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[GC 2008#46]EA DICEの「Mirror’s Edge」は,エポックメイキングなゲームを目指して開発中
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印刷2008/08/24 14:02

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[GC 2008#46]EA DICEの「Mirror’s Edge」は,エポックメイキングなゲームを目指して開発中

 7月のE3 Media and Business Summit,8月のシンガポールでのプレスイベント,そして今回のGCと,考えてみると,筆者はこの1か月に3回ほど「Mirror's Edge」(邦題 ミラーズエッジ)のデモンストレーションに出席している。まあ単なる偶然なので,なんとなく縁が深いような気がするのは気のせいだと思うが,本作が個人的な注目株になりつつあるのは事実だ。

画像集#014のサムネイル/[GC 2008#46]EA DICEの「Mirror’s Edge」は,エポックメイキングなゲームを目指して開発中

 GCでは,ブースでの一般公開と,カンファレンスルームでのレクチャーの2本立てで行われた。ブースの展示はシンガポールのときと同様,チュートリアルを兼ねた最初のマップがプレイできるもので,使用されていたデモ機はPLAYSTATION 3である。ビルの屋上からスタートし,赤く表示されたルートに沿って移動,追っ手の銃撃をかわしつつヘリコプターのスキッドに飛び移ったところで終了といった内容だ。

画像集#022のサムネイル/[GC 2008#46]EA DICEの「Mirror’s Edge」は,エポックメイキングなゲームを目指して開発中
 カンファレンスルームのレクチャーでも,まずはそこから始まった。Electronic ArtsのベテランプロデューサーであるNick Channon氏によって操作された主人公「Faith」がビルの屋上に立つと,正直「またここか……」と思ったりもしたが,パイプ渡りで必ず足をすべらして真っ逆さまに落下する私がそんなことを言える筋合いでないのは間違いない。
 いずれにしろ,1か月というスパンでそんなに変化するものではなく,最新情報は少ないものの,Channon氏のプレゼンテーションに沿って,簡単に内容をまとめておこう。こういったゲームは口で説明するよりムービーで見たほうが分かりやすいのだが,ブース,レクチャーともに「撮影はご遠慮ください」モードだったので仕方がない。EAのタイトルとしては,ガードの固いほうだろう。GCで公開された新画像もないしなあ。

 さて,Mirror's Edgeは一人称視点のアクションゲームだ。本作は,デベロッパであるEA DICEが得意な一人称視点的なゲームシステムを使って,これまでになかったようなタイトルを作ろうと発案されたものであり,人間の肉体の躍動に焦点を当てている。スーパーマリオブラザーズを3Dにしたような,トゥームレイダーシリーズを一人称にしたような,まぁそういうゲームなのだが,ともかく一人称であるところがミソ。カメラの位置やパンの速度にも細心の注意が払われ,まるで額にカメラが付けてビルとビルの間を跳んでいるような没入感が追求されている。


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 ゲームの背景となるのは架空の大都市で,かつてはエネルギッシュで猥雑な場所だったのが,人々が気づかないうちにゆっくりと変化して,いつしかクリーンで活気のない街になっていった。暮らしが向上してゆとりも生まれたため,多くの人々はその変化を受け入れたが,中にはそれをよしとしない人々もいた。情報の伝達は厳しく管理されているため,そうした人々は「ランナー」と呼ばれる情報伝達屋を使うことになる。主人公Faithもそんなランナーの一人だ。
 ゲームの舞台となる街は非常に広く,プレイヤーは,ランナーとしてさまざまなミッションに挑戦することになる。Faithは,ジャンプをしてギャップを飛び越えたり,壁を使った三角跳びをしたり,ワイヤーにぶらさがったり,障害物の下をスライディングで通り抜けたりと,それはもう多彩なアクションが可能なのだが,操作が非常にシンプルなのは本作の大きな特徴だろう。
 Channon氏によると,Mirror's Edgeの操作は「コンテキストセンス」(状況に応じた)であるとのことで,これはつまり同じボタンでも,ある場所ではジャンプになり,ある場所ではスライディングになるといった具合に,彼女が置かれた状況によって,発動されるアクションが自動的に判定される機能だ。
 また,「ダッシュ」や「スプリント」という操作もない。一方向に長く走っていれば自然に速度が上がり,最速状態でジャンプをすれば大きな飛距離を稼げるという感じで,プレイヤーがボタン操作に気を取られることなく遊べるような操作系が目指されている。

 チュートリアルこそ一本道だが,Channon氏によればすべてのマップには複数の解法があるとのことで,それを見つけ出すパズル要素がゲームのモチベーションをより高めてくれるそうだ。簡単なものから非常に頭を使うものまで,バラエティは豊富だという。
 またビギナー対策としては,「リアクションタイム」というシステムが導入されている。これは一言で言ってしまえばいわゆる“バレットタイム”で,警備員との戦いや複雑なアクションが必要なときは,スローモーションのように時間を遅らせてプレイしやすくする。すべてのマップはFaithが最速状態のままでクリアできるようにデザインされており,慣れれば非常に短時間でクリアできるようになるとのことである。

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 以前も書いたが,Mirror's Edgeはシューターではなくアクションアドベンチャーであり,銃の撃ち合いは必須ではない。Channon氏は一発の銃弾も撃つことなくクリアが可能としており,そのへんも個性的だ。
 「強い女性を描きたかった」という理由で女性主人公が選ばれているが,銃で敵を倒すのは必ずしも強さを表さず,むしろ相手を殺すことなく素早く逃げたり,殴り倒したりするほうがゲーム世界に似つかわしいという判断なのだろう。
 ゲーム中にカットシーンはなく,「Half-Life 2」のようにすべてキャラクターのお芝居や会話によって物語が進んでいくが,これもまたゲームへの没入感を高めることが目的だ。

 Channon氏によると,「来月になればさらなるディテールが公表できる」とのこと。開発はオンスケジュールで進んでいるらしいが,シンガポールで見た限り,PC版はまだいろいろと修正が必要に思えたので,ちょっと心配だったりして。
 なんともいえない独特の雰囲気を持った本作は,ブースに集まったドイツのゲーマーにどういう印象を与えたのか気になるところ。しかし何度も言うけど,発売前のゲームをガンガン遊べてしまうドイツのゲーマーが私はたまらなくうらやましい。憎らしいほどうらやましい。というわけで,続報をぜひお楽しみに。

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