男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第803回「人生，続けなきゃ」

著者近影

　齢47程度の中年が「何を偉そうに言うとんねん」ってことを今から言います。

　「人生，続けなきゃ」

　47歳と言えば，まあおっさんですよ。でも，日本人の平均寿命が80年とちょっとであることを考えると，半分を少し過ぎたくらい。あと30年以上残っている。なので，まだまだひよっこと言えなくもないです。それは分かったうえで，偉そうなことを言わせてください。

　人生は，続いています。とてつもなく悲しいことは，長く生きれば生きるだけ起こります。人間の力ではどうしようもない，天災や事故に巻き込まれることだってあります。突然の別れが訪れることだってある。理不尽な出来事に巻き込まれることも。
　でも，今の絶望的な気持ちが人生のすべてではないんです。もし，今これを読んでいる人の中に，例えばいじめられている人がいたとしましょう。私には，その環境を変えてあげることはできない。ただ，無責任だけどこれだけは言えます。
　「その時間はずっとは続かない，でも人生は続く」ということを。

　あきらめろってことじゃないです。理不尽を受け入れろってことでもない。申し訳ないですが，私では解ケツできません。だけど，生きることが大切なんだ。そう思っています。
　例えば今，絶望的な別れを目の当たりにして悲しみに暮れている人がいるかもしれません。私には，その心の穴を埋めてあげることはできない。でも，この当たり前のことをあえて言わせていただきたい。
　「今の悲しみが人生のすべてではない」と。そう，未来は分からないんですよ。今，つらい。でも，未来は分からない。今のつらいことが，未来には糧となっていることだってある。
　もちろん，つらい気持ちのすべてが美しく昇華されるわけではないです。そこまで人生甘いもんではありません。たぶん。でも，きっと苦しいことだけでもない。そこまで人生捨てたもんでもありません。

　悪いことをしたら，けっこう高い確率で自分に返ってきます。良いことをしても，誰かに評価されることはあんまりありません。そればかりか，自分では良いことをしたつもりでも，他人はそう捉えてくれないことだってあります。そういう意味では，世の中は理不尽寄りなのかもしれません。
　でも，それでも，人生は続きます。だから，楽しんでいいんです。つらいことがあってそこで歩みを止めたら，つらいイメージだけが残ります。

　人生で考えましょう。もうこれ以上，つらいことがイヤなのであれば止めてもかまわない。ただ，まだ耐えられるのであれば，つらくても歩き続けるのもまたひとつの選択。その先になにか報われることが待っているかもしれない。
　世の中に絶対はありません。未来なんて，どうなるか分からない。だから，今笑おうぜって話なんです。止めても，続けても。


　ちょっと前に私，「パワフルプロ野球2024-2025」の「栄冠ナイン」で寝落ちして，不正切断扱いされてペナルティを課せられたって話をこの連載で書きました。その続編です。


　私，あれからも続けたんですよ。だって，あのまま止めてしまったら，チームのみんなに「不祥事を起こして崩壊した名門野球部」ってレッテルを貼られてしまうじゃないですか。ええ，もちろんゲイム内の我がエイナル高校の話ですよ。
　なので，頑張りました。エイナル高校を立て直したんですよ。10年くらいかけて。


　で，夏の甲子園に出場しました。勝ち進みました。そして迎えた甲子園の決勝戦。8回が終わった時点で5-2。我がエイナル高校の優勢です。9回表，相手の攻撃をしのげば優勝。あの不祥事から，高校球児たちは頑張ってくれました。
　つらく理不尽な世間のバッシングにも負けず，自分が何か悪いことをしたわけでもないのに無理やり削ぎ落とされた能力。自分の代では成し遂げられなかった想いを，後輩に託し去っていく。徐々に取り戻す信頼。ちょっとずつ蓄積していくノウハウ。

　具体的なコツとしては，「守備力」に力を注ぐことですね。たぶん守備範囲を表す能力なので，守備力が高いと謎の位置取りによる敵のヒットを防ぐことができます。守備がいいと成績が安定する印象です。
　あとは，性格が「内気」の選手を多く抱えること。特殊能力の「甲子園の魔物」は相手のエラー率を上げるという凶悪なものなので。タイミングよく発動できると大量得点が期待できます。
　そんなこんなで，手塩にかけて育てた選手だけでなく，私の監督としてのプレイヤースキルというか知識をも育てて臨んだ結果，ついにその時が来たのです。


　9回表。ずっとこの高校の監督をしてきた私としては，涙で画面が見えません。そして打ち込まれるエース権藤。……え？　9回表に8点取られたんですけど。こうして夏は準優勝に終わりました。ちょっと，なんやこれ。
　これはただの愚痴なんですけど，試合終盤に大量得点を許して負けるケースが多いですね。これを防ぐ方法はまだ確立できてません。というわけで，私の「栄冠ナイン」は甲子園優勝を果たすまで続きそうです。
　でもね。何が言いたいかって，あのつらいペナルティを課されてから，それでもプレイを続けたら，報われる瞬間もあるってことなんです。いや，まだ報われ切ってはないけれども。

　日本に安楽死の制度はありません。だから死の選択は許されないものとして，あえて言いますね。生きられるだけ生きましょう。あなたが生きることでのつらさを，私が代わってあげることはできません。
　でも。ゲイムがあるし，私の立場から言えばプロレスだってある。犬だってかわいいし，ほかにもいろいろある。だから，今の悲しみを乗り越えて生きていきましょう。生きてる限り，できるだけ楽しもう。
　それは，悪いことじゃない。結局，一生懸命生きるってことなんじゃないか，と47歳のひよっこは思うわけです。いろいろな訃報が届く中，そんなことを考えてたっていう今週でした。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「聖剣伝説 VISIONS of MANA」
PlayStation 5：「EA SPORTS FC 24」
Nintendo Switch：「パワフルプロ野球2024-2025」
iOS：「プロレスリング物語」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，9月14日（土）13：00より宮城・白石ホワイトキューブ大会「遠藤哲哉凱旋！DRAMATIC INFINITY 2024 TOUR in SHIROISHI」を，15日（日）18：00より北海道・札幌サンプラザ大会「DRAMATIC INFINITY 2024 TOUR in SAPPORO【DAY1】」を，16日（月・祝）12：00より同会場で「DRAMATIC INFINITY 2024 TOUR in SAPPORO【DAY2】」を開催します。ディーノ選手によると，「世間が連休のときこそ，我々が働くのは当然のこと。なんだけど，疲れがたまっているであろう3連戦の最後に，クリス・ブルックス（選手）と初めてのシングルマッチって……ねえ？　会社が私をどう思っているのか，いまいち測りかねる」と，ぼやいておりました。