連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第719回「自分の足りない部分とどう向き合うか」
今,この原稿を書いている時点で,私は本業のプロレスにおいて悔しい思いをしております。こうした感情は久しく抱いておりませんでした。
というのもですね,今年の1月の時点で,ではありますが,今,まさにプロレス業界の歴史に残るようなイベントが二つ発表されております。これすなわち,武藤敬司選手の引退大会,そしてもう一つが団体の垣根を超えた軽量級の選手が集まる大会。これらの二つの大会にたぶんですが私は出ません。
いや,自信はあるんですよ。プロレス業界のいろんな選手が集まる中で違うものを見せられる自信は。もっとシンプルに言うと,面白いモノを見せる自信は。でも,出られない。厳密には軽量級の大会のほうはまだ分かんないんだけど。私,そもそも軽量級じゃないし。
ただ,ほかとの違いを出すためにみんなが目指さない方向を目指しているので,こういう,ほかとの比較が生まれる勝負どころでエントリーすらできないのは悔しいなーと思ったのです。
これはね,言っちゃうとジェラシーに近い感情かもしれない。で,ここからが今回言いたいことなんだけども,ジェラシー,いわゆる嫉妬って基本的にはネガティブな感情じゃないですか。ただ,このネガティブな感情は必ずしもネガティブな結果をもたらすものではないと私は考えていて。
結局,ネガティブな感情をどこにぶつけるかで結果は変わってくるんですよね。他人にぶつけると,さらにネガティブな結果につながりやすい。自分がうまくいかなかった事実を他人のせいにするってことだから。もちろん,結果に対する正確な原因分析は必要です。ただ,人間は感情の生き物でもあり。ネガティブな感情というものは,なかなか厄介です。正しい判断を邪魔します。
実際のところ,あまり良くない結果に対する原因はいろいろあるでしょう。ただし,自分の選択ミスや競争力が低いことで起こっているケースもすべてとは言いませんが,多々あるはずです。でもネガティブな感情を他人ではなく自分に向けると,話は変わってくるんですよ。
簡単に比較しましょう。他人にネガティブな感情をぶつけても,自分は変わりません。逆にその感情を自分に向けた場合,自己改善が起こります。自分の強さが増すんですよ。どっちが得かは言うまでもありません。ちょっと話を戻すと,注目度が高いイベントに出られないことで生まれた嫉妬は,今となっては自分の商品力を上げることで消化するしかない。より,ほかとの違いを出さなきゃと思った1月中旬です。幸先いい一年ですよ。
このゲイムは,いわゆるインディーズゲイムです。ビジュアルは,お世辞にも最先端のグラフィックスだとは言えません。もちろん,実際の選手の名前などが使えるはずもなく。これはネガティブな要素です。
でもゲイムとしては面白い。なぜかというと,リアルに寄せなかったから。もう,ゲイムだって割り切っているんですよ。実際のサッカーがどうとか,そういうアプローチではなく,サッカーというスポーツを使ったコンピュータゲイム。この割り切りからスタートしている。
だから,操作も現実の華麗なフェイントやモーションを再現するという方向ではなく,操作感が面白いかどうかにフォーカスされている。結果,面白い。クラブ運営も,極めてシンプル。試合に勝ってお金を得て,より強い選手を獲得したり施設を強化したりする。ホントにそれだけ。サッカーの奥深さなんかは一切無視。それがいい。
一見するとネガティブな要素が多いのに,結果ネガティブにならない作品と言えるでしょうね。これ,サッカーゲイムやほかのジャンルのまだ見ぬ可能性が見えた作品ですな。しっかりオススメできますよ。ゲイムにリアルサッカーを求める人にはどう映るか分からないけど,サッカーゲイムが好きなのであれば楽しめるはず。
実名選手を収録していたり,グラフィックスやモーションがリアルだったりしていても,それはあくまで武器の一つにしかすぎず。結局作るのは人間だし,もっと言えば遊ぶのも人間なんですよね。武器を生かすも殺すも人間,自分の足りない部分とどう向き合うかも人間。そういうことなんでしょう。
そんな感じで今週は久しぶりに本業でジェラシーを感じてしまったって話と,そのネガティブなはずの感情をどのようにポジティブに変えてやろうかと思っておるって話でした。ゲイムがいろいろ大切なことを教えてくれるのは45歳になっても同じ。今年も頑張ろう。また来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball 2023」
Nintendo Switch:「サッカークラブライフ レトロゴール」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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