連載
インディーズゲームの小部屋:Room#43「HellSinker.」
本作のストーリーは,マニュアルの記述や,ゲーム中のメッセージなどを通じて語られるのだが,かなり難解で,正直なところ筆者にはよく理解できない。なんとなく分かるのは,「EXECUTOR」と呼ばれるプレイヤー側の存在と,「PRAYER」と呼ばれる存在(一概に敵とは呼べないようだ)が,楽園に通じる道とされる巨大な塔「CARDINALSHAFT」をめぐって,何らかの争いをしているということだけ。ストーリーの解釈はプレイヤーに委ねられている部分が大きいので,もしかしたら間違っているかもしれないが,純粋にシューティングゲームとして楽しむ分には,あまり細かいことを気にする必要はないだろう……。
本作で難解なのは,ストーリーだけではない。操作方法やゲームシステム,画面の見方,さらにはそれを説明するためのマニュアルまで,非常にややこしいのだ。そこで,ここではごく簡単に要点だけをピックアップして解説する。
まずゲーム開始時に,固有の攻撃方法を持った3体のキャラクターから1体を選択できる。基本的な操作は共通で,方向キーによる移動のほか,メインショット,サブウェポン,ディスチャージ(いわゆるボム)の3ボタンで行う。サブウェポンの操作にはかなりクセがあり,慣れるのに時間がかかるだろう。メインショットはサブウェポンと比較して威力に劣る場合が多く,耐久力の高いボス敵と戦うときなどは,サブウェポンの使用が必須となる。何度もプレイして操作をマスターしておこう。
また防御手段として,それぞれのキャラクターは「サプレッションレディアス」と呼ばれる防御フィールドを持っている。このサプレッションレディアスには,有効範囲内の敵弾を遅くし,消滅させる効果がある(効果のない敵弾もある)。発動方法は選択したキャラクターや,「ブートレグゴースト」と呼ばれる防御オプションの設定によって異なるので,ゲームを始める前に確認しておきたい。
こんな風に列挙されても,何が何やら分からないと思うが,これらすべてをゲーム開始時に選択しなければならず,どれもゲームプレイにおいて重要なので,お世辞にも取っ付きやすいとはいえない。
いざゲームを開始すると,今度は画面に表示される情報の多さに面食らうだろう。ここが第二の関門で,ゲームに慣れるまでは,画面右に表示される情報はすべて無視してしまって構わない。最初は,画面左に表示される情報のうち,「LIFE」(いわゆる残機数),メインショットの威力や,ディスチャージが使用できるかどうかを表す「SOL」,サブウェポンが使用可能であるかを表す「SUBWEAPON」の,3項目だけに注意しておけばいいだろう。そのほかの情報も,プレイ難度の変化やステージ展開に影響してくるなど,重要な意味を持つものがあるのだが,とても一度には覚えきれない。それらは,おいおい覚えていこう。
さて,このようにゲームシステムは複雑だが,いったん理解してしまえば,本作はシューティングゲームの基本にごく忠実な作品であることが分かるだろう。シューティングゲームのツボを押さえた完成度の高いゲームだけに,せめてもう少しマニュアルが分かりやすければ……と思われるのが残念な点だが,Ruminant's Whimperの公式サイトからはステージ4まで遊べる体験版がダウンロードできるので,シューティングゲーム好きならばぜひ試してもらいたい。
ノーコンティニューでステージ4までクリアすると,4番めのキャラクターと,ステージ選択機能などが使用可能になり,体験版でもここまでプレイできる。しかし本作の場合,ここからがいよいよ本番。この先は,さらに過酷な戦いが待ち構えている。製品版は1500円(税込)で発売中なので,体験版をプレイして気に入った人は購入を検討してみよう。
■Ruminant's Whimper公式サイト
http://sanagimaru.nobody.jp/- 関連タイトル:
Hellsinker.
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