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世界一周航路がついに開通! 拡張パック第2弾「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」の発表会の模様をレポート
以前4Gamerでも報じたように,拡張パック第2弾のタイトルは「大航海時代 Online〜Cruz del Sur〜」(クルス・デル・スール)に決定している。スペイン語で「南十字星」を意味するサブタイトルから,その主要コンセプトが見え隠れしているものの,同拡張パックの概要が公開されるのは,今回の発表会が初めてであった。
発表会当日,関東は台風4号の影響で風雨に見舞われていたが,会場となった恵比寿ガーデンルームには,多くのメディア関係者と,コーエーから招待されたプレイヤー達が詰めかけた。予想以上の悪天候だったため,プレイヤー達の大量欠席も予想されていたのだが,ふたを開けてみればほぼ空席がないほどの賑わいだった。Cruz del Surの注目度の高さと,大航海時代 Onlineファンの熱意をあらためて認識させられたものだ。
続けて松原氏は,「信長の野望 Online」「真・三國無双BB」「三國志 Online」などの運営状況やリリース時期に触れつつ,コーエーがインターネットの可能性/ビジネス性に早くから注目してきたこと,同社のタイトルがオンラインゲーム業界の発展に意味ある結果を残していることなどをアピール。そして今後もコーエーが,自社タイトルを通じてオンラインゲームの発展に努めていくことを,あらためて宣言した。
ちなみに松原氏が,大航海時代 Onlineの2年間の歴史の中で,最も思い出に残っていることは,同作オープニングの「口笛」だそうだ。サービス開始当初の大航海時代 Onlineをプレイしていた人なら,かつて,同作のオープニングで口笛が流れていたのを覚えているだろう。なんとあの口笛は,松原氏による「演奏」なのだそうだ。収録時には何度もリテイクを受けたとのことで,当時を思い出すと,情けないやら,恥ずかしいやら,申し訳ないやら……。という気分になるそうだ。これ,コーエーファンなら覚えておくといいだろう。
松原氏に続いて壇上に立ったのは,ご存じ,大航海時代 Online運営プロデューサー 渥美貴史氏と,同開発ディレクターの竹田智一氏。お二人は,悪天候のなか会場に足を運んでくれたプレイヤー達に,心からの謝辞を述べ,Cruz del Surのプレゼンテーションを行った。
まずCruz del Surのテーマは,ずばり,世界一周。ポルトガルの航海者/探検家 ファーディナンド・マゼラン(1480?〜1521)が挑んだ世界一周航路が,ついに開通する。南太平洋や大洋州(オセアニア)など,広大な新海域が追加されることで,西回りの世界一周航路が実現するのである。
なお,プレイヤーを世界一周へと導く方法として,「世界周航イベント」というストーリー仕立てのクエストが用意されるそうだ。新たなNPCも多数登場し,大航海時代 Onlineの世界にさらなる彩りを添えてくれるとのこと。
そんなCruz del Surの制作コンセプトは,「初心者をサポート」「多彩な生き方を実現する新機能」「西回り航路の実装」の3点に大別できるという。
■航海者養成学校を卒業すれば
■初心者用アパルタメントがもらえる!
その中で最も大きな初心者向け要素が,「航海者養成学校」だ。これは,ヨーロッパの各地に設立されるチュートリアル要素の強い施設。航海者養成学校に入学すれば,ゲームの操作方法や基礎知識といった基本的な授業から,開場や値段交渉などのスキルの使用法/応用法を,クエスト形式で学べるという。
授業を一通りクリアすれば,通常のプレイよりも簡単にキャラクターレベルが上げられるほか,卒業記念アイテムや,「寄宿舎」的なアパルタメント(通常のアパルタメントよりも狭いが,無料)が得られる。また養成学校では,訓練生名簿を通じてチャットが楽しめるので,初心者〜中級者のコミュニティ形成にも効果がありそう。
なお,後述する「沈没船の引き上げ」「バトルキャンペーン」「プライベートファーム」という要素も,完全に上級者向けのコンテンツというわけではなく,初心者〜中級者でも十分楽しめるものになっている。
■沈没船の引き上げ作業で
■海洋冒険の魅力が大きくアップ
プレイヤーの冒険心を強く煽るものとしては,「沈没船の引き上げ」が挙げられる。これは,世界中に散らばる地図の断片を集め(地図を完成させ),大海原に点在する沈没船を探し出し,それを新スキル「サルベージ」で引き上げるというコンテンツだ。
引き上げた沈没船を曳航し,最寄りの港に寄港すれば,沈没船内を探検することが可能。沈没船内の探索では,噂を聞きつけてお宝を奪おうとする海賊NPCや,宝箱に仕掛けられた罠など,さまざまな障害に出くわす。もちろん,そういった障害をクリアすれば,沈没船のグレードに応じた,さまざまな財宝が得られるというわけだ。
なお発表会後,渥美氏/武田氏に聞いた話によると,一般的な沈没船の数に限りはなく(ランダムジェネレートされる?),プレイヤー間で奪い合いが発生するようなケースにはならないという。また沈没船の中には,コロンブスによる初の大西洋横断航海で用いられたサンタ・マリア号をはじめとする,ユニークなものも存在するそうだ。それらは「発見物」に相当するので,あるプレイヤーが引き上げてしまったからといって,ほかのプレイヤーが引き上げられないということはない。
ちなみに沈没船の引き上げは,ソロプレイでも艦隊プレイでも楽しめるコンテンツだそうだ。とはいえ,引き上げた沈没船を曳航しているときに海賊プレイヤーに襲われる危険もあるし,沈没船内の探索には,さまざまなスキル保持者が要求されそうだ。小規模な沈没船はソロで,ユニーク沈没船は艦隊で挑むなど,状況に応じて引き上げ/探索作業を楽しむといいだろう。
■毎月7日間開催されるバトルキャンペーンで
■よりカジュアルな海戦を楽しもう
大航海時代 Onlineのプレイヤーならば,同作で定期的に行われている大規模対人戦イベント「大海戦」のことはご存じだろう。Cruz del Surが実装されれば,その大海戦のほかに,「バトルキャンペーン」という対人戦コンテンツも楽しめるようになる。
バトルキャンペーンは,毎月7日間開催される,10対10の対人戦コンテンツだ。開催日であれば,24時間いつでも参戦可能なうえ,どの街からも参戦できるという。基本的には,一定期間ごとに設定される海域の制海権をめぐって,2国間で争われるバトルだが,他国のプレイヤーも「傭兵」として参加できるというのが興味深い。
ルールの詳細は明らかにされていないが,勝敗は撃沈数/非撃沈数で決まるわけではなく,ポイント制となるようだ。バトルキャンペーンの戦闘マップは,自軍エリア/中央エリア/敵軍エリアという感じに分かれており,敵陣エリアで敵艦隊/敵NPCを撃破すれば,より高いポイントが得られる仕組みになっているそうだ。
■ついに自分だけの島が手に入る!
■プライベートファームを生産拠点にしよう
4Gamerに掲載済みのインタビュー記事などでも,その構想は以前から話題になっていたが,最新拡張パックでついに,プレイヤー専用の島が用意されることになった。
Cruz del Surでは,大海原に浮かぶ群島の中に,生産に適した「無人島」を見つけることができる。それを発見し,領有権を主張すれば,そこを自分だけの生産拠点「プライベートファーム」として活用できるのだ。
プライベートファームで得られる生産物は,島のタイプや発展の度合いによって変化する。プレイヤーが島を発展させていけば,産出できる交易品の量や種類が,どんどん増えていくというわけだ。またプライベートファームの実装に合わせて,大量生産用の専用レシピも登場するという。ファームがあれば,生産スキルを持っていなくても生産活動が楽しめるので,あらゆるプレイヤーにとって注目のコンテンツになりそうである。
なおプライベートファームで収穫した交易品は,本拠地で受け取ることが可能。離れた場所にいても,伝書鳩を利用して指示が出せるようなので,使い勝手もかなりよさそうだ。
■Chapter1「Circumnavigation」は
■8月22日に実装。価格は2940円or4515円
サーカムナビゲーションをプレイするには,それに加えてオンラインチケットを購入する必要がある。既存プレイヤーは,アップグレードチケットを2940円(税込)で購入し,新規プレイヤーに関しては,30日間プレイチケット付きのスターターチケットを4515円(税込)で購入すればいい。
なお大航海時代 Onlineは,Chapter1の導入をもってWindows Vistaに完全対応する。対応OSの問題で同作がプレイできなかったという人も,8月22日を楽しみにしていてほしい。
■海洋冒険家 白石康次郎氏のトークや
■プレイヤー参加型イベントも大盛況
白石氏といえば,「第一回単独世界一周レース」(BOCレース)で優勝した,故多田雄幸氏に弟子入りしたのち,数々のヨットレースに参加してきた,世界的に有名な海洋冒険家である。1993年,176日間で史上最年少単独無寄港無補給世界一周の記録を樹立したほか,1998年には横浜〜サンフランシスコを,双胴船で14日間で横断し,世界新記録を樹立。2006年10月には,世界一周レース「VELUX 5-OCEANS」のクラスIに参戦し,総合第2位に輝いている。
白石氏は開口一番,「こんな嵐の中,開場に足を運ぶなんて,みんな勇敢ですね。感心しました」と,「ゲームの中では海洋冒険家」のプレイヤー達に声をかけ,開場の空気を和ませた。
その後,渥美氏/竹田氏を交えたトークショーが始まり,「恐怖は陸に置いていく」「海洋冒険に興味を持ったきっかけは,単に水平線の向こう側が気になったから」「動機が好奇心というシンプルなものだから,どんな困難に合っても崩れることはなかった」などなど,偉業を成し遂げた人物だからこそ口に出せる,真の意味で説得力/重みのある言葉が次々と語られた。これにはプレイヤーだけでなく,会場にいるすべての人が,興味深く耳を傾けていたものだ。
そのほかにも,中学生くらいの海賊二人組に襲われたが,それを木刀を持って追いかけ回して撃退したエピソードや,赤道無風地帯では,満天の星空がそのまま海面に映り,まるで宇宙にいるような気分になるといった体験談など,硬軟織り交ぜたトークが展開されていた。このあたりに興味がある人は,白石氏の著書を探してみるといいだろう。とくに大航海時代 Onlineのプレイヤーならば,きっと面白く読めるはずである。
白石氏は最後に,同作のプレイヤーに対して,「志のある皆さんにお会いできて光栄です。僕は世界中の港を訪れ,さまざまな友情を育みました。リアルでもゲームでも,想いは同じ。出会いと友情を大切にしつつ,世界一周を目指して頑張ってください」とコメントしていた。その方法や覚悟,立場などは違えど,世界一周の動機や目的は,マゼランも,白石氏も,そしてプレイヤーも変わらない。「見たいから見に行く」「欲しいから探しに行く」のである。Cruz del Surが実装されたら,ぜひ「恐怖を陸に置いて」,世界一周という目標にチャレンジしてほしい。
その後は,プレイヤー参加型のクイズ大会も行われた。会場で選ばれた計12の代表プレイヤー達が,各国(イスパニア、ポルトガル、ヴェネツィア、フランス、ネーデルランド、イングランド各国のチームに2人ずつの組み合わせ)の代表として2人組/6チームに分かれ,4択クイズに挑戦するというものだ。
プライバシー保護の観点から,クイズ大会の撮影は禁止されていたのだが,プレイヤーならではの豊富な知識を発揮し,白熱した戦いを繰り広げていた。優勝を果たしたのは,4問を正解したフランスチーム。2位,3位は延長戦の早押しクイズの結果,ポルトガルチーム,イスパニアチームとなった。
なお参加チーム全員に記念品が贈られたほか,3位チームには雰囲気満点の古地図(レプリカ),2位チームには白石氏のオフィシャルポロシャツ+旅行券各2万円分,優勝チームにはグラフィックスカード+旅行券各3万円分が,それぞれプレゼントされた。
招待制のオフラインイベントは,事前に最大参加人数が把握できるため,設営/運営準備が進めやすいというメリットがあるものの,出席率が天候や交通状況,参加予定者の都合などに大きく左右されるなど,懸念材料も多い。
プレイヤーを招いてのオフラインイベントというものは,コーエーのオンラインタイトルとしては初の試みだったが,台風が直撃したにもかかわらず,あれだけのプレイヤーが出席してくれたという時点で,成功を収めたといっていいだろう(タイトルの注目度,熱心なプレイヤーの質をも証明した形だ)。イベント進行に大きな乱れはなく,ゲストコーナーやプレイヤー参加イベントも大いに盛り上がった。
なお発表会の終了後,渥美氏に話を聞いたところ,今回のようなイベントは今後も積極的に行っていきたいとコメントしていた。今回のイベントに参加できなかった人は,次回のチャンスに期待するといいだろう。
また4Gamerでは,渥美氏/武田氏にインタビューを行っている。Cruz del Surのより詳細な内容についていくつか確認できたので,近日掲載予定のインタビュー記事にも,期待していてほしい。(大路政志,photo by 市原達也)
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