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インディーズゲームの小部屋:Room#110「Machinarium」
「インディーズゲームの小部屋」の第110回は,チェコの独立系デベロッパ,Amanita Designが開発した「Machinarium」を紹介する。本作は,緻密に描かれた独特のアートディレクションが魅力の,ポイント&クリックタイプのアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは街の外に捨てられたおんぼろロボットを操作し,スクラップのような街を探索していく。
ゲーム中の基本操作は,すべてマウスで行う。ロボットは移動したいポイントをクリックするとテクテク歩き,周囲にあるアイテムやオブジェクトを取ったり調べたりするときもクリックするだけだ。また,ロボットは自分の身長を伸ばしたり縮めたりもでき,そのままでは届かないようなアイテムを取るときなどに利用する。
ゲームはまず,街の外に捨てられたロボットを修理し,街に戻るところから始まる。公式サイトやゲーム内のメニューなどを見ると分かるとおり,ゲームの基本言語は英語だが,ゲーム中は文章で表示される会話は登場しない。したがって,英語が苦手な人でも問題なく楽しめるはずだ。ロボットはときおり,考えていることを吹き出しの形で思い浮かべるので,それを攻略のヒントにしていこう。
最初のうちは一つのシーン内で謎解きが完結しており,その画面で見えている仕掛けを動かすだけで先へ進めるが,ある程度プレイを進めると行動範囲が一気に広がり,いよいよ本格的な探検がスタートする。ここから先は,マップを行き来しながらアイテムを見つけ,それをほかの場所で使うなどしていく必要がある。ゲームシステムは単純明快で,迷うところもないが,謎解きにはちょっと頭を使わされるかもしれない。
とくにやっかいなのが,画面が細部まで描き込まれているがために,どこが怪しいポイントなのかが,かえって分かりにくいという点だ。使えそうなものの上にポインタを重ねると形が変わるので,画面中をくまなくマウスでなぞっていくしかないだろう。本作には,「何をすればいいのか,どうしても分からない!」という人のために,ヒント機能とネタバレ機能もあるので,いざというときはこれらを活用してしまうのも一つの手だ。筆者も大変お世話になっている。
掲載したスクリーンショットからでも,本作独特の雰囲気は十分に伝わると思うが,百聞は一見にしかず。公式サイトにはWeb体験版が公開されているので,まずはそちらをプレイしてみよう。体験版は,あと一歩というところで街の入り口の跳ね橋から転げ落ちたロボットが,落下した先の仕掛けを動かしていよいよ街の中に……,というところで終わってしまう。続きが気になる人は,ぜひ製品版で続きを楽しんでもらいたい。製品版は,Windows版のほか,Macintosh版とLinux版があり,20ドルでダウンロード販売中だ。
ちなみにSteamで購入すると19.99ドルとほんの少しお得だが,公式サイトで購入するとWindows/Mac/Linuxの3バージョンのクライアントと,サウンドトラックをダウンロードできる。Windowsでしか遊ばない人はSteamで,Windows以外のマシンでも遊びたい人は公式サイトで購入するといいかもしれない。ただし,公式サイトからのクライアントダウンロードは,購入後14日間のみ有効となっているので,注意してほしい。
■「Machinarium」公式サイト
http://machinarium.net/- 関連タイトル:
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(C) 2011 Amanita Design