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[GC 2007#054]ひさびさに登場するスペースコンバットMMOタイトル「Black Prophecy」とは?
Black Prophecyのストーリーや世界観は,ドイツの著名なSF作家Michael Marrack(ミヒャエル・マラック)氏の手によるものである。宇宙開拓に乗り出した地球人は26世紀までに,機械で身体能力を強化したTyi,遺伝子工学による改良を施したGenidesという2系統に分化し,内部分裂を抱えているという設定だ。そこにRestorers(回復者)と呼ばれる謎の軍団が侵攻,プレイヤーはTyiかGenidesかのどちらかに加わって,Restorersとの間で激しい戦闘を繰り返すことになる。
ただ,少し違和感を覚えたのは,Black Prophecyにプレイヤーキャラクターが用意されていないこと。Reakktorでディレクター兼CEOの役職にあるHolger Nathrath(ホルガー・ナスラス)氏の説明によれば,このゲームは母艦や宇宙船の内部で仲間達と交流を楽しむという作品ではなく,あくまでも激しい戦闘アクションに重点を置いたものだという。仲間達とのチャットは,顔部分のアートを挿入した交信画面風のものにする計画はあるというが,そもそもどこか一つの場所にプレイヤーが集まって,お互いの姿を見るという概念はないのである。
またテクスチャは非常に美しく,金属質の宇宙船と,オーガニックな惑星や隕石の対照的な描写は実に見事である。惑星にある程度以上近づくことはできないものの,山岳や河川がまるで衛星写真のように緻密に描き込まれていて,見ているだけでも感心する。雲も刻々と変化しており,恒星との位置関係によって惑星の雰囲気が随分と変わるようになっていた。そもそも惑星に行けないので無駄な技術にも思えるが,緻密に描写することで,宇宙にいるという臨場感を高めようとしているのだろう。
完成予定は2008年末で,10Tacleが販売を手がける。ドイツ語と英語のほかに,フランス語,イタリア語,スペイン語にも対応させてヨーロッパで広く展開させていくという。
今回はアイテムトレーディングなど,経済活動に関する仕様が詳しく説明されず,まだまだ謎の部分が多いのは事実。あくまでタクティカルなアクションに重点を置いているため,RPG的要素が少ないのは残念だが,今後仕様が変化することもあり得るだろう。宇宙が舞台のMMOGはひさびさであって,今後の進展には注目しておきたい。(ライター:奥谷海人)
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Black Prophecy
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