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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第587回「エンターテイメントの価格設定について」
そこで,私はこう答えるの。「知らん」と。「知らん」と答えると,だいたい先方はガッカリした様子で「男色さんでも知らないんだ〜」とは言わずとも,そういうリアクションを取られるんだけども。
実際そうとしか答えられないし,みんななんか勘違いしているのよね。私が4Gamerで連載させてもらえているからって,別にインサイダー情報が手に入るわけではないからね。私がゲイム業界の中枢に食い込んでいる印象を持っている人もいるみたいなんだけど,全然そんなことないからね。むしろ興味のある情報しか集めていないから,知らないことのほうが多いくらい。したがって,私にゲイム業界の情報を尋ねてきて,ガッカリするのはご勘弁願えませんでしょうか。
とはいえ,PlayStation 5がついに具体的な姿を現し始めたのも事実。現時点で分かっている範囲だと,本体はUltra HD Blu-rayに対応したディスクドライブを搭載したバージョンと搭載しないバージョンの2種類で,(少なくとも北米では)2020年末に発売される予定。価格はまだ分からん。あとは,PlayStation 4ソフトとの互換性はある程度あるっぽいってことぐらい。
スペックとかは,正直,凄いんだろうなってことは分かるんだけど,実際のところ私はそこまで重視していなくて。そこは信頼ってやつかしらね。今までもハードの世代が新しくなるごとにスゲイなコレって思わせてくれたから,きっと今回もそう思わせてくれるんでしょう。そこは心配していない。
ただ,問題はどういう遊びを提供してくれるんだ? ってところが気になるのよ。ま,言うても買うんですけどね。最初は「グラフィックスがスゲイ!」って驚きがあるんでしょう。そして,いろいろな体験ができるようになるんでしょう。
では,スペックの向上でできるようになることって何なのか。新しい体験って,実は新しい技術からもたらされるものだけではないと私は思っていて。作り手が今まで諦めていたようなことを,技術が追い付いたからようやく実現できるようになったってケースもあると思うのね。そこを期待しているわ。
PlayStation 5本体の姿がお披露目。ディスクドライブを搭載しないDigital Editionも発表
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが本日(2020年6月12日)配信した紹介動画「PS5 - THE FUTURE OF GAMING SHOW」にて,PlayStation 5本体の姿を初披露した。また同時にディスクドライブを搭載しないDigital Editionも発表されている。
あと,やっぱり気になるのは価格よね。PlayStationシリーズの発売当時の価格(税別)を振り返ると,PlayStationは3万9800円,PlayStation 2も3万9800円,PlayStation 3は4万7600円〜,PlayStation 4は3万9980円〜。では,PlayStation 5は? ネットでの噂レベルだと6万円〜7万円と予想されているけども。
もしこの価格だとしても,そりゃ私は買うよ。ただ,例え3〜4万円台だったとしても,誰もが気楽に買える金額ではない。ここをどう考えるべきか。ジャンルは違えどエンターテイメントの価格設定って本当に難しいものだなと,このところあらためて考えることが多くて。
というのも,我々プロレスの業界も,ぼちぼち観客を入れての活動が再開しつつあるわけです。でも席と席の間を空けたり,そもそも会場に入れる人数を抑えたりすると,以前の半分ぐらいしか人を集められないわけですよ。そうすると,入場料の売り上げとしては単純計算で半分になってしまう。となると,入場料を上げなければやっていけない。
でもこれって,提供する側の都合でしかないのね。消費者側に立ってみると,提供されるモノの価値とその価格設定を納得できるかどうか,という話になってくるわけ。プロレスの場合は,各主催団体で価格設定にばらつきがあるわ。高く設定しているところもあれば,以前と変えていないところもある。正直,何が正解か分からない。
ただ,基本的には価格が高ければモノは売れにくい。今は人数が制限されるわけだから,見に来たい人に向けての価格でいいのかもしれない。人数制限がなくなって,より多くの人に見に来てもらいたいとなったときは,もう一度価格を見直す必要が生まれてくるのかもしれない。
こんなに世界全体でモノの在り方を見つめなおす機会ってないからね。不要不急ではない(とされている)エンターテイメント産業が,お客様からどうやってお金をいただくか。これを見つめ直す機会なのかもしれないわね。個人としても,企業としても,ジャンルとしても「生き残る」が今年のキーワードなのかもしれない。
……めちゃくちゃ長い脱線をしましたが。PlayStation 5はどうなっていくんでしょうね。私は買うけども。価格によっては買わない選択をする人も出てくる。なんせ周囲を見渡せば,無料で遊べるスマホ用のゲイムが世の中にあふれている。そんな中で決して安くないお金を出す意味。得られる価値。PlayStation 5という新たなマシンは,それをどのように生み出してくれるのだろうか。
なんてことを思いつつも,やはり楽しみにしていて,ワクワクしてる私がいるんだけどね。新しいゲイム機って夢があるじゃない。想像する楽しみっていうのかしら。こういうワクワクを生み出してくれるゲイム産業の人々に対して,嫉妬しちゃう部分もあるわ。私もこういう感情を生み出せる存在になりたい。
誰かに情報を聞かれた時に(私のほうが知りたいわ!)と思いつつ「知らん」と答えるしかないような。興味を持たれつつもいろんな想像をしちゃうような。具体的には私の近しい人が「あいつ,大丈夫なの?」「責任は誰がとるの?」って誰かから聞かれたときに,「知らん」と答えられるような。……あれ? これって不祥事?
ま,まあ,それぐらい人々に想像させる何かを生み出していきたいもんだと思いつつ,この辺で。
要は「私にPlayStation 5のことを聞いても何も答えられんよ」ってことが言いたかった今週でした。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「ドアズ・アンド・ルームズ」
Nintendo Switch:「九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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