィックス処理を可能にすることで,ビジュアルコンピューティングを推進する「Larrabee」を投入し,この流れをサポートしていくと語られた。Larrabeeはこれまでのインテルアーキテクチャにおけるアプリケーション開発ノウハウを活用できることがメリットであることは,ここでも強調されていた。
インテルの「Tick Tock開発モデル」 |
Nehalemのアーキテクチャ |
Larrabeeのアーキテクチャ |
Centrino 2の電力効率をアピール
Atomプロセッサとの棲み分けにも言及
また,Centrino 2ではノートPC向けのクアッドコアCPUも提供されており,Blu-Rayディスク再生だけでなく,ゲームなどパフォーマンスを要求されるアプリケーションにも対応できるようになったとCentrino 2のメリットを語った。
Atomはシンプルでベーシックなインターネット端末や持ち運べる端末,つまりモバイルインターネットデバイス(MID)やネットブック向け,そしてそれをもとに家電や組み込み用途を視野に入れたプロセッサであるということだ。処理能力を必要とするゲームなどは,Atomには荷が重いということだろう。
とはいうものの,さまざまな機器にインテルアーキテクチャのプロセッサが採用されるようになっていけば,それこそ吉田氏が語ったように「統一されたアーキテクチャの上でアプリケーション開発ノウハウを活用できる」ようになる訳で,さまざまな環境で同じゲームができるようになる未来も来るのではないかと思う。
デモンストレーションで利用された3台のノートPC |
Blu-Rayディスク再生を行っているときの各消費電力 |
Centrino 2とAtomのカテゴリー分け |
- 関連タイトル:
Core i7(LGA1366,クアッドコア)
- 関連タイトル:
Atom
- 関連タイトル:
Core
- この記事のURL:
キーワード
(C)Intel Corporation
(C)Intel Corporation