連載
インディーズゲームの小部屋:Room#732「Kaiju Wars」
GW中はどこにも出かけず,各地の動物園などが公開しているYouTubeのエサやり動画で癒されていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第732回は,Foolish Mortals Gamesの「Kaiju Wars」を紹介する。本作は,部隊を指揮して巨大怪獣に立ち向かい,都市を防衛するというストラテジーゲームだ。お世話のことを考えるとなかなか手が出せないが,筆者も何か飼いたいなあ。
本作のストーリーは,数百万年の眠りから覚め(?),世界各地の都市を襲い始めた巨大怪獣から街を守るため,防衛隊を組織して決死の戦いを挑むというもの。なぜ急に怪獣が襲来してくるようになったのかは不明だが,どうやらその裏では宇宙からの侵略者が暗躍しているらしい。ああ,やっぱりね……。
プレイヤーの使命は都市の市長兼指揮官として,歩兵や戦車,ミサイル部隊や戦闘機などを率いて怪獣に立ち向かうこと。出現した怪獣は,基本的に一番近くの施設に向かい,それを破壊したあとは次の目標に移るという行動をとる。怪獣をクリックすると,次にどのマスに移動するかが確率で表示されるので,それを基に部隊を展開させよう。
しかし,古今東西の怪獣映画を見ればお分かりのとおり,怪獣の力はすさまじく,通常兵器では歯が立たない。本作においても通常兵器の火力で怪獣を撃退するのは難しく,攻撃を受けると戦車だろうが戦闘機だろうが一撃で破壊されてしまう。だが,人類にはまだ最後の希望が残されている。そう,怪獣研究の第一人者であるワグナー博士が開発する抗怪獣血清(?)で怪獣を撃退するのだ!
本作では,マップ上に残っている施設と研究所の数に応じて,毎ターン,兵器の配備や修理に必要となる「資金」と,抗怪獣血清の開発に必要な「科学」ゲージが加算される。また,各ターンに一度だけ「プロジェクト」を発動し,通常兵器を無料で緊急配備したり,より強力な試作兵器を開発したりできる。
こちらの勝利条件は,これらの兵器を使って怪獣の体力ゲージを完全に削り切るか,科学ゲージが最大に溜まるまで,ワグナー博士のいる研究所を守り切ること。逆に,博士がいる研究所を怪獣に破壊されてしまうとゲームオーバーだ。
通常兵器はもちろんのこと,試作兵器と言えども怪獣の前ではちょっと強い玩具にすぎないが,怪獣の体力を削ればその分だけ進行速度を低下させられる。従って,博士の研究が完成するまで捨て駒の兵器を投入し続け,犠牲をいとわず時間稼ぎをするというのが基本的な作戦になるだろう。うう,申し訳ない……。
ゲームには能力や特徴が異なる5種類の怪獣が登場し,撃退はできるが完全に倒すことは不可能だ。さらに,一度撃退に成功しても突然変異で新しい能力を獲得し,何度も襲い掛かってくる。出現するたびに強力になる怪獣に対抗するため,こちらもミッションクリアで得られるメダルを使ってエースユニットを強化したり,新しい研究員を仲間にしたりして戦力を強化しよう。
そんな,今こそM78星雲から光の戦士が助けに来てほしいと願わずにいられない,絶体絶命の戦いを味わえる本作は,Steamにて2050円で発売中。怪獣映画でただ踏みつぶされるだけの戦車に歯がゆい思いを抱いていた人も,本作をプレイすれば彼らの頑張りが決して無駄ではなかったことが,身をもって理解できる……かも?
■「Kaiju Wars」公式サイト
http://www.foolish-mortals.net/kaijuwars- この記事のURL:
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