連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第576回「一人一人の物語がつながって,世の中はできている」
ここにきて我々エンターテイメント業界だけでなく,急を要する産業,そうでない産業が分けられて,外出するしないの選択が生まれてきているわ。
プロレスラーという職業である私は今,満足に働けない。だから,働いてくれている人に託す気持ちでいっぱい。働いてくれてありがとう。働けるようになったら働くんで,今はお願いします。
DEATH STRANDINGって,要は荷物を運ぶゲイムなのですよ。命を懸けてモノを運ぶことで,外出できず分断された人と人がつながっていくっていうゲイム。……まさに今の現実世界のことじゃないか。
今,外出できない状況で,でも人は生きていかなきゃいけない。食べ物やトイレットペーパーがスーパーマーケットからなくなるという現象が起きているけれど,それって需要と供給で言うところの需要が供給量を上回っているから起きていることなのよね。でも,供給量は急には変えられない。作る人,運ぶ人がいて成り立つものだから。
モノって,作るのもそうだけど,運ぶのは必ず外に出なければならない。そう考えると,運んでくれる人には感謝しかないわよね。そうやって人はつながっているんだよっていうことを確認できるゲイムなのですねDEATH STRANDINGは。このご時世であらためてこのゲイムが伝えたかったことを確認できたわ。
食べる人がいるならば,それを作る人,そしてそれを運ぶ人がいて初めて食べることができる。もっと言うと,管理して売ったりする人もいれば,よりおいしくするために研究改良してくれてる人もいる。その一人一人が主人公。私は人前に出させていただいているけど,私ができることはそんなに多くないわ。公平に言うと,実際に私にしかできないこともあるのかもしれない。でも,それは決して多くはない。
何が言いたいかというと,できることをできる範囲で頑張ろう,ってことです。こんな世の中だと,もはや自分の体調がいつ悪くなるかも分からない。自分だけは平気だっていう保証はどこにもない。体調が悪くなったときに,できること。それはしっかり休むってことです。無理は絶対によくない。
DEATH STRANDINGはゲイムだから,運ぶ人がゲイムの主人公で世界の命運が託されたりするわ。だから,展開として無理せざるを得ないことも出てくる。ただ,我々は無理しちゃだめ。ゲイムの場合は定められたエンディングがあるしやり直しがきくけど,我々は死んだらやり直しがきかないからね。だから,無理をしてはダメなのですよ。生きるために,そしてつなぐために,無理してはいけない。
頑張ることと無理することは違うからね。よく混同しがちだけど。人は結果を出すために頑張るのであって,結果を無視した頑張りは,それはもう「無理をしている」ってことなの。自分が頑張っていると思いたいだけ。頑張ったと他人から認めてもらいたいだけ。だから,正しく頑張りたい。こんなご時世だからとくに。
DEATH STRANDINGは,世の中がつながっているってことを教えてくれた。そして,今がその“つながり”を意識するタイミングなんだと思う。今,頑張ってくれている人達がいる。今,苦しんでいる人もいる。自分はどうだ? 働く機会があまりない。お金もあまりない。その中でできることは?
「助けてくれ」って叫ぶことも一つの選択肢。まだ我慢できる場合は我慢して家にいる。余裕があるならば,消費をして経済を回す。自分にしかできないことは少ないけど,自分にもできることは多く存在する。それらがつながって,世の中はできている。
「あつまれ どうぶつの森」をプレイするもよし,今度出る「FINAL FANTASY VII REMAKE」に手を出すもよし。いっそゲイムから離れて自宅で映画やアニメを見るもよし。料理をしてみるもよし。幸い,まだ誰かが頑張って何かを届けてくれる環境にある。
要は,制限された中でも,自由はある。私は主人公だからね。今こそ自分がどういう選択をするか,試されているのかもしれない。この状況の収束に向けて。自分にできることを,できる範囲で無理せず頑張ろう。
では,来週まで生き残ろうではないか。また来週,必ず。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「三國志14」
Nintendo Switch:「あつまれ どうぶつの森」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
iOS:「マリオカート ツアー」
|
- 関連タイトル:
DEATH STRANDING
- この記事のURL:
キーワード
(C)2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.