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インディーズゲームの小部屋:Room#202「Orcs Must Die!」
「インディーズゲームの小部屋」の第202回は,Robot Entertainmentの「Orcs Must Die!」を紹介する。本作は,昨日まではただの見習いだったウォーメイジとなり,次から次へと城に押し寄せてくるオークの大軍をさまざまなトラップや自らの武器で撃退していく,3人称視点のタワーディフェンス型アクションゲームだ。
4Gamerでも何度かお伝えしているように,本作を開発したRobot Entertainmentは,名作RTS,Age of Empiresシリーズを生み出したEnsemble Studiosの開発者達が立ち上げた独立系デベロッパ。Xbox 360用RTS「Halo Wars」の開発を最後にEnsemble Studiosは閉鎖されてしまったが,その後,Robot Entertainmentとして再集結したメンバーによって「Age of Empires Online」が開発され,2011年8月に正式サービスが開始されたのはご存じのとおり。そんな彼らの新作としてこの10月に発売されたのが本作だ。
本作の舞台となるのは,剣と魔法のファンタジー世界。ゲームの目的は,城の中に守られた魔法の“リフト”を目指して襲撃してくるオーク共を,あの手この手で一匹残らず始末すること。昨日までは,熟練の老ウォーメイジが戦いの指揮を執っていたのだが,戦闘中にコボルドの血で足を滑らせて転んだ拍子に階段の角で頭を打って死んでしまったため,急遽その弟子であった主人公(=プレイヤー)にお鉢が回ってきたというわけだ。
普通であればここで,亡き師匠に代わって弟子である主人公が悲しみを乗り越えてオークへの復讐を誓ったりするところだが,どうもこの主人公はかなりのお調子者らしく,そんな悲しみや怒りのそぶりはこれっぽちも見せない。それどころか,「ひゃっほー! ようやく出番が来た!」とばかりに,ノリノリでオーク達との戦いに飛び込んでいく。これまで厳しくしごかれてきたことを根に持っているのか,師匠がいなくなったとたんに,いくらなんでも羽を伸ばしすぎじゃなかろうか……。
キャラクターの操作は,W/A/S/Dでの移動(Shiftキーを押しながらだとダッシュになる),Spaceバーでのジャンプ,マウスでの視点移動や攻撃&トラップ設置という,おなじみの方式。ステージ開始時には,剣やクロスボウといった自分用の武器と,城のあちこちに設置できるトラップのいくつかを選んで持っていくことができ,キーボードの数字キーやマウスホイールで切り替えが可能だ。
どのステージでも,オークを始めとしたモンスター達は数回の“ウェーブ”に分けて攻撃を仕掛けてくるので,そのすべてを撃退してリフトを守り抜けばステージクリア。敵がリフトを通過してしまうとリフトポイントが減っていき,ゼロになるとゲームオーバーだ。画面左上には主人公自身の体力と魔法力が表示されているが,体力が無くなってもゲームオーバーにはならず,リスポーンポイントで復活できる。ただし,リフトポイントが大幅に減ってしまうので注意しよう。
主人公自らが剣を振るってオーク共を血祭りに上げることももちろん可能だが,本作の主役となるのはやはり,多彩なトラップだろう。スパイクが飛び出す床や,大量の槍を発射する壁掛け式の装置など,トラップにはさまざまなものがあり,エルフの弓兵などを呼び出せるものもある。初めのうちは選べるトラップの種類も少ないが,ステージをクリアするたびに新たなものが使えるようになり,クリア成績に応じてもらえるオークの頭蓋骨を使って任意のトラップをパワーアップできる。
ステージが進むほど城の構造が複雑になり,オーク共の進入口も増えて,ゲーム中はかなり忙しいことになるが,狙いどおりに連鎖トラップが決まったときの爽快感はテクモ(現コーエーテクモゲームス)から発売されていた「影牢」シリーズに通じるものがあり,思わず悪人ヅラでニヤニヤしそうになってしまう。他人の不幸は蜜の味とは,まさにこのことだ。敵は近くに主人公がいると狙ってくる傾向があるので,うまく誘導して,トラップで一網打尽にしてやろう。
そんな本作は,何と音声まで含めてゲーム内の言語が日本語化されており,Steamにて14.99ドルで発売中。また本作はXbox LIVEでも配信されており,そちらでの価格は1200マイクロソフトポイントとなっている。Steam版,Xbox LIVE版共に体験版が用意されているので,悪いオークを極悪トラップでひき肉にしてやろうというウォーメイジな人は,ぜひお試しあれ。
■「Orcs Must Die!」公式サイト
http://www.robotentertainment.com/games/orcsmustdie- 関連タイトル:
Orcs Must Die!
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