プレイレポート
「カウンターストライクオンライン」クローズドβテストファーストインプレッション
今回4Gamerでは,そんなCSOのβテストアカウントを入手して遊ぶことができた。諸事情によりわずか2〜3時間という短い時間のテストプレイではあったが,簡単なレポートをお届けしたいと思う。
ちなみに今回のテストは,完全韓国語版となるバージョンで行われていたこともあって,筆者がプレイした日本語OS環境では,どうしても文字化けが生じる。掲載したスクリーンショットの中には,文字化けした表示が含まれていることもあるが,そのあたりはご了承頂きたい。
懐かしいけど,やっぱり面白い! プレイ感覚はCS1.6そのまま
完全な新規タイトルではなく,あくまでも現状CSの亜流というスタイルを取っている点もなかなかユニークで,「CSはすで完成されたゲームである。小細工は必要ない」というNexonサイドの意志がひしひしと伝わってくるあたり,ある種の“漢らしさ”を感じる部分だといえよう。韓国のFPS市場においては,Counter-Strikeがビジネス展開上の失敗(※注1)から大きなシェアを取るには至らず,後発の「スペシャルフォース」に遅れを取ったという歴史もあるが,CSOは,そのリベンジ的なタイトルという意味合いも含まれる。
ただその一方では,ビジネスモデルの問題(すでにほかのFPSで下地があるとはいえ,CSでアイテム課金などが成り立つのか?など)や既存のCSプレイヤーへのアプローチをどうするか(既存プレイヤーを取り込むのか,それとも新規プレイヤーを重視するのか)など,さまざまな難しさというか疑問点があるのも確かで,いろいろな意味でその動向が注目されるタイトルでもある。
ちなみにCSのフランチャイズは,現在,三つのバージョンが存在していることは周知の通り。これがなかなかややこしいのだが,一つは,本家CSの最新版であるCounter-Strike 1.6。もう一つは,シングルモードの追加やグラフィックスの向上が図られた「Counter-Strike: Condition Zero」。そして最後が,「Half-Life2」でも用いられた「Sourceエンジン」をベースにした「Counter-Strike: Source」である。
CSOは,その中でも主にCS1.6を志向した作品で,グラフィックスやシステム周りに関しては,若干の後発であるCSCZのそれを踏襲。また本作は,開発元であるValve社のゲームランチャー「Steam」からは独立したサービスとなっているのも特徴で,NexonおよびValve社にとっては,主に日本,韓国,中国などといったアジア市場を睨んだ戦略タイトルという位置付けだ。
ともあれ,上記のようなことをつらつらと考えながらも,クライアントをダウンロードしてインストールを実施した。ダウンロードおよびインストールについては,昨今のゲームポータルがそうであるように専用のインストーラにて実行する形式だ。
ゲームを起動すると,まず大枠のサーバー(ワールド)を選択する画面が現れ,それを選ぶと,ゲームリストやコミュニティ管理ほか,各種設定を表示するロビー&メニュー画面に入る。今はまだ実装されていなかったが,メニュー上には,クラン管理やランキング,あるいは大会用と思われるアイコンが用意されており,本作が,CSを軸にしたコミュニティ的なサービスになっていることが窺えた。
ゲームへの参加方法は,プレイヤーがホストしたサーバー(ゲームルーム)をリスト上から選んで入室するというスタイル。これは,既存のFPSタイトルと同じような形であり,Nexon側が用意したサーバーで遊ぶという形式ではない様子。ホストとなる場合は,CS1.6のルールである「クラシックモード」のほかに,何度死んでもリスポーンするという「チームデスマッチモード」など,ルールや設定は自由に変更可能だ。マップについては,既存のCounter-Strikeシリーズのものをすべて受け継いだ上で,新規のものもいくつか追加されているようであった。
いろいろな新要素もあるCSOではあるが,テストの様子を軽く眺めた限りでは,やはり長年かかって作り込まれた旧マップ/旧ルールが人気という雰囲気。参加しているプレイヤーの動きを見ても,既存のプレイヤーの割合が多そうな感触を受けた。
筆者がプレイしたのが主にクラシックモード&旧マップだったということもあるが,本作のプレイ感覚は,良くも悪くも“CSそのまま”という雰囲気。CSの面白さはもちろんのこと,グラフィックやアニメーション,そしてサウンドに至るまで,何から何までまんまCSという印象だ。まぁ,以前のインタビューでもそういう方向性を目指しているという話だったので,当たり前と言えば当たり前なのだが,久しぶりにCSをプレイした筆者としては,かなりの懐かしさを感じてしまった次第。銃を撃ったときの爽快感や,サバイバルゲーム的な独特の緊張感など,「今遊んでも色あせてない,確かな面白さがCSにはある」と再確認させられた。元が数世代前のゲームということもあって,流石にグラフィックスはチープだと言わざるを得ないが,それが本作の面白さを損なうワケではないだろう。
なお,クラン機能などのシステム面についてだが,ハングルが読めないという筆者側の問題もあって,あまり確認できなかった。せっかく遊べる環境にありながらレポートが出来なくて申し訳ないのだが,この辺は,次の機会を待ってもらえればと思う。
32人集まって自由にドンパチ撃ち合うのも,確かに楽しいだろう。しかし,それとは違う「固定のチームを前提とした遊び方」が,また違う面白さ/奥の深さを備えているのも確かではないだろうか? なぜCSがゲーム大会でいまだに高い人気を保ち続けているのかといえば,そういった部分の面白さがあるからだと,筆者には思えるのだ。
だが現在のところ,FPSプレイヤーの中でも,そういった「本当のチーム戦」を遊べている人は一部に留まっている。CSでそういったチーム戦をやるには,ゲームサーバーに関する知識が必要だし,4人の仲間はともかく,ほかの5人の対戦相手を探すのは一苦労だからだ。要するに現在は,チーム戦をちゃんと遊べる環境そのものがまだあまり整っていない状況だと言えるわけだ。筆者としては,そういった遊び方を“システムでサポート”することによって,より多くの人がより手軽に楽しめるようになってほしいと考えている。逆に言えば,そういった環境(システム)がちゃんと用意されない限りは,純然たる「競技のFPS」というジャンルが,世の中に広く浸透することは難しいのではないかと思う。
ともあれ今回のβテストでは,ランキングなど細かいサポート機能はあまり実装されていない様子だったが,今後,地域別ランキングやE-Sports活性化のための放送システムなどが実装されていくという本作。マーケティングの展開如何では,本作が,アジアにおけるオンラインFPSの主流になる可能性は少なくないだろう。昨今,さまざまなオンラインFPSがサービスされている日本市場だが,いわゆる“本家本元”であるCSOが,日本のプレイヤーにどう評価されるのか,今から興味が尽きない。
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