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[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
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印刷2013/09/21 17:30

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[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る

画像集#002のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
タイトルの「ノーコン・キッド」は,ノーコンティニュー(=ワンコイン)でゲームをクリアする人物の意
画像集#003のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
スクリーンで披露された,劇中のスチル。ロケ地となったゲームセンターは,かつて浅草橋にあった店だそうだ
 テレビ東京・テレビ大阪ほかで2013年10月4日に放映がスタートするテレビドラマ「ノーコン・キッド〜ぼくらのゲーム史〜」(以下,ノーコン・キッド)。そのスペシャルトークセッションが,東京ゲームショウ2日めのメインステージで開催された。

 ノーコン・キッドは,ゲームセンターを営む家の息子である渡辺礼治が,同級生の木戸明信,そしてゲーセンに現れる美少女・高野文美とともに,「ゼビウス」が大ヒットしていた1983年から2013年までの30年,ゲームとともに悩み,成長していく姿を描く物語である。
 番組内では,過去の名作ゲームが年代ごとに実名で登場。アニメやゲームなどで知られる脚本家の佐藤 大氏が原案とシリーズ構成・脚本を担当していることもあって,発表後から一部ゲームファンやゲーム業界関係者の間で話題となっていたので,聞いたことがあるという読者も多いだろう。

 今回のトークショーにはその佐藤氏と,監督の鈴村展弘氏が登場。番組プロデューサーを務める五箇公貴氏が進めるセッションにおいて,ドラマ制作の様子や裏話などを語ったので,今回はその模様をお伝えしてみたい。

左から五箇公貴氏,佐藤 大氏,鈴村展弘氏
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「ゲームにだけは嘘をつきたくない」

演技だけでなく,登場するゲームや関連の小物も要注目


佐藤 大氏。「普通のテレビドラマでは決してできない,『ゲームショウという場でトークができる』ことは本当にうれしい」と述べ,ゲーム文化を題材とするドラマを真剣に作っている姿勢が評価されたことに感激している様子だった
画像集#005のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
 佐藤氏はかつて,デベロッパであるゲームフリークに所属していた。「ゲームが文化になっていく過程で仕事をしていた」(佐藤氏)関係で,ゲーマーを主役に,「ゲーム文化をドラマに落とし込む」企画を昔から温めてきたのだそうだ。それゆえに,「それが今回やっと形になったことに感無量」とのことである。

 そんな企画のスタートにあたり,登場させるゲームのネタ出しには,かなり苦労したとも氏は振り返っていた。番組のサブタイトルにもなっている「ゲーム史」が,ステージに立っている3人だけでなく,スタッフ,そして関係者全員で異なっており,さらに各自がこだわりを持っていたため,調整はかなり難航したという。その結果,登場させることを泣く泣くあきらめた作品も,かなりの数に上ったそうだ。

60秒の予告映像もここで初公開された。ゼビウスの画面や,段ボールのシーンも見える
画像集#006のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
 ちなみに「佐藤氏のゲーム史」に大きな影響を与えたタイトルは,ドラマの序盤に登場するゼビウスとのこと。「ゲームの設定や音楽,裏技といった,ゲームがサブカルチャーと一体化していく過程を(ゼビウスで)リアルタイムに体験できたことが,非常に大きかった」と述べていた。
 また鈴村氏にとっても,「スペースインベーダー」や「ギャラクシアン」などといった固定画面のシューティングタイトルが世にあるなか,初の「スクロールするシューティングタイトル」として出てきたゼビウスのインパクトは大きく,「ゲーム開始時の,印象的なメロディを撮影現場で聞いたときは,30年前の『忘れていたこと』が頭によみがえってきた」そうだ。

五箇公貴氏
画像集#007のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
 そんな現場にあって,プロデューサーである五箇氏は,佐藤氏の脚本のト書き(※台詞以外の部分)にあった「ゲーム中に段ボールで頭を囲う」という描写に驚いたという話も披露された。
 五箇氏は佐藤氏と鈴村氏よりも年下であるため,「テーブル筐体に天井の照明が反射するのを防ぐため,筐体の上に置く段ボール」の存在を知らなかったのだそうだ。「そういった,世代ごとに移り変わるゲームカルチャーも,ドラマの中でちゃんと描かれている」(五箇氏)という。

会場5N-12には,番組のブースが設置されており,劇中に登場するゲームセンターの看板やハイスコアボードなどが展示されている。番組のチラシも配布中
画像集#008のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
 佐藤氏いわく「ゲームにだけは嘘をつきたくない」。アーケードのゲーム基板や,ゲームにまつわる小道具は,すべて本物を用意したとのこと。また,ゲームセンターの壁に貼られたハイスコアボードや,「電子ライター禁止」「鉄定規禁止」(※意味が分からない人は,お父さんお母さんか,30後半から50歳前後のおっさんに聞こう)といった張り紙,登場人物のファッションや髪型,言葉遣い,バックに流れる音楽のチョイスまで,1980年代当時のノリを今見ても楽しめるように演出しているそうだ。
 映像をあえて古くさく撮影したり,小物は都内のレトロゲーム店やコレクターなどから借りたものを使ったりと,細部までこだわっているという鈴村氏は,「録画して,コマ送りで見てほしい(笑)」とまで述べていた。

 また番組中は,ゲームの裏技などが紹介されるのはもちろんのこと,各話のそこかしこに,「誰も説明しないけど,毎回すごい隠れキャラが登場する」(佐藤氏)そうだ。このあたりは,オールドゲーマーであればあるほど楽しめる内容になっているところと言えるかもしれない。

鈴村展弘氏
画像集#009のサムネイル/[TGS 2013]ゲームカルチャーの30年が凝縮されたテレビドラマ「ノーコン・キッド」。その裏話を脚本家の佐藤 大氏らが語る
 キャストは,主人公の礼治役に田中 圭さん,木戸役に浜野謙太さん,高野役に波瑠さんを起用している。このドラマは1983年から2013年までの30年間を全12話で描くため,メインキャスト3人は15才から45才までを演じることになる。
 かなり珍しいスタイルだが,これは脚本上,1話で数年が経過することもあって,キャストを変更すると,「翌週にキャストがいきなり変わってしまう」違和感が生じるためだそうだ。

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 波瑠さんや浜野さんは役のキャラが立っているので,年を取ってもあまり変わらないイメージで演じていられたそうだが,田中さんが演じる礼治は,比較的ニュートラルな,視聴者を代表するような役柄ということもあり,同じ役の30年を演じるにはかなり苦労していたとのこと。15歳時を演じるときは声を高めにするなど,普段では見られない田中さんの演技を楽しめそうである。

 最後に,佐藤氏と鈴村氏のメッセ−ジで,本稿の締めとしたい。

佐藤氏「いろいろなゲームメーカーさんにご協力いただいて,役者の方やスタッフのみなさんといいドラマを作れるようにがんばっていますので,10月4日から毎週楽しみに見てください」
鈴村氏「あまたあるドラマの中で,ゲームとドラマの融合という,本当に新しいタイプのドラマで,毎週いろんな楽しみが見られます。楽しみにしていてください」

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ノーコン・キッド番組公式Webページ

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